大阪環状線内を運行する大和路快速・関空紀州路快速は、昼間の時間帯は大阪環状線内を快速運転をしています。しかしながら、大阪環状線内で列車の追い越しがなく線路が複々線になっていないため速達効果もほとんどありません。そこで、来年(2026年(令和8年))のダイヤ改正で大阪環状線内各駅停車に変更になる可能性があります。
快速運転のメリット
所要時間の短縮
一番のメリットは所要時間の短縮です。本来停車する駅を通過することにより目的地に早く到着することが出来ます。目安としては1駅1分程度でしょうか。大阪環状線内では3駅(野田駅・芦原橋駅・今宮駅)を通過しますので約3分の短縮が可能です。この時間を大きいとみるか小さいとみるかは人によって違うと思いますが私はそこまで大きな時間とは思えません。
混雑率の平準化
列車によって、混雑率が違うと利用者にとって車内の快適性に差が出ます。ここで、大阪環状線内の快速通過駅と停車駅の1日の利用者数を表にしたいと思います。データは2021年の数値です。
快速停車駅 | 快速通過駅 | ||
大阪 | 367,419 | 野田 | 11,406 |
福島 | 27,777 | 芦原橋 | 5,851 |
西九条 | 32,290 | 今宮 | 4,452 |
弁天町 | 33,544 | ||
大正 | 23,473 | ||
新今宮 | 60,984 | ||
天王寺 | 132,051 |
快速通過駅は、利用者が少ないため快速通過駅としていると思われます。しかし、ここまで少ないと混雑率に大きな差は出ないのではないかと思われます。実際、大阪環状線各駅停車を4扉から3扉に変更していますので混雑率の平準化はそこまで大きな問題ではないでしょう。
快速停車による駅の知名度の上昇
快速停車駅には、大きな施設や主要路線の乗り換え駅となっています。その意味では、駅の知名度を上げる上で快速列車が停車することは大きな役割を果たしています。これについては、まさにその通りだと思います。
快速運転のデメリット
快速通過駅での利用本数の減少
当然ですが、快速通過駅では利用できる列車の本数が少なくなります。大阪環状線では日中は15分間隔となります。列車本数では、1時間あたり4本停車となり8本が通過します。岡山の人間からすれば15分で列車が繰れば十分多いですが・・・。
複々線もしくは緩急接続がなければ快速停車駅は利用しにくい
大阪環状線は、基本的に複線となっています。また、快速列車と普通列車との緩急接続はありません。従って、途中で乗り換えて所要時間の短縮といった使い方は難しいです。また、列車の運転間隔が約5分ですので快速運転を行っても3分程度しか短縮できません。そういう意味では、わざわざ通過させる意味があるのか疑問に思うところもあります。
メリットとデメリットを比較すると
大阪環状線内の快速列車は、通過駅が3駅で短縮時間は約3分です。また、列車によって極端な利用者の違いもありません。そのあたりを考慮すると通過する3駅に全列車を停車させても問題ないと思います。私としては、来年のダイヤ改正あたりで各駅停車に変更されるのではないかと思います。
まとめ
大阪環状線(大阪駅~西九条駅~天王寺駅)内については、来年以降のダイヤ改正において大和路快速および関空紀州路快速を各駅停車に変える可能性が考えられます。実際の所変更しても大きな混乱は起こらないのではないでしょうか。