JR四国は、2025年9月4日のプレスリリスーで、「岡山自由席トク割回数券」の販売を終了すると発表しました。しかし、自由席限定のお得なきっぷ・学生や一般の利用者用に乗車券に追加購入することで特急列車の自由席に乗車できるタイプのきっぷを販売しておりそれなりの利用者がいます。今回の「岡山自由席トク割回数券」の発売終了は、特急列車の指定席化へ進む第一歩となるのでしょうか。
JR四国ホームページ
「岡山自由席トク割回数券」について
きっぷの制度
今回、発売終了する「岡山自由席トク割回数券」ですが、次のようなきっぷです。岡山への往復に使用できる4枚つづりの回数券です。
- 松山地区(松山~伊予北条⇔岡山)
このきっぷで、予讃線の伊予北条駅~松山駅と岡山駅間を「しおかぜ」号で利用することが可能となります。料金は、4枚つづりで16,800円となっており1枚当たり4,200円です。この区間の通常料金は、6,820円ですので1枚当たり2,620円安くなります(38.4%割引)。
- 高知地区
このきっぷで、土讃線の朝倉駅~土佐山田駅と岡山駅を「南風」号で利用することが可能となります。料金は、4枚つづりで14,200円で、1枚あたりは3,550円です。この区間の通常料金は、5,940円となっていますので1枚当たり2,390円安くなります(40.25割引)。
岡山からは、自由席用の割引切符はありませんので、金券ショップでばら売りを入手しない限り利用することはできません。そして、このおとくなきっぷの終了で(2025年9月30日発売分から)、松山・高知地区から岡山へ行く際に自由席が利用できるお得なきっぷがなくなります。
代わりになるものとしては
自由席を利用するのであれば、「四国フリーきっぷ」「週末乗り放題きっぷ」「バースデイきっぷ(自由席用)」といったフリーきっぷということになりますがいずれも値上げという形になります。値段が倍以上になるので現実的な選択肢ではないでしょう。
利用する人は
岡山行きということで、サラリーマンの出張需要が高いようです。観光需要としては、4枚ということもあり金券ショップ等でのばら売りでなければ使いにくいようです。
岡山からですとこちらのきっぷの方が指定席でお得なので「岡山自由席トク割回数券」を使うことは基本的にないと思いますので大きな影響はないと思います。
JR四国はどうしたいか
JR他社と同じく人件費を軽減するために自由席を指定席に変えたいものと思われます。しかしながら、「南風」「しおかぜ」はの運行している区間は、短距離利用で自由席を利用する乗客が結構な数いますので単純に指定席化は難しいと思われます。
そこで、目を付けたのが「いしづち」「しまんと」だと思います。これらの特急は、「南風」「しおかぜ」と併結して走行しており自由席があるのでこちらに誘導するつもりではないでしょうか。多客期に「しおかぜ」号の指定席を増やしているのもそのためだと思われます。
今後の見込み
はんぼうきの「しおかぜ」号の大半が岡山発着になること、すべての「南風」号が「あしずり」と併結していないことを考えると、地元の短距離需要に答えるために全席を指定車に変えることはないと思います。しかし、「しおかぜ」「南風」号について2026年のダイヤ改正で次の変更を行ってくるのではないかと思います。
「しおかぜ」
自由席車両を1両指定席に変更するのではないかと考えます。現在2両ありますが、繁忙期と同じく1両に変更するのではないでしょうか。本来は、全車指定席にしたいと考えていると思いますが、繁忙期に全ての車両が岡山に乗り入れになる事を考えると全席自由席化はすぐには困難だと思います。
「南風」
こちらは、「あしずり」を併結する車両については、「南風」を全て指定席に変更すると思われます。こちらは、繁忙期の全車両岡山駅乗り入れがありませんので自由席利用者については、「あしずり」を利用してもらうことで可能になると思います。
最終的には
「しおかぜ」「いしづち」「南風」「あしずり」すべてが指定席になるのではないでしょうか。現在ある自由席が利用できるお得なきっぷについても指定席専用になり事前に指定席を購入しての乗車になるものと思われます。地元の短距離利用の人には不便となりますがJR四国にとっては人件費が軽減できるためタイミングをみて変更してくると思われます。
まとめ
来年のダイヤ改正で次のような改正が行われるのではないかと想像します。
- 「しおかぜ」は、自由席車両が繁忙期と同じく1両減車となり1両になるでしょう。
- 「南風」は、「あしずり」と併結しない列車のみ自由席が設定されるでしょう。
自由席使用タイプのお得なきっぷの今後のあり方で、「しおかぜ」「南風」「あしずり」の自由席車両の運命は決まると思われます。今後のJR四国のお得なきっぷの情報については注目です。