吾妻線(長野原草津口駅~大前駅)は、全便高崎行きに戻す条件でバス転換もありか(2025年3月17日投稿分 修正追加あり)

吾妻線211系 路線の存廃

 この記事は、2025年3月17日に投稿したものを修正・追加したものです。

 群馬県の渋川駅(群馬県渋川市)~大前駅(群馬県吾妻郡嬬恋村)を運行するJR東日本の路線の一つである「吾妻線」ですが、長野原草津駅~大前駅間については利用者が少なくJR東日本から2024年3月22日に存続・廃止の前提を置かずに地域公共交通のあり方を検討するよう申し入れがありました。どういった選択肢があるのか検討してみたいと思います。

吾妻線について

吾妻線のデータ

  • 路線 渋川駅~大前駅 55.3㎞
  • 駅数 18
  • 電化 1,500ボルト直流電化
  • 全線単線
  • 軌間 1,067ミリメートル(狭軌)
  • 列車本数 渋川駅~長野原草津駅 普通列車14往復+特急列車2往復・長野原草津駅~万座・鹿沢口駅 普通列車 下り11本、上り10本・万座・鹿沢口駅~大前駅 下り4本、上り5本
  • 輸送密度 渋川駅~長野原草津駅 2,468(2023年度(令和5年度))・長野原草津駅~大前駅 260(2023年度(令和5年度))
  • 営業係数 長野原草津駅~大前駅 2,870(収入1700万円・経費5億1200万円・赤字額4億9400万円)

 となっています。渋川駅~長野原草津駅の区間は、輸送密度が2,000を越えているため赤字額については公表されていませんが、渋川駅~長野原草津駅についてもかなりの額の赤字が生じているものと思われます。

 ちなみに吾妻線の渋川駅~長野原草津駅は、今年80開業80周年を迎え、臨時列車団体列車が運行されます。

この先のあり方について

鉄道での存続

 大前駅の最寄り駅である嬬恋村では、町長が路線の維持を強く唱えており、吾妻線を存続させるために利用者に運賃の補助を行っています。

嬬恋村ホームページ:JR吾妻線(大前駅 ~ 渋川駅間)を利用 した鉄道運賃(令和6年6月1日以降の利用分から)の補助が始まりました!! | 嬬恋村役場

 たとえ、利用者が倍になったとしても収入には、ほとんど影響がないものと思われます(赤字が多きすぎるため)。このまま鉄道にこだわるのであれば、恐らくJR東日本としては減便で対応するでしょう(1日3往復?)。現在では、大前駅を除き利用客の多い時間については1時間程度の間隔で運行されていますが、長野原草津駅~万座・鹿沢口駅は列車本数が半分の2時間に1本程度になるのではないでしょうか。少なくとも現在より利便性が向上することはないでしょう。

長野原草津駅~大前駅をバス転換

 大前駅を航空写真で見てみると、駅よりも西側にもある程度の数の住民がいるように見えます。しかし、検索した限りでは大前駅と結ぶバス路線は無いようです(探し方が悪かったのかもしれませんが)。そこで、大前駅よりも西側の地域からのバス路線を設定して長野原草津駅までバス路線とすることを提案したいと思います。

 また、2017年(平成29年)3月4日のダイヤ改正から県内の中心地である高崎駅まで列車が行かず新前橋駅止まりとなっています。そこで、バス転換とセットでJR東日本に高崎駅行きに戻してもらうのがよいでのではないでしょうか。沿線の利用者は地元で済まないような用事であれば、高崎駅方面に行くと思いますので利用者にとっても損な話ではないと思います。

どちらがよいのか

 吾妻線のデータを見る限りでは、鉄道としての存続は上下分離等により自治体が赤字の負担をしない限りは難しいと思います。また、鉄道には速達性と定時制といったバスよりも有利な点がありますので、外部の人間が口を出すべきことではないのかもしれませんが私としては、バス転換についても選択肢の一つとして検討してみる価値はあると思います。

まとめ

 吾妻線の末端区間である長野原草津駅~大前駅についてはバス転換も含めて将来のあり方を検討する必要があると思います。鉄道のまま存続したとしても現在より利便性が向上することは考えにくいでしょう。

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