美祢線廃止決定によりキハ120形はどこへ? 本来の目的は高速化事業を行った津山線への投入用の車両だったはずでは。

美祢線キハ120形 車両

 2025年7月16日に山口県と関連する市町村は、美祢線の廃線を受け入れることを発表しました。これにより、美祢線は廃線しバス転換(BRT)へと転換されることになりました。一方で、下関総合車両所下関支所のキハ120形は廃線が正式決定したところで正式に運用を失うことになるので他の車両所へ転属となると思われます。これにより以前に記事にした伯備線での運用計画が変わる可能性が出てきたので記事にしたいと思います。

キハ120形投入の意図

 キハ120形は最高速度こそ時速95キロメートルとキハ40形・キハ47形と同じですが、車両の長さが16メートル(キハ40形・キハ47形は20メートル)と一回り小さな車両となっています。しかしながら搭載しているエンジンの関係で加減速にすぐれ、従来の気動車より高速で走行することがかのうです。

 そこで、キハ120形は二つの意図で投入されています。

乗客の少ない線区の車両の適正化

 一つ目は、利用者の少ない区間での定員の適正化です。これは、芸備線・木次線などで行われました。現在キハ120形が運行している区間はこの目的で投入されている区間がほとんどです。また、これれの区間は、時速25キロメートルの制限区間が多いため運転の際に大きく速度を変える必要があり所要時間の短縮にも使われています。

キハ120形の優れた加減速性能を生かした高速化

 二つ目は、加減速の優れたキハ120形の性能を生かした非電化区間の高速化です。これについては、津山線が該当し1996年(平成8年)に高速化事業が完成し、津山駅と岡山駅の所要時間の短縮のためにキハ120形が投入されました。

 しかしながら、閑散路線の乗車数が少ないため運行経費削減のためそれらの路線に転出してしまい、現在では津山電でのキハ120形の運行は3往復のみとなっており所要時間は、高速化事業完成の時より長くなっています。

美祢線廃止による状況の変化

下関総合車両所下関支所のキハ120形

 昨日の、美祢線沿線の美祢線廃止受け入れにより、下関総合車両所下関支所のキハ120形は、存在する必要がなくなります(正式には廃線が決定されたときですが)。現在下関支所には7両のキハ120形が存在しており、美祢線が復旧した場合に備えて車両が置かれていました。しかし、美祢線以外の運用はないため廃線決定により転属することになるでしょう。

同様に廃線となった津軽線の場合

 これは、津軽線の非電化区間が災害で不通になったとしても将来のために2024年度のダイヤ改正まで蟹田駅~三厩駅間用にGV-E400を青森駅から蟹田駅の間で運行していたことと同じ理由です。津軽線非電化区間は、2024年度に廃線が決定したので2025年3月15日のダイヤ改正で701系にGV-E400は置き換えられました。

キハ120形の今後について

 以前の記事で私は、伯備線(新見駅~米子駅)でキハ120形を投入すると予想しました。

 今でも利用者数的にこちらが可能性が高いと思っていますが、亀山から転属してきた2両とあわせて7両が下関から転属することでもう一つの可能性が発生したように思えますので今回記事にしてみました。次の二つの可能性です。

伯備線で使用(ただし、使用区間は備中高梁駅~新見駅・新見駅~米子駅)

 キハ120形が9両も利用できるとは考えてなかったので新見駅~米子駅間で使用すると考えていましたが、以前キハ120形運行していた備中高梁駅~新見駅の区間でも使用するのではないかと考えます。実際問題として227系の投入数が不明であり減車を伴うため、編成数が同じだとしても車両数を減らせない列車は出てくると思います。それを考慮すると伯備線での227系の運用数を減らす意味は十分にあると思います。

 もっとも。これについては213系が残ればある程度は緩和される問題なので213系が今後のカギを握るのではないでしょうか。

津山線で使用(おもに 快速「ことぶき」)

 もう一つの可能性は、津山線の快速「ことぶき」に利用し、津山駅~岡山駅の所要時間を短縮することです。本来、キハ120形は津山線高速事業のために投入された車両ですので9両が使えるのであれば、津山線で使われる可能性もあると思います。

 快速「ことぶき」を利用者の多い時間帯は3両もしくは4両で使用、少ない時間は2両で運用することで津山線の所要時間を短縮し利便性の向上を図ることが出来ます。

伯備線と津山線どちらで使用されるか

 どちらも投入するメリットがあるため断言することはできません。伯備線の場合は利用者が少ないことが理由となり、津山線では所要時間の短縮がメリットとなります。こればかりは、JR西日本の発表を見ないことには分からないと思います。

まとめ

 2025年7月16日の美祢線廃止の受け入れにより、下関のキハ120形に何らかの動きがあると思います。伯備線と津山線のどちらに投入されるか見守っていきたいと思います。

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