近年、観光地である京都を走行する山陰本線(嵯峨野線)では、混雑のために6両編成の列車を8両編成に増結することが求められています。そして、8両編成にするためには4両編成の車両が必要となりますが、車両不足のために実施できていないのが現実です。そこで、10月12日に投入される227系(Urara)により運用を外れる113系を姫路~播州赤穂間に使用して京都地区の6両編成の列車を8両編成へと増結することが可能ななるか検討してみます。
10月12日の227系(Urara)投入による変化
変更の内容
JR西日本は、9月19日のプレスリリースで10月12日(土)から岡山地区に227系(Urara)を投入するとプレスリリースで発表しました。
リンク:赤穂線に新型車両227系「Urara」運行区間拡大 (JR西日本ホームページ)
これにより、113系は岡山地区の運用を失うと思われます。今回のプレスリリースでは、相生駅~播州赤穂駅間については特に記載されていないことに注目しました(実際は、223系の代走で運用についているようですが・・・)。
113系について
113系は、車両自体は古いですが現在でも姫路駅~播州赤穂駅間の運用にも入っています。また、転換クロスシートとなっていますので車内は快適となっています。また、赤穂線内は時速95㎞であるため、223系・227系でなくても現在のダイヤでの走行は可能となっています。
どう変更するか
まずは、日中運行されている姫路駅~播州赤穂間の列車を223系4両から113系4両に変更します。これにより網干総合車両所の223系4両編成を4本捻出します。これで、吹田総合車両所京都支所の223系6両編成2本と置き換えます。
- 網干総合車両所(+12両) (転出)223系4両編成4本 (転入)223系6両編成2本・113系4両編成4本
- 吹田総合車両所京都支所(+4両) (転出)223系6両編成2本 (転入)223系4両編成4本
これだと、網干総合車両所の223系が不足する可能性があるので、吹田総合車両所京都支所の223を1編成戻します。
- 網干総合車両(+16両) (転出)223系4両編成3本 (転入)223系6両編成2本・113系4両編成4本
- 吹田総合車両所京都支所 (転出)223系6両編成2本 (転入)223系4両編成3本
こうすることで、山陰本線(嵯峨野線)で使い勝手のいい4両編成を3編成確保することが可能となります。さらに、223系6両編成もすべてなくなります。また、網干総合車両所については、運用の都合がつくのであれば混雑の激しい快速列車の増結が可能となります。
メリットとデメリット
メリット
- 8両編成までしか使用できない山陰本線(嵯峨野線)で使いにくい6両編成の223系がなくなる
山陰本線(嵯峨野線)は、既に線路容量が限界で増結以外に輸送量を増やすことはできないと言われています。そこで、中途半端となる6両編成を減らし4両編成の編成を増やすことが可能となります。
- 東海道・山陽本線の快速列車の増結が可能となる
また、網干総合車両所側でも混雑する6両編成・8両編成の列車を増結することが出来るので東海道・山陽本線のユーザーからも喜ばれると思います。
デメリット
- 赤穂線および山陽本線ユーザーから車両が古くなったと言われる。
デメリットは、次の一点に尽きると思います。223系・227系が運行されている区間で日中の時間帯に、姫路駅~播州赤穂駅間の列車が古い車両の113系になると、不満の声が出てくる可能性が高いと思います。これに対しては、225系を追加で製造した際に223系もしくは225系の運行にしていく必要があると思います。
まとめ
山陰本線(嵯峨野線)で問題となっている輸送力不足を岡山地区に投入される227系(Urara)で余剰となった113系でフォローする方法を考えてみました。机上の計算のみで行いましたので実際には困難かもしれませんが、輸送力不足を解決する一つの方法となるのではないかと思います。