JR東海は、2024年6月6日のプレスリリースで、データイムの関西本線名古屋地区において現行の313系2両編成から315系4両編成に増車を行い、ワンマン運転を行うことを発表しています。これにより輸送量が2倍以上に増加することになりますが、このことにより関西本線の減便はあるのでしょうか検討してみたいと思います。
315系4両編成でのワンマン運転の実施及び画像認識技術を活用した安全確認支援装置の搭載
JR東海ホームページ
検討資料
輸送密度
関西本線の輸送密度は、次のように変化しています。なお、JR東海は他の旅客5社と異なり2024年度の数値を発表していませんので国土交通省の数値を示したいと思います(2022年度まで)。
年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
輸送密度 | 14,249 | 14,252 | 9,560 | 10,257 | 12,035 |
他の鉄道会社と同じく2020年度に新型コロナの影響を受けており、戻り切っていない状況です。できれば、2023年度・2024年度の数値が見たいのですが、公表されていないため確認の術はありません。
列車本数
関西本線のデータイムは次のようになっています。
普通 (名古屋~四日市) | 快速 (名古屋~亀山) | 快速「みえ」 (名古屋~四日市) | |
本数(1時間あたり) | 2 | 1 | 1 |
車両数が2両から4両へ増加すると考えると、減便しないと利益が下がりますので減便が考えられますが、今のダイヤ構成だと1時間あたりの本数で調整するのは難しいようです。さすがに、普通列車を1時間あたり2本から1本は難しいと思われます。
もし、減便するとすれば、今の1時間サイクルの列車を2時間サイクルに変更して普通列車を40分毎、快速列車を80分ごとに変更することになるでしょうが、利便性の問題もあり難しいと思われます。
名古屋~四日市間で競合する近鉄の値上げ
この区間は、他の315系投入地区と違い名古屋駅~四日市駅間で競合する近鉄が大幅な値上げを2023年度に行っているという事情があります。そのため、近鉄の利用者がJR東海に流れるということで利用者の増加が怒っている可能性があります。しかしながら、2023年度と2024年度の輸送密度が不明であるためその数については私には分かりません。
なお、競合する区間(JR東海:名古屋駅~四日市駅、近畿日本鉄道:近鉄名古屋駅~近鉄四日市駅)の運賃は次の通りです。
乗車券 | 定期券(6か月) | |
JR東海 | 480 | 71,060 |
近畿日本鉄道 | 640→760 | 132,630 |
近鉄のホームページを見たのですが、6か月定期券の改正前の金額は不明でした。しかし、倍近く金額が違うので両方使える環境の人はJR東海に変更している人がかなりいると推測されます。また、乗車券についても、1.5倍以上の違いがあります。
これにより、2023年度以降については、利用者数は大きく上昇しているのではないかと思われます。したがって、JR東海関西本線の混雑はひどくなっており増結が必要であると思われます。
まとめ
315系の投入によりデータータイムの車両数が2両→4両へと増車となるJR東海の関西本線ですが、2023年度の近鉄の運賃値上げにより利用者の増加が期待できます。それを考えると減便は避けられるのではないかというのが私の検討の結果でした。
他に315系が投入される線区についても過去に記事にしていますのでリンクを貼っておきます。