昨日開かれた第5回芸備線再構築協議会において、7月19日(土)~11月24日(祝)までの期間の土曜休日に芸備線で試験増便が行われることが決定しました。増便の対象は、新見駅~備後落合駅間および、三次駅~備後落合駅間でそれぞれ1往復です。増便の実証実験の終了後は、鉄道以外のモードへの交通機関の転換についての試験が行われることになります。
JR西日本ホームページ
国土交通省中国運輸局ホームページ
今回の対象となる区間のデータ
輸送密度
JR西日本が公開している2023年度(令和5年度)の数値は次の通りです。
- 備中神代駅~東城駅間 88
- 東城駅~備後合駅間 20
- 備後落合駅~備後庄原駅 86
- 備後庄原駅~三次駅 373(廃線の議論の対象区間ではありません)
今回、廃線の対象となっている区間は輸送密度が100未満の区間となっています。しかしながら、備後庄原駅~三次駅間についても今後、輸送密度が200を割ってくると路線の存続に赤信号が灯ると思われます。なお、岡山県が以前Facebookで発信した情報によると青春18きっぷでの乗車はこの人数に含まれていないようです。
列車本数
対象区間の2025年3月15日のダイヤ改正時点での1日の列車本数は次の通りです。
区間 | 本数 |
備中神代~東城 | 6往復 |
東城~備後落合 | 3往復 |
備後落合~備後庄原 | 4.5往復 |
備後庄原~三次 | 7往復※ |
列車本数は一番多い区間(備後庄原駅~三次駅)でも7往復(土休日は5往復)であり、住民が普段の生活に利用するには少ないと言わざるを得ない状況です。また、観光での人の呼び込みも平日しか運行しない列車があったりして難しいのが現状でしょう。
今回運行される列車について
運転期間
7月19日(土)~11月23日(祝)までの期間の土休日となっています。平日に運行しないため観光客をの利用を期待しての増便だと思いますが、その目的であれば、利用客を増やすために備後庄原駅~三次駅間の土休日運休の2往復も毎日運行すべきでしょう。
この区間は、「青春18きっぷ」「鉄道の日記念 JR全線乗り放題きっぷ」の期間が含まれているため、カウントされない利用者が結構出て列車は大混雑しているが数値は出なかったということにならなければいいと思いますが・・・。
ダイヤ(新見駅~備後落合駅)
新見駅~備後落合駅(キハ120形1両)と備後落合駅~備後落合駅(キハ120形2両、広島駅~三次駅間は定期列車)で運行されます。備後落合駅に久しぶりに2両編成の列車が入ることになりそうです。
- 新見駅~備後落合駅
下り | 新見 | 東城 | 備後落合 |
時刻 | 10:24 | 11:07 | 11:57 |
上り | 備後落合 | 東城 | 新見 |
時刻 | 12:20 | 13:11 | 13:58 |
岡山駅から乗車するためには、伯備線の岡山駅7時25分発新見駅行きもしくは、岡山駅9時13分発特急「やくも7号」に乗車する必要があります。
帰りは、新見駅14時39分発岡山駅行きもしくは、新見駅14時46分発特急「やくも18号」の利用となります。なお、備後落合駅で広島駅行きに接続しているため芸備線を完乗したいのであれば、備後落合駅で広島駅行きに乗り換えるのも一つの方法です。なお、木次線は接続していないため山陰方面に抜けることはできません(長時間備後落合駅で待つことになります。)
キハ120形つながりで伯備線についての記事です。
ダイヤ(備後落合駅~広島駅)
- 広島駅→備後落合駅(上り)
上り | 広島 | 三次 | 備後庄原 | 備後落合 |
時刻 | 9:07※ | 10:41 | 11:10 | 11:54 |
この列車に乗るのであれば、名古屋駅6時20分発「のぞみ275号」もしくは、鹿児島中央駅6時35分発「みずほ600号」が乗り換え対象となります。
- 備後落合駅→広島駅(下り)
下り | 備後落合 | 備後庄原 | 三次 | 広島 |
時刻 | 12:08 | 12:54 | 13:25 | 15:09※ |
こちらの列車は、広島駅15時18分発「のぞみ36号」及び、広島駅15時28分発「のぞみ29号」に乗り換えが出来ます。
今回の実証実験について思う事
なぜ、土曜休日のみか?
地元の住民の利用促進を図るのであれば、平日も増便が不可欠です。しかしそれをしなかったということは、観光客の利用のみを考えているのでしょう。そうであれば、現地の二次交通・観光地の周知等やるべきことはたくさんありますが、7月19日という開始日までに間に合うのでしょうか。
結局、十分な準備もできず実証実験を行っても結果がどうなれ公開することにならなければよいと思いますが、皆さんはどう思われますでしょうか。
期間の4か月は短いのでは?
7月19日から11月23日までの4か月では、実証実験の期間として短すぎると思います。準備時間がないのに加え、定着する前に終わってしまうような気がします。結局鉄道ファンがフリーきっぷで乗車して輸送密度に反映されず終わってしまう結果に恐らく終わってしまうでしょう。JR西日本の言い分も分かりますが、広島県が主張していたように1年くらいは実施してほしいと思います。
まとめ
現在、路線の存廃議論を行っている芸備線では7月19日(土)~11月23日(祝)の期間に増便の実証実験を行い利用の増加があるか結果を見ることになりました。私の意見としては、1年くらい毎日増便して効果を確かめるべきだと思っています。