利用の多い都市部でも日中の保線作業を行うようになるのか? 広島シティネットワーク区間でも日中の時間帯に運転休止しバス代行輸送!

227系 Red Wing マスカット鉄道の意見

 JR西日本は、2025年(令和7年)10月1日のプレスリリースで、日中の時間帯に山陽本線(糸崎駅~西条駅)で保線作業を行うことを発表しました。これまで、利用の少ない区間でのみ列車を止めての作業は利用者の少ない路線でのみ行われていましたが、今後は利用者の多い路線でも対象となるようです。該当する路線について検討してみたいと思います。

山陽線(広島エリア)における 昼間時間帯集中工事に伴う列車の運休について

JR西日本ホームページ

山陽本線保守作業の概要

実施日

  • 2025年12月1日(月)・2026年2月16日(月)

 利用者への影響の少ない、平日の日中を選んで2日間実施されます。なお、作業時間はそれぞれ異なりますので注意が必要です。

運休となる列車

  • 2025年12月1日(月) 
  • 下り列車 白市駅11時56分発~白市駅15時39分発(糸崎駅発は11時53分発~14時54分発の列車)まで約4時間
  • 上り列車 西条駅11時27分発~西条駅15時11分発まで約3時間30分

 結構長い時間運休となります。なお、該当区間においてはバス代行が行われる予定となっています。4時間も運休して貨物列車がどうなるかは心配ですが、JR貨物とは調整済みなのでしょう。

  • 2026年2月16日(月)
  • 下り列車 糸崎駅12時53分発・13時53分発
  • 上り列車 西条駅11時27分発・12時27分発

 2本の列車が対象です。白市行きの列車は運行されるようです。この日も代行バスが運行されます。

保守作業の対象となる路線の基準は

 次の基準で選ばれているのではないでしょうか。

特急列車が1時間に1本ない路線

 JR西日本は、JR九州とは違い客単価の高い特急列車を運休させてまで保線を行うつもりはないようです。このため1時間に1本特急列車が設定されている路線は対象外になりそうです。山陰本線(京都近郊)・北陸本線(米原駅~敦賀駅)・福知山線・阪和線・紀勢本線(和歌山駅~白浜駅)・湖西線・伯備線・宇野線・本四備讃線は対象外となりそうです。

インバウンド需要の大きい路線

 インバウンドの利用者は、主に、昼間の時間帯に利用する上事前に情報を入手することが困難です。それを考慮するとインバウンド需要が大きい路線も対象から外れるのではないかと思われます。山陰本線(京都近郊)・東海道本線(京都駅~米原駅)・山陽本線(広島駅~宮島口駅)・奈良線・関西本線(天王寺駅~奈良駅)は、対象外となると考えてもよいでしょう。

私鉄と競合している路線

 日中の利用者は、定期券で利用しませんので使用する路線を自分の都合で選択することができます。それを考えると私鉄と競合している路線は対象から外すものと思われます。具体的には次の路線です。東海道山陽本線(JR京都線・JR京都線・JR神戸線)・JR東西線・片町線・大阪環状線・阪和線も対象外でしょう。

対象となりそうな路線は

 次の路線が対象だと私は考えます。

草津線(草津駅~貴生川駅)

 貴生川駅~柘植駅間は既に対象となっていますが、全線が対象となると思われます。輸送密度も2024年度で16,398であり、昼間であればバスで輸送可能と思われます。

紀勢本線(白川駅~新宮駅)

 特急列車の本数が少なく利用のあまり多くない区間です。この区間も昼時間帯に列車を止めて保守作業を行う可能性が高いと思われます。

加古川線(加古川駅~谷川駅)

 この区間は、すでに対象になっていると思っていましたが、JR西日本の運休情報の一覧に入っていないのでリストに入れました。ほぼ間違いなく実施されると思います。

播但線(姫路駅~福崎駅)

 福崎駅~和田山駅は既に行われています。播但線の中では利用が多い区間ですが、輸送密度が10,000を割り込んでいるので対象となるでしょう。

赤穂線(相生駅~播州赤穂駅)

 播州赤穂駅~東岡山駅間は、夜間に列車を止めて保守作業を行っている区間です。この区間は、通勤通学需要の関係で夜間の列車を止めるのは難しいので昼時間帯に保守作業を行うと思われます。輸送密度も2024年で8,296ですので昼時間帯であればバスで運べると思われます。

津山線(岡山駅~玉柏駅)・吉備線・宇野線(茶屋町駅~宇野駅)・山陽本線(上郡駅~岡山駅)

 岡山県で対象となりそうな区間です。人数的には対象となりそうですが、並行するバス路線がない区間なのでバスが確保できるかがポイントとなりそうです。ここについては対象とならない可能性があります。

福塩線(福山駅~府中駅)

 この区間は、輸送密度が2024年で6,310です。代行バスが確保できれば恐らく対象となると考えられます。

山陽本線(宮島口駅~岩国駅)

 この区間は、数値は不明ですが利用者はあまり多くないと思われます。代行バスの都合がつけば昼時間帯に保守工事が行われる可能性が高いと思われます。

まとめ

 10月1日のJR西日本のプレスリリースで山陽本線(糸崎駅~西条駅)という比較的輸送密度の高い区間で昼時間帯に保守工事を行うことが発表されました。この動きは今後進んで行くものと思われます。工事中のバス代行のためのバスの確保という問題があるもののかなりの路線で行われるようになるものではないかと思います。

タイトルとURLをコピーしました