JR西日本岡山地区の山陽本線(岡山駅~糸崎駅間)は、国鉄末期の増便計画の一つの例としてデータイム時間帯に15分間隔での運行が行われていました。しかしながら、現在は、20分から30分間隔の1時間2本もしくは3本の運転となっています。貨物列車の運行もある区間ですので、ダイヤ調整が難しいところもあるとは思いますが、本当に不可能なのでしょうか。検討してみたいと思います。
通勤通学時間帯は、「サンライナー」の復活を念頭に置いています。
山陽本線輸送成績
輸送密度
2013年度(平成25年度)~2023年(令和5年度)の値です。赤字は、2年目より減少・青字が増加を示します。
2013 | 2015 | 2017 | 2019 | 2021 | 2023 | 2024 | |
岡山~福山 | 36,417 | 36,967 | 36,343 | 37,171 | 27,453 | 33,106 | 33,669 |
福山~糸崎 | 14,967 | 14,971 | 17,428 | 18,188 | 12,884 | 16,118 | 16,428 |
2021年度こそ、コロナの影響で多き数字が下がっていますが、山陽本線そのものは、増加傾向がみられ、コロナ後も9割までの回復を見せています。福山~糸崎間は、半分程度の輸送密度となっています。
駅別利用者数
岡山駅・倉敷駅・新倉敷駅・福山駅は、他の路線が数値に含まれていますので純粋に山陽本線の利用者を問うわけでありません。
2000 | 2010 | 2015 | 2020 | 2021 | |
岡山 | 61,568 | 58,065 | 66,238 | 46,763 | 59,631 |
北長瀬 | 2,730 | 4,021 | 4,027 | 4,153 | |
庭瀬 | 3,996 | 3,604 | 4,157 | 3,598 | 3,531 |
中庄 | 6,448 | 6,573 | 7,357 | 6,335 | 6,452 |
倉敷 | 17,680 | 16,683 | 19,065 | 14,479 | 14,507 |
西阿知 | 2,903 | 2,555 | 2,895 | 2,597 | 2,534 |
新倉敷 | 7,067 | 7,115 | 7,733 | 5,845 | 5,783 |
金光 | 3,053 | 2,452 | 2,413 | 1,990 | 1,823 |
鴨方 | 3,112 | 2,665 | 3,158 | 2,613 | 2,501 |
里庄 | 1,756 | 1,311 | 1,269 | 1,035 | 991 |
笠岡 | 4,010 | 3,690 | 3,618 | 2,735 | 2,654 |
大門 | 2,945 | 2,348 | 2,489 | 2,042 | 1,976 |
東福山 | 3,759 | 3,693 | 4,265 | 3,754 | 3,795 |
福山 | 21,125 | 19,038 | 20,522 | 14,619 | 14,881 |
備後赤坂 | 1,644 | 1,712 | 1,802 | 1,665 | 1,576 |
松永 | 5,538 | 4,459 | 4,548 | 3,603 | 3,495 |
東尾道 | 1,348 | 1,692 | 1,919 | 1,713 | 1,660 |
尾道 | 5,657 | 5,521 | 5,693 | 4,263 | 4,055 |
糸崎 | 1,350 | 811 | 687 | 558 | 520 |
三原 | 7,437 | 6,326 | 6,351 | 4,676 | 4,558 |
輸送密度・駅の利用者数を見ると、以前は1時間あたり普通列車が4本快速列車が2本あったことも実態にあわせてことによることが分かります(車両数が多すぎたことは否めないですが)。
新倉敷駅は、表にはありませんが作陽高校の移転により数字を増やしていることが推測されます。
これを見ると、新倉敷を境に傾向が異なっており、列車本数に反映させた結果が今のダイヤだと思います。JR西日本は、本来は新倉敷で折り返し運転をしたいものと思われますが、設備の関係で金光駅での折り返しとなっているようです。
そして、現在の列車体系である1時間あたり糸崎・三原・福山(糸崎方面へ乗り変え有り)行き2本と金光行き1本もそうおかしなことではありませんが、列車の約20分サイクルによる運転によって金光駅以降の利用者が40分待ちということもあります。
また、糸崎駅から広島駅方面については、1時間に1本となっていて岡山方面からの連絡が良くない列車も存在しています。そこで、私の考えではありますが山陽本線の体制について個人的な意見をさせていただこうかと思います。
私の考え
一応、3つほど考えましたので書いてみたいと思います。内容については、諸般の事情で不可能なことがあるかもしれませんがそこは気にせず書きたいと思います。
山陽本線(岡山駅~倉敷駅間)に快速を設定する(岡山駅発車時刻)
時刻 | 種別 | 行き先 | 備考 |
00 | 山陽本線(普通) | 糸崎(三原) | 3両もしくは4両 |
13 | 伯備線(特急) | 出雲市 | やくも |
15 | 山陽本線(快速) | 金光 | 2両(ワンマン) 停車駅:倉敷・西阿知・ 新倉敷 |
17 | 伯備線(普通) | 新見 | 2両(ワンマン) |
30 | 山陽本線(普通) | 糸崎(三原) | 3両もしくは4両 |
45 | 山陽本線(快速) | 金光 | 2両(ワンマン) 停車駅:倉敷・西阿知・新倉敷 |
47 | 伯備線(普通) | 備中高梁(総社) | 2両(ワンマン) |
というダイヤを考えています。現況、岡山駅~倉敷駅までの区間は伯備線の2両ワンマンで運びきれていますので、伯備線の前に山陽本線の快速列車を設定しても問題ないと考えます。これならば、30分以上の待ち時間が発生する駅がなく利便性が向上すると考えています。また、山陽本線の快速列車をワンマン列車の227系にすることで運行コストも抑えられると考えます。貨物列車があるので難しいとは思いますがJR西日本には、検討していただきたいです。
糸崎・三原行きを30分間隔としその間に快速列車金光行きを入れる
時刻 | 種別 | 行き先 | 備考 |
00 | 山陽本線(普通) | 糸崎(三原) | 3両もしくは4両 |
13 | 伯備線(特急) | 出雲市 | やくも |
15 | 山陽本線(快速) | 金光 | 2両(ワンマン) 停車駅 倉敷・西阿知・新倉敷 |
17 | 伯備線(普通) | 新見 | 2両(ワンマン) |
30 | 山陽本線(普通) | 糸崎(三原) | 3両もしくは4両 |
45 | 山陽本線(快速) | 金光 | 2両(ワンマン) 停車駅 倉敷・西阿知・新倉敷 |
47 | 伯備線(普通) | 備中高梁(総社) | 2両(ワンマン) |
上の案から金光行きを普通列車とし、糸崎・三原行きを30分間隔としたものです。現行と近いダイヤですが、金光行き快速を2本設定し、利用の多い新倉敷駅までは15分間隔を維持します。
もう一つは、タイトルとは異なりますが、倉敷駅まで1時間6本、倉敷以西は3本となる改正案です。
伯備線総社行きを1時間に1本増発(倉敷まで1時間6本、倉敷以西3本)
時刻 | 種別 | 行き先 | 備考 |
00 | 山陽本線(普通) | 糸崎(三原) | 3両もしくは4両 |
13 | 伯備線(特急) | 出雲市 | やくも |
15 | 伯備線(普通) | 新見 | 2両(ワンマン) |
20 | 山陽本線(普通) | 糸崎(三原) | 3両もしくは4両 |
30 | 伯備線(普通) | 備中高梁 | 2両(ワンマン) |
40 | 山陽本線(普通) | 糸崎(三原) | 3両もしくは4両 |
50 | 伯備線(普通) | 総社 | 2両(ワンマン) |
山陽本線の金光駅行きが設定される前に考えていた案です。福山駅まで走らせるより総社駅まで運行するほうがコストが安くつくという考えから思いついたものです。金光駅行きが出来た今としては、伯備線の総社駅以北の利用者に40分待ちを強いるダイヤですので検討の価値は少ないと思います。
まとめ
山陽本線の、岡山駅~糸崎駅(三原駅)の理想的なダイヤを考えてみました。貨物列車・車両の数・人的な資源により難しいことは十分承知していますが、こういう形になれば、利便性も増し少しは利用客を増やせるのでないかという「鉄オタ」の妄想でした。一番の問題は2両編成のワンマン列車が山陽本線に投入できるかだと思っています。岡山駅での発車時刻で書いてありますが、上りについても同様に設定することで利益の最大化が図れるのではないでしょうか。