三江線代替バス「江津川本線」の廃止を江津市・川本町が受け入れ 自治体主導の地域交通の構築が課題

三江線宇津井駅から見たトンネル 路線バス

2018年3月末に廃止されたJR三江線。その代替交通として運行されてきた石見交通の「江津川本線」が、2027年3月末で廃止される見通しとなりました。

江津市と川本町は、石見交通から示されていた廃止の意向を受け入れたと報じられています。

三江線の廃止から、わずか9年で代替バスも姿を消すことになります。

旧JR三江線代替バスの廃止、江津市・川本町が受け入れへ 負担の提案も意向変わらず

中國新聞ホームページ

三江線の代替バス「江津川本線」が廃止へ

JR三江線は、島根県の江津駅と広島県の三次駅を結んでいた全長約108kmのローカル線です。2018年3月末に廃止され、翌4月から沿線の地域交通を確保するため、複数のバス路線などが運行されてきました。

リンク:三江線代替バスの運行について – シティプロモーションサイト – 三次市ホームページ

その一つが、江津市の済生会病院と川本町の石見川本を結ぶ石見交通の「江津川本線」です。

しかし、利用者の低迷や沿線人口の減少、運転士不足などを背景に、石見交通は2027年3月末での廃止を沿線自治体に伝えていました。

今回、江津市と川本町が廃止を受け入れたことで、今後は路線の廃止を前提に、地域の移動手段をどのように確保していくのかが課題となります。

鉄道廃止時の代替交通は、長期的に維持できるのか

今回の問題で気になるのは、三江線の廃止に伴って確保された代替交通が、わずか9年で廃止される見通しとなったことです。

前回の記事でも取り上げましたが、江津川本線は自治体などの支援を受けながら運行されてきました。それでも、利用者が少ない状況では路線を維持することが難しくなっています。

鉄道を廃止してバスに転換すれば、必ずしも地域交通の問題が解決するわけではありません。

バスは鉄道に比べて運行経路や停留所を柔軟に設定できる一方、人口減少が進む地域では利用者の確保が難しくなります。また、バス事業者にとっては運転士不足も大きな課題です。

鉄道の廃止時に代替交通を用意するだけでなく、その後も長期的に維持できる仕組みをつくる必要があるのではないでしょうか。

自治体主導で地域の実情に合った交通体系を構築できるか

江津川本線の廃止を受け入れるのであれば、江津市と川本町には、今後の地域交通をどのように構築するのかが問われます。

例えば、既存の路線バスだけで地域の移動需要を支えるのではなく、予約型の乗合交通や自治体が運行するコミュニティバスなども含めて、交通手段を組み合わせる方法が考えられます。

ただし、交通手段を変えれば、それだけで問題が解決するわけではありません。

通学や通院、買い物など、住民が必要とする移動を把握したうえで、運行する時間帯や地域、運行頻度を検討する必要があります。特に、通学・通院で利用する人にとっては、単に交通手段が存在するだけでなく、必要な時間に利用できることが重要です。

また、江津市と川本町のように複数の自治体にまたがる交通では、それぞれの自治体が個別に対応するだけでは、十分な交通ネットワークを構築できない可能性もあります。

そのため自治体が主体となり、地域住民や交通事業者と連携しながら、地域全体で移動手段を確保する仕組みが求められます。

2026年3月に作成された第2期三江線沿線地域公共交通計画では、江津川本線を地域間幹線系統補助の対象路線として位置付け、国の補助を受けながら維持する必要性を示しています。

「第2期三江線沿線地域公共交通計画」は、島根県のホームページで見ることが出来ます。

リンク:第2期三江線沿線地域公共交通計画

しかし、計画期間の開始からわずか1年で廃止されることになれば、計画に基づく路線維持と実際の運行継続との関係も問われることになります。

鉄道の廃止後も地域交通を支える仕組みが必要

今回の江津川本線の問題は、三江線の廃止が正しかったかどうかという議論だけでは捉えきれません。

鉄道を維持することが難しい地域では、バスなどへの転換が選択肢となります。しかし、その代替交通も利用者の減少や運転士不足によって維持できなくなるのであれば、地域住民の移動手段をどのように確保するのかという問題が再び浮上します。

重要なのは、鉄道を廃止するかどうかだけでなく、廃止した後も地域交通を持続させるために、誰が責任を持ち、どのような仕組みを整えるのかという点です。

江津市と川本町が今後、どのような地域交通を構築するのか。今回の廃止受け入れは、自治体主導で地域の移動手段を確保する取り組みが問われる事例となりそうです。

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