メモリ高騰車両製造にも影響が出るか?

227系「Urara」 車両

 現在、全世界的にメモリの値段が高騰しておりパソコン・ゲーム機器等の価格に影響することが懸念されています。これについては、鉄道車両も同様であり程度はともかくとして影響を受ける可能性が高いと思われます。そこで、今日はメモリ高騰が鉄道車両に及ぼす影響について見てみたいと思います。

世界的なメモリ価格高騰の背景

 2025〜2026年にかけて、DRAMなどの半導体メモリの価格が大幅に上昇しているという報道が続いています。AI関連の需要が急増し、データセンター向け高帯域幅メモリ(HBM)やサーバーDRAMへの供給が優先されることで、従来型メモリの供給不足・価格高騰が起きています。DDR5 DRAM価格が年率数百%上昇するなど、極めて大きな変動が観測されています。

 この現象は、AIモデルの計算需要の増大が根本原因で、業界はこれを「メモリ供給の逼迫」として認識しています。


鉄道車両製造との関係

直接的な影響は限定的な可能性

鉄道車両(JR西日本などの車両新造・置き換え案件)で一般に使われるのは、

  • 制御装置や通信機器のメモリ
  • 運行管理システム内の半導体パーツ

といった組み込み用途のメモリ・汎用メモリです。こうした用途のメモリは、

  • 自動車・PC・スマホに比べれば単価・量とも小さい
  • 先端メモリ(AI用HBM)ほど供給逼迫の影響を受けにくい

という側面があります。

 したがって、車両製造全体のコストに直結するほどメモリ高騰が影響する可能性は現時点では限定的と見る専門家もいます。


間接的・潜在的な影響

ただし、次のような間接的な影響は無視できないと考えられます。

① 電子制御の高度化が進む鉄道車両

最新車両は電子制御やデータ解析機能を多く搭載するため、

  • メモリ需要量が増加傾向
  • 原材料価格高騰が製造原価に波及

といった形でコスト圧力につながる可能性があります。

② サプライチェーン全体の価格上昇

メモリ価格高騰は、製造装置や部品供給網全体にも波及する可能性があります。半導体産業全般で原材料・部材・関連工程コストが上昇すれば、

  • 車載機器メーカーの納入価格が上がる
  • リードタイム(部品調達期間)が長期化
  • 先端制御システムの納入遅延リスク

といった影響が、鉄道車両メーカー・下請け企業に波及する可能性があります。

まとめ

 世界的なメモリの価格上は、IC業界にとどまらず産業全体に大きな影響を与えることが予想されます。そして、これは鉄道業界も例外ではないと思われます。ただ、現時点では、影響は限定的だが無視できないリスクというのが妥当な見立てではないでしょうか。

項目影響の程度
車両全体の製造決定に直結するか低〜中
車載電子機器・制御装置の部品価格
納期・調達リスク
長期的なコスト構造への影響高い可能性

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