東福山駅と広島駅を結んだ懐かしの快速列車「スーパーラビット」の復活は可能か? 鉄道ファン的な角度で検討

115系D27 妄想鉄道

 古い鉄道ファンの方ならご存じだと思いますが、かつて福山駅(東福山駅)~広島駅とを結んでいた臨時快速列車「スーパーラビット」号がありました。この列車は臨時列車ながら最盛期は福山駅~広島駅をノンストップで運行していました。この列車が今、復活することが可能か鉄道ファン的に見てみたいと思います。

「スーパーラビット」とは?

 快速「スーパーラビット」は、1990年代〜2002年頃にかけて運転されたJR西日本の快速列車で、広島〜福山(のちに東福山まで延長)間で、高速バス「ローズライナー」と競合して設定された列車です。土休日中心ながら、三原〜広島間はノンストップで走る都市間連絡型の快速でした。

  • 使用車両は 115系電車(運がいいと117系)
  • 主に都市間輸送を意識した設定
  • 福山〜岡山間の快速接続は薄く、岡山〜広島を通しで走らなかったのが惜しまれた点です。

 青春18きっぷで岡山から広島へ移動する際に使用された方も多かったのではないでしょうか。当時は117系の転換クロス車が来るとすごくうれしかったのを覚えています。

なぜ「スーパーラビット」は廃止されたのか?

 まずは、「スーパーラビット」が廃止となった理由について考えてみたいと思います。

ライバルとの競合

  • 高速バス「ローズライナー」と比較して所要時間や快適性で見劣りしたという意見があり、高速バス対策としては十分に機能しなかった

 117系の転換クロスシートであればバス並みの快適度が演出できたでしょうが115系のボックスシートだと快適性に問題があったように思います(どちらが来るかは当日まで不明)。また、バスが広島市中心部へ乗り入れているのに対し「スーパーラビット」は中心部から少し外れた広島駅までというのも苦しかった原因の一つだと思います。

  • 利用者数の伸び悩み

 利用者が少なかったのは廃止の原因の大きな理由でしょう。私もたびたび利用していましたが青春18きっぷのシーズンでも乗車率は半分に到達していませんでした。

  • 新幹線との競合

 山陽新幹線が主役として高速・快適な都市間輸送を担っているため、並行在来線の快速サービスに大幅な需要が回らないという面もあるでしょう(岡山〜広島は新幹線利用が一般的)。JR西日本としても客単価の高い山陽新幹線を利用してもらいたいというのが本音ではないでしょうか。

「復活」する条件は何か?

 「スーパーラビット」的な快速を再び…という構想を検討するには、以下の点が鍵になるでしょう。

利用需要の確認

 山陽本線の岡山〜広島区間は新幹線の優位性が高く、在来線快速を待望する層は限られるでしょうが、福山〜広島や東福山利用者の利便性向上として快速設定はニーズがある可能性があると思います。当時の利用率を見ると2両もしくは3両での運行でもよいような気がします。

編成と車両

 福山駅~広島駅で再現するということになると227系での運行になるでしょう。利用需要ともかぶりますが2両もしくは3両での運行が考えられます。

ダイヤ調整と停車パターン

 広島〜福山間ノンストップに加え、三原・尾道・東福山などの停車パターンをどう設定するかが大きなポイントです。通勤時間帯、観光シーズン、休日昼間など時間帯ごとに需要が異なるため、柔軟なサービス設計が鍵となるでしょう。

JR西日本の経営判断

新幹線主体の都市間輸送戦略の中で、在来線快速の位置付けは難しいのが現実です。近年でも岡山地区では快速「サンライナー復活」案が論じられており、在来線快速の需要回帰の声は一定数存在しています。

鉄道ファン的提案

ノンストップ快速の時間帯限定列車

  • 平日朝ラッシュ・休日昼間をターゲットにした区間快速設定
  • 東福山駅(福山駅)〜広島駅の停車パターンで所要時間短縮

227系を活用した快速運用

  • 快適性・加速性能の高い現代車両で「都市間快速」を演出

料金面での勝負

  • 高速バスと棲み分けるため、割引きっぷやWESTERポイントでの還元を打ち出す

まとめ

 快速「スパーラビット」は、JR西日本の山陽新幹線への誘導を図りたいという経営戦略の下では復活は難しいと思います。しかし、割引きっぷやWESTERポイント還元といった方策がうまく当たり利用が多くなれば実現は不可能ではないと思います。ぜひともあのヘッドマークをもう一度見てみたいと思います。

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