国土交通省は、JR四国に対し、2026年度から2030年度までの5年間で総額1,025億円を支援する方針を正式に決定しました。
これは、地方鉄道が抱える厳しい経営環境を踏まえた国の継続的な支援策であり、四国の公共交通の将来を左右する重要な発表です。
今回の支援は、単なる「赤字補填」ではありません。
国が明確に掲げたキーワードは――
「利便性と持続可能性の高い地域公共交通ネットワークの実現」
JR四国、そして四国の交通は、これからどこへ向かうのでしょうか。
国土交通省ホームページ
■ なぜJR四国は国の支援が必要なのか
JR四国は、全国のJRグループの中でも特に厳しい経営環境に置かれています。
● 人口減少と利用者減
四国4県はいずれも人口減少が続いており、
通勤・通学・日常利用の鉄道需要は年々縮小しています。
● 路線条件の厳しさ
- 山間部を多く走るローカル線
- 長距離・低密度輸送
- 設備維持コストが高い
特に、瀬戸大橋線を含む主要幹線の維持管理は、JR四国単独では大きな負担となっています。
● コロナ禍の影響
観光輸送に強みを持つJR四国にとって、コロナ禍による利用者減は致命的でした。
回復基調にあるとはいえ、コロナ前の水準にはまだ届いていません。
こうした事情から、国の関与なしに鉄道網を維持するのは極めて困難というのが現実です。
■ 5年間で1,025億円、その意味は?
今回決定された支援は、
- 期間:2026年度~2030年度(5年間)
- 支援額:総額1,025億円
前回(2021~2025年度)の支援に続く「第2ステージ」とも言える位置づけです。
注目すべきは、国が次のような姿勢を明確にしている点です。
「支援はするが、丸投げはしない」
支援と同時に、JR四国側には
- 経営改善
- 利用促進
- コスト構造の見直し
- 地域との連携強化
が強く求められています。
■ 鉄道単独ではない「地域公共交通」へ
今回の発表で特に印象的なのが、
「鉄道だけを守る」という発想からの転換です。
● バス・デマンド交通との連携
すべてを鉄道で維持するのではなく、
- バス
- コミュニティ交通
- デマンド型交通
と役割分担しながら、地域全体で移動手段を確保する方向性が示されています。
● 利便性を高めなければ意味がない
- 乗り継ぎが悪い
- 本数が少ない
- 使いにくい
こうした状態では、いくら支援しても利用者は戻りません。
「使われる公共交通」への転換が、今後の最大の課題です。
■ JR四国に求められる“これから”
今回の1,025億円支援は、
「最後のチャンス」と見る向きも少なくありません。
今後、JR四国には次のような取り組みが求められます。
- 観光列車やイベント列車のさらなる強化
- 地域と一体となった利用促進策
- 路線の役割を明確にしたメリハリある運営
- デジタル技術を活用した効率化
単なる延命ではなく、
**「どう生き残るか」「どう使われるか」**が問われる5年間になりそうです。
■ まとめ
地方鉄道の問題は、決して四国だけの話ではありません。
中国地方、山陰、そして全国のローカル線にも共通する課題です。
JR四国への国の支援は、
- 地方鉄道の将来モデル
- 国と鉄道会社の関係
- 地域公共交通のあるべき姿
を占う“試金石”とも言えるでしょう。
この5年間で、
「支援してよかった」と言える結果が出るのか。
引き続き、注目していきたいところです。
JR四国は、2026年度のダイヤ改正はありませんでした。

