6月に紹介した「うぶごえ」をめぐるクラウドファンディング支援金の未払い問題。今回は山形鉄道が法的措置に踏み切ったことが明らかになりました。
山形鉄道は2025年10月、フラワー長井線の運転士の採用・養成などを目的にクラウドファンディングを実施。528人から785万6490円が集まり、返礼品には列車運転体験なども用意されていました。
ところが、支援金のうち山形鉄道に入金されたのは65万円だけ。約720万円、実に9割以上が未払いとなっています。
「厚意踏みにじる行為」クラファン運営から支援金支払われず・債権差し押さえ訴訟起こす 山形鉄道
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山形鉄道は2025年にクラウドファンディングを実施
山形鉄道は、フラワー長井線の運転士の採用や養成などに必要な資金を確保するため、2025年10月から12月にかけてクラウドファンディングを実施しました。
目標額を上回る785万6490円の支援金が集まり、多くの人が山形鉄道の取り組みを支援しました。
ところが、その支援金が山形鉄道に届かないという問題が発生します。
6月にこの問題を紹介した際には、山形鉄道に支援金の一部が支払われていないことが明らかになっていました。今回、山形鉄道が公表した金額は785万6490円のうち65万円。実に9割以上が未払いという深刻な状況です。
地方鉄道にとって700万円を超える金額は決して小さなものではありません。
今回のクラウドファンディングは、鉄道を応援したいという支援者から集めたお金だけに、山形鉄道側の負担だけでなく、支援者にとっても非常に残念な事態となっています。
「お金が届いていない」だけではない
山形鉄道にとっては、単にクラウドファンディングで集めたお金が入ってこないだけではありません。
クラウドファンディングが成立したことを前提に、支援者に対して返礼品などを用意しています。それにもかかわらず、支援金の大半が入金されていないため、鉄道会社側が支援者への対応を行いながら、支援金を回収できていないという問題になります。
支払いを求めても入金されず
山形鉄道によると、当初の支払い予定日は2026年1月末でした。
しかし、その後も支払いは行われませんでした。
運営会社側からは「経理担当者が休暇のため振り込みができない」「資金の入る予定が伸びた」などの説明があり、支払い予定日を示されても実際には入金されない状況が続いたとされています。
そして7月以降は連絡もつかなくなったということです。
山形鉄道の中井晃社長は9月11日の会見で、支援者の厚意を踏みにじる行為であり、不誠実な対応には「怒りしかありません」と述べています。
山形鉄道は運営会社を提訴
こうした状況を受け、山形鉄道は法的措置に踏み切りました。
2026年3月には、運営会社「うぶごえ」を相手取り、債権の差し押さえを求める民事訴訟などを起こしています。
この訴訟はすでに終了し、運営会社の資産の一部が差し押さえられたということです。
ただし、山形鉄道が実際に回収できる金額については、現時点では分かっていません。
さらに、運営会社の代表者個人に対しても損害賠償請求を行っており、こちらの裁判は現在も続いています。
今後も「うぶごえ」側の対応が滞る場合には、山形鉄道が刑事告訴に踏み切る可能性もあるとしています。
山形鉄道だけの問題ではない
alt="山形鉄道フラワー長井線 赤湯駅 YR-882号(食堂車)「花結びより」" class="wp-image-15836"/>今回の問題で気になるのは、山形鉄道だけが被害を受けているわけではないことです。
クラウドファンディングサイト「うぶごえ」をめぐっては、北越急行など複数の鉄道事業者でも、集めた支援金が支払われていない問題が明らかになっています。
報道によると、鉄道事業者4社だけでも未払いとなっている支援金は合計2000万円以上に上るとされています。
山形鉄道のケースでは785万円6490円の支援金が集まりましたが、実際に入金されたのは65万円。
今回の訴訟によって、その大半を回収できるのかも注目されます。
まとめ クラウドファンディングへの信頼にも影響
クラウドファンディングは、経営の厳しい地方鉄道などにとって、ファンや沿線住民から直接支援を受けられる貴重な仕組みです。
実際、車両の改修やラッピング、駅施設の整備、運転士の確保など、鉄道を残すためにクラウドファンディングを活用する事業者は少なくありません。
支援する側も「この鉄道を残してほしい」「この車両を走らせてほしい」といった思いから、お金を出しています。
だからこそ、支援金が鉄道事業者に届かないという今回の問題は、単なる企業間の金銭トラブルではなく、クラウドファンディングそのものへの信頼にも関わる問題だと思います。
山形鉄道は今回の問題について、支援者の厚意を踏みにじる行為だと強く批判しています。
地方鉄道を応援するための仕組みが、逆に鉄道事業者を苦しめる結果になってしまうのは非常に残念です。
今後、山形鉄道が未払いとなっている支援金をどこまで回収できるのか、そして「うぶごえ」側がどのような説明をするのか、引き続き注目したいところです。



