東京メトロと三菱電機は2026年10月8日、東西線05系車両に新たな主回路システムを導入すると発表しました。
今回導入するのは、同期リラクタンスモータシステム「SynTRACS」と超小型VVVFインバータ装置を組み合わせたシステムです。従来の誘導モータシステムと比較して約20~30%の省エネ効果を見込むほか、VVVFインバータ装置の大幅な小型・軽量化も実現しています。
鉄道用「同期リラクタンスモータシステム」と「超小型VVVFインバータ装置」を
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組み合わせた新たな主回路システムを東西線05系車両に導入
東西線05系に新たな主回路システムを導入
東京メトロ東西線で活躍する05系は、1988年から製造が始まった通勤形電車です。同じ05系でも、製造時期によって制御方式などに違いがあります。
また、東京メトロ東西線だけでなく相互乗り入れを行っているJR東日本中央総武各駅停車(中野~三鷹間・西船橋〜津田沼間)・東葉高速鉄道線(西船橋駅〜東葉勝田台間)も走行しています。3両編成となり東京メトロ千代田線綾瀬〜北綾瀬間でワンマン運転を行っている車両もあります。
初期の車両は、チョッパ制御・GTO-VVVFインバータ制御が採用されていましたが、改修を受けてIGBT-VVVFインバータ制御に変更されています。
今回導入されるのは、同期リラクタンスモータシステム「SynTRACS」と、超小型VVVFインバータ装置を組み合わせた新たな主回路システムです。
「SynTRACS」は、同期リラクタンスモータと、それを制御するインバータで構成されています。東京メトロと三菱電機は、日比谷線13000系で同システムの実証試験や営業運用を行ってきました。
今回の東西線05系への導入では、このシステムに最新技術を取り入れた超小型VVVFインバータ装置を組み合わせます。この組み合わせによる主回路システムの導入は世界初と発表されています。
VVVFインバータの小型・軽量化も実現
VVVFインバータは、モーターに供給する電気の電圧や周波数を制御し、列車の加速や速度制御を行う装置です。現在の鉄道車両では広く採用されている技術ですが、モーターの種類や制御装置の構成によって、効率や装置の大きさなどに違いがあります。
今回のシステムでは、同期モータを駆動するVVVFインバータ装置が大型化しやすいという課題に対し、最新のSiC(炭化ケイ素)素子や高性能CPUを採用することで、装置の小型化を実現しました。
従来のVVVFインバータ装置と比較すると、体積は約81%、重量は約43%削減されるとしています。
既存車両の機器更新では、床下の限られたスペースに新しい装置を収める必要があります。装置が小型・軽量になれば、機器の配置を柔軟に検討できるようになり、既存車両への導入にもメリットが生まれます。
約20~30%の省エネ効果を見込む
今回のシステムで期待されているのが、消費電力量の削減です。
東京メトロと三菱電機は、同期リラクタンスモータシステムについて、一般的な誘導モータシステムと比較して約18%の省エネ効果を確認しています。
今回、東西線05系に新たな主回路システムを導入することで、約20~30%の省エネ効果を見込んでいます。
鉄道車両は、日々の営業運転で多くの電力を消費します。車両の省エネ性能を高めることは、電力消費量の削減だけでなく、鉄道事業者の環境負荷低減にもつながります。
なお、今回発表された20~30%という数値は、従来の誘導モータシステムと比較した省エネ効果の見込みです。すべてのVVVFインバータ車で同じ削減率が得られるという意味ではありません。
東京メトロ東西線にとっては今年はメモリアルイヤーです
東京メトロ東西線にとっては、2026年は節目となる年でもあります。
1966年から国鉄の中央・総武線各駅停車との相互直通運転を開始しました。それを記念して11月3日には、地下鉄博物館と鉄道博物館を結ぶ特別列車「ダブルミュージアム号」が運転されます。
この列車は、三鷹駅より先の区間には通常入らないE231系800代を使用しての運転となっており注目されています。
40年前の1986年には、東京メトロ(当時は営団地下鉄)の葛西駅にある地下鉄博物館が開館しました。こちらも40周年を記念した各種イベントが開催されています。
さらに、30年前の1996年には東葉高速との直通運転を開始しました。東葉高速も30周年ということもあり各種イベントが行われています。
既存車両の省エネ化にも期待
鉄道車両の省エネ化というと、新型車両への置き換えをイメージする方もいるかもしれません。しかし、既存車両の機器を更新することでも、消費電力量の削減や環境負荷の低減を目指せます。
今回の取り組みでは、省エネ性能の向上に加えて、VVVFインバータ装置そのものの大幅な小型・軽量化も実現しました。
今後、こうした技術が既存車両の更新にどのように活用されていくのか、注目したいところです。




