国土交通省は、2026年2月27日に今年の4月中旬を目途に航空機でのモバイルバッテリーの使用禁止と持ち込みについて禁止する方針であることを発表しました。現在のところ鉄道については制限することについての発表はありませんが、今後はどうなっていくのでしょうか。
国土交通省ホームページ
航空機で何が変わるのか
今回の見直し案のポイントは、次の3点です。
- 機内での使用禁止
モバイルバッテリーからスマートフォンなどへ給電する行為、またバッテリー本体を充電する行為をすべて禁止。 - 持ち込みは2個まで
容量160Wh以下のモバイルバッテリーに限り、1人2個までと明確化。 - 受託手荷物(預け入れ)への収納は禁止を継続
これは従来どおり。
背景には、国際的にも問題視されているリチウムイオン電池の機内事故増加があります。
国土交通省は、国際航空ルールを定める 国際民間航空機関(ICAO)の基準改訂に合わせ、日本国内の航空機輸送基準を見直すとしています。
なぜ「使用禁止」まで踏み込んだのか
これまで航空機では「持ち込みはOK、預け入れはNG」という扱いが一般的でした。しかし、
- 座席周りでの過熱に気づきにくい
- 発煙・発火時に逃げ場がない
- 消火や隔離に高度な対応が必要
といった航空機特有のリスクから、
「使わせないことが最も確実な安全対策」という判断に至ったとみられます。
この点が、鉄道やバスとの決定的な違いでもあります。
鉄道への直接的な規制はあるのか?
結論から言うと、現時点で鉄道に同様の法的規制はありません。
鉄道は航空法の枠外であり、今回の措置は航空機の安全基準に特化したものです。そのため、
- 新幹線
- 在来線
- 私鉄・第三セクター
いずれにおいても、モバイルバッテリーの使用や持ち込みを一律に禁止する法改正は行われていません。
それでも「波及する可能性」がある理由
ただし、まったく無関係とは言い切れません。考えられる影響は主に3点です。
鉄道会社による注意喚起の強化
新幹線や特急列車では、すでに車内放送やポスターで
「異常発熱時は乗務員へ連絡を」といった案内があります。
今後は、
- モバイルバッテリーの粗悪品・膨張品の使用注意
- 車内での長時間充電への注意喚起
といった形で、マナー・安全啓発が強まる可能性があります。
車内電源設備との関係
近年は普通列車や特急列車でも、
- コンセント
- USB電源
が急速に普及しています。
「モバイルバッテリー経由での充電」が問題視される一方で、
車両側電源の安全性をどう確保するかという議論が、鉄道事業者の内部で進む可能性もありそうです。
事故が起きた場合の対応基準
もし鉄道車内で発煙・発火事故が発生すれば、
航空と同様に「使用制限」という議論が一気に現実味を帯びます。
特に地下鉄や長大トンネル区間では、航空機に近いリスク構造を持つため、将来的な自主ルール化は否定できません。
「すぐに鉄道も禁止」とはならない理由
一方で、鉄道では次の点が大きく異なります。
- 異常時にすぐ停車・避難が可能
- 乗務員や他の乗客が迅速に対応できる
- 車内空間が比較的広く、延焼リスクが低い
このため、航空機と同じレベルの厳格な規制が導入される可能性は、現時点では低いと見るのが妥当でしょう。
まとめ(鉄道ファン目線で)
- 国土交通省は、航空機内でのモバイルバッテリー使用を全面禁止する方向へ。
- これは航空機特有のリスクに基づく措置で、鉄道に直ちに法的規制が及ぶわけではない。
- ただし、安全意識の高まりから、鉄道会社の注意喚起や自主ルール強化という形での“間接的波及”は十分考えられる。
鉄道の車内環境がますます「電源前提」になっていく中で、
便利さと安全性をどう両立させるかが、これからの大きなテーマになりそうです。

