北海道の夏を代表する観光列車、富良野・美瑛ノロッコ号。
その素朴で、どこか懐かしい列車が、今年の運転をもって幕を下ろすことが、JR北海道から発表されました。
ラベンダーが咲き誇る丘、ゆるやかに広がる田園風景。
窓を開ければ、風の音や草の匂いまで感じられる――
そんな“北海道らしさ”を全身で味わえる列車が、いよいよラストシーズンを迎えます。
~これまでの歩みに感謝を込めて。ノロッコラストイヤー開幕~「JRで行く 富良野・美瑛 2026」
JR北海道ホームページ
富良野・美瑛ノロッコ号 運転概要(2026年)
- 運転期間
2026年6月6日(土)〜9月23日(水・祝)
※2026年シーズンをもって運転終了予定 - 運転区間
旭川駅 ~ 富良野駅
(美瑛・美馬牛・上富良野・中富良野・ラベンダー畑駅などに停車) - 運転本数
1日最大6本(上下各3本)
※運転本数は日によって異なります - 車両編成
機関車牽引の客車列車(通常3両編成) - 座席
全車指定席
※乗車券のほかに指定席券が必要 - 所要時間
旭川~富良野間:約1時間40分前後 - 特徴
沿線の景色が楽しめるよう、一部区間ではゆっくり走行。
夏のラベンダーシーズンには、富良野・美瑛の丘や田園風景を車窓から満喫できます。 - 企画列車
期間限定で「富良野・美瑛まんきつノロッコ号」を運転予定。
駅停車時間を活用した地域体験企画などが実施されます。 - 運行会社
JR北海道
ノロッコ号とはどんな列車だったのか
「ノロッコ」とは、**“ノンビリ走るトロッコ”**の略。
スピードや効率を追い求める現代の鉄道とは正反対の存在として、
1990年代から長年にわたり、北海道観光の顔として親しまれてきました。
運転区間は、**富良野線の
富良野〜美瑛**エリア。
この区間は、車窓そのものが観光資源。
列車に乗ること自体が「目的」になる、数少ない存在でした。
車内は“移動する展望台”
富良野・美瑛ノロッコ号の最大の魅力は、
開放感あふれる客車と、目線の低い車窓。
- 大きな窓から広がる、遮るもののない景色
- カーブのたびに現れる丘と畑のパッチワーク
- 夏にはラベンダー、秋には黄金色の畑
冷房も最新設備もありませんが、
その“不便さ”こそが、旅を特別なものにしてくれました。
なぜ今年で最後なのか
公式発表によると、
車両や機関車の老朽化、部品調達の難しさなどが背景にあります。
これはノロッコ号に限らず、
全国の観光列車・ローカル線が抱える共通の課題でもあります。
それでもJR北海道は、
「ただ終わらせる」のではなく、ラストシーズンとして運転する道を選びました。
まさに、ファンや沿線への“最後の贈り物”と言えるでしょう。
ラストシーズンは“今まで以上に特別”
今年のノロッコ号は、
「最後だからこそ、もう一度乗ってほしい」
そんな想いが伝わってくる運行となりそうです。
- 記念イヤーとしての注目度
- 例年以上に高まる人気
- 「これが最後」という特別な空気感
写真を撮る人、静かに景色を眺める人、
それぞれが“自分なりの別れ”を感じる時間になるはずです。
富良野・美瑛|ノロッコ号と一緒に訪れたい観光地たち
富良野・美瑛エリアの魅力は、
「有名スポットが点在している」ことではありません。
列車でゆっくり移動しながら、
風景そのものが少しずつ変わっていく過程を味わえること。
ノロッコ号は、そんな旅にぴったりの存在です。
青い池(美瑛町)
alt="北海道美瑛の青い池" class="wp-image-4910"/>まず訪れたいのが、神秘的な色合いで知られる 青い池。
天候や光の角度によって、
青にも、エメラルドにも、ミルク色にも見える不思議な池です。
- 朝は静かで幻想的
- 昼は鮮やかで写真映え
- 曇りの日は、しっとりとした表情
どの時間帯でも「正解」なのが、この場所の魅力。
ノロッコ号でゆっくり来たあとに立ち寄ると、
時間の流れまで違って感じられます。
白金温泉郷(美瑛町)
alt="北海道、美瑛の白ひげの滝" class="wp-image-4911"/>青い池からほど近い 白金温泉 は、
歩き疲れた身体を優しく癒してくれる存在。
観光地化されすぎていないため、
静かに湯に浸かりながら、
「今日はいい一日だったな」と自然に思える場所です。
日帰り入浴も可能なので、
ノロッコ号+温泉という組み合わせもおすすめです。
ファーム富田(富良野市)
alt="ファーム富田のラベンダー" class="wp-image-4912"/>富良野を代表する観光地といえば、やはり ファーム富田。
ラベンダーの季節はもちろん有名ですが、
実は春・秋も美しく、季節ごとに表情が変わります。
- 夏:紫のじゅうたん
- 春:新緑と花畑
- 秋:少し寂しさを感じる畑の風景
ノロッコ号で訪れるからこそ、
「観光地」ではなく「風景の一部」として心に残ります。
ニングルテラス(富良野市)
alt="富良野 ニングルテラス" class="wp-image-4914"/>森の中にひっそりと佇む ニングルテラス。
小さな木造ショップが並び、
昼は素朴、夜は幻想的な雰囲気に包まれます。
昼間のノロッコ号の余韻を、
夜の静かな時間にそっと閉じてくれる場所。
写真を撮るというより、
「歩くだけで楽しい」観光地です。
丘のまち美瑛(パッチワークの路)
alt="パッチワークの路" class="wp-image-4915"/>美瑛駅周辺から広がる丘陵地帯は、
特定の名前がなくても、
美瑛そのものが観光地と言えるエリア。
- 緩やかなアップダウン
- 畑ごとに違う色合い
- どこを切り取っても絵になる風景
レンタサイクルや徒歩で巡ると、
ノロッコ号の「ゆっくりさ」と自然につながります。
まとめ
速くて便利な列車は、これからも増えていきます。
でも――
**「遅くて、揺れて、風を感じる列車」**は、確実に減っています。
富良野・美瑛ノロッコ号は、
鉄道が「移動手段」ではなく、
“旅そのもの”だった時代を、静かに教えてくれる存在でした。
もし今年、北海道へ行く予定があるなら。
少し予定を調整してでも、
この列車に“会いに行く旅”をしてみてはいかがでしょうか。
きっと、写真にも、記憶にも、深く残るはずです。
富良野・美瑛にはこちらのきっぷが便利です。

