北海道新幹線の札幌延伸をめぐり、気になる資料が公表されました。
2026年4月23日に 財務省 が示した財政制度等審議会の資料によると、北海道新幹線(新函館北斗~札幌)の費用便益比(B/C)が0.9程度にとどまるという試算が明らかになっています。
B/Cが「1」を下回るということは、かけたお金に対して得られる便益が見合わない、という評価です。
鉄道ファンにとって夢のある札幌延伸ですが、数字だけを見ると、かなり厳しい現実が突きつけられた形です。
人口減少社会の中での総合的な国力の強化(財政各論Ⅰ)14ページに記載
財務相ホームページ
そもそもB/C(費用便益比)とは?
B/Cとは、公共事業の妥当性を測るための代表的な指標です。事業にかかる便益(B:Benefit)を費用(C:Cost)で割った数値の事です。公共事業を行う際には重視される値となっています。
- 1.0以上:便益が費用を上回る(実施が妥当)
- 1.0未満:便益が費用を下回る(見直し・中止の検討対象)
これまでの整備新幹線では、B/Cが1を大きく下回るケースは多くありませんでした。
その中で、0.9という数字が公式資料で示された意味は非常に重いと言えます。
また、この0.9という数値は、残りの事業に対するものであり北海道新幹線全体で見た場合には0.6とさらに低い値となるようです。
なぜここまでB/Cが下がったのか
最大の理由は、建設費の想定以上の増加です。
- 資材価格・人件費の高騰
- 長大トンネル工事の難易度
- 工期の長期化によるコスト増
これらが重なり、札幌延伸区間の事業費は当初想定から1兆円規模で増加するとされています。
便益(利用者の時間短縮効果など)が大きく伸びない一方で、費用だけが膨らめば、B/Cが下がるのは避けられません。
「最悪、工事中止」は本当にあり得るのか?
資料を読むと、「中止」という言葉が頭をよぎる方も多いと思います。
ただし、現時点で中止が決まったわけではありません。
重要なのは以下の点です。
- 財務省は「判断を下す立場」ではなく、「問題点を指摘する立場」
- 今回はあくまで財政的な観点からの試算・警鐘
- 最終判断は国土交通省や政府全体で行われる
とはいえ、B/Cが1を下回った状態で事業費がさらに増えるようであれば、計画の見直しや段階的整備、スケジュール再検討といった議論が強まる可能性は否定できません。
こちらの話題は、北海道新幹線の工事費と関連する動きでしょうか?
鉄道ファンとして、どう受け止めるべきか
北海道新幹線の札幌延伸は、
- 北海道の広域交通の要
- 観光振興の切り札
- 在来線・航空との競争力強化
といった役割を期待されてきました。
一方で、人口減少や財政制約が厳しくなる中、
「夢」だけでは進められない時代に入っていることも、今回の資料は示しています。
まとめ
- 財務省資料で北海道新幹線のB/Cが約0.9と試算された
- 費用増大が主因で、経済性は厳しい評価
- 現時点で中止決定ではないが、今後の議論次第では計画見直しの可能性も
- 札幌延伸は「推進ありき」から「現実とのせめぎ合い」の段階へ
北海道新幹線をめぐる議論は、今後さらに注目を集めそうです。
鉄道ファンとしても、数字の背景を冷静に見つつ、動向を追い続けたいところですね。


