南阿蘇鉄道が10月1日より運賃を10円~60円値上げへ 観光列車の料金引上げも1日フリーきっぷは1,200円で据え置き

南阿蘇鉄道MT400形 南阿蘇鉄道

南阿蘇鉄道2026年8月6日、国土交通省九州運輸局に対して鉄道事業の旅客運賃上限変更認可を申請しました。

認可された場合、2026年10月1日(木)から普通旅客運賃などを値上げする予定です。

今回の改定では、普通運賃が現在の180円~490円から、実施予定運賃では190円~550円となります。値上げ幅は10円~60円です。

また、トロッコ列車やサニー号トレインの座席指定料金についても、2027年3月1日から引き上げる予定となっています。

鉄道事業の旅客運賃上限変更認可申請について

南阿蘇鉄道ホームページ

南阿蘇鉄道が2026年10月から運賃値上げ

今回の運賃改定は、南阿蘇鉄道が2026年8月6日に国土交通省九州運輸局へ旅客運賃の上限変更認可を申請したものです。

南阿蘇鉄道では、1997年2月に運賃を改定して以降、消費税率引き上げによる変更を除いて運賃を維持してきました。

一方で、沿線人口の減少やマイカー利用への移行、団体旅行需要の低迷などによって輸送人員は減少しています。

さらに、資材価格や燃料費、労務費の上昇なども続いており、今後の車両更新や設備修繕、安全対策、人材確保などに必要な財源を確保するため、今回の運賃改定を申請しました。

南阿蘇鉄道によると、運賃改定の実施予定日は2026年10月1日(木)です。

ただし、現時点では「上限運賃」の認可申請であり、実際に利用者が支払う「実施運賃」は、認可後に正式に届け出る予定となっています。

今回の発表では、実際に設定する予定の運賃も示されています。


令和8年熊本地震の影響ですが、南阿蘇鉄道では2026年7月30日より運行を開始しています。

普通運賃は10円~60円の値上げ

普通旅客運賃について、現在の運賃と2026年10月1日からの実施予定運賃を比較すると、次のようになります。

営業キロ現行運賃10月1日実施予定上限運賃
~2km180円190円(+10円)200円
2~4km210円230円(+20円)240円
4~6km240円270円(+30円)290円
6~8km290円320円(+30円)350円
8~10km350円390円(+40円)410円
10~12km390円430円(+40円)460円
12~14km430円480円(+50円)510円
14~16km460円520円(+60円)560円
16~18km490円550円(+60円)620円

普通旅客運賃の平均改定率は18.8%となっています。

最も短い2kmまでの区間では180円から190円となり、10円の値上げです。

一方、16km~18kmの区間では490円から550円となり、60円の値上げとなります。

なお、南阿蘇鉄道が国に申請している「上限運賃」は、これよりさらに高く設定されています。

例えば16km~18kmでは上限運賃が620円となっていますが、実際に収受する予定の運賃は550円です。

そのため、今回の記事では「最大60円値上げ」ではなく、実際の予定運賃が「10円~60円値上げ」となる点を押さえておきたいところです。

小児運賃は半額で、端数は切り上げとなります。

通勤・通学定期も値上げへ

今回の改定対象は普通運賃だけではありません。

通勤定期旅客運賃は平均18.9%、高校・大学生および中学生の通学定期旅客運賃は、いずれも平均23.4%の改定率となっています。

例えば1カ月の通勤定期は、2kmまでの場合、現在の7,480円から実施予定運賃では7,980円となります。

16km~18kmでは、現在の20,680円から23,100円へ値上げされる予定です。

高校・大学生の通学定期では、2kmまでが4,810円から5,130円、16km~18kmでは13,290円から14,850円となります。

中学生についても、2kmまでが4,280円から4,560円、16km~18kmでは11,810円から13,200円となる予定です。

沿線住民にとっては、日常の通勤・通学にも関係する今回の運賃改定。

特に通学定期については平均改定率が23.4%となっているため、利用者にとって小さくない負担増となりそうです。

観光列車の料金も2027年3月から値上げ

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南阿蘇鉄道トロッコ列車(ゆうすげ号)

南阿蘇鉄道といえば、阿蘇の雄大な景色を楽しめる観光列車も大きな魅力です。

今回の運賃改定では、こうした観光列車の座席指定料金についても値上げが予定されています。

ただし、普通運賃と同じ2026年10月1日からではありません。

観光列車の座席指定料金は2027年3月1日から改定予定です。

トロッコ列車

トロッコ列車の座席指定料金は、現在1,010円。

改定後は、

  • 当日券:1,150円(+140円)
  • 予約券:1,050円(+40円)

となる予定です。

当日券の場合は現在より140円、予約券では40円の値上げとなります。

サニー号トレイン

サニー号トレインについては、現在の座席指定料金が510円。

2027年3月1日からは、

  • 当日券:650円
  • 予約券:550円

となる予定です。

こちらも当日券では140円、予約券では40円の値上げです。

なお、2026年11月30日までの今期運行分については、座席指定料金を現行料金のまま据え置くとしています。

そのため、2026年秋に南阿蘇鉄道のトロッコ列車などへの乗車を予定している場合、今回の料金改定による座席指定料金の値上げは影響しません。

なお、「トロッコ列車」「サニー号トレイン」は、3日前までですとオンラインで予約ができます。乗車の際に席が空いていないということがないように事前予約をおあすすめします。

リンク:トロッコ列車について|南阿蘇鉄道


南阿蘇鉄道は、日本一長いよみ仮名の駅として「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅(みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげん)」がある路線として有名でしたが、2015年3月14日に富山地方鉄道富山軌道線呉羽線「トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前」にその座を明け渡しています。

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南阿蘇鉄道(南阿蘇水の生まれる里白水高原駅)

1日フリーきっぷは価格据え置き

今回の改定で注目したいのが、南阿蘇鉄道の1日フリーきっぷです。

現在1,200円で販売されている1日フリーきっぷについては、今回の運賃改定では価格を変更しない予定です。

普通運賃が値上げされる一方で、フリーきっぷは1,200円に据え置かれるため、観光目的で南阿蘇鉄道を何度も乗り降りする場合には、引き続き利用しやすいきっぷとなりそうです。

南阿蘇鉄道を観光で訪れる場合は、普通乗車券をその都度購入するだけでなく、1日フリーきっぷとの比較もしておきたいところです。


南阿蘇鉄道は、九州の鉄道事業者15社が3日間乗り放題となる「旅名人の九州満喫きっぷ」が使用できます。普通列車での旅を考えている場合は検討してみてもいいのではないでしょうか。

値上げの背景には地方鉄道を取り巻く厳しい環境

南阿蘇鉄道は今回の運賃改定について、単純に運賃収入を増やすことだけを目的としているわけではありません。

同社ではこれまで、新型車両の導入や駅設備の整備、キャッシュレス対応、車内タッチ決済、観光列車予約システムの導入など、さまざまな取り組みを進めてきました。

また、JR豊肥本線の肥後大津駅まで直通する列車も運行されており、南阿蘇地域と熊本都市圏を結ぶ交通手段としての利便性向上にも取り組んでいます。

しかし、沿線人口の減少やマイカー利用への移行などに加え、燃料費・資材費・人件費などの上昇も経営に影響しています。

南阿蘇鉄道の輸送人員は、ピークだった1994年度と比較すると約55%まで減少しています。

今回の運賃改定による収入は、安全対策や旅客設備の改善・維持管理、観光サービスの向上、人材確保や処遇改善などに活用する方針です。

今後は車両更新やトロッコ列車のリニューアルも

南阿蘇鉄道では、今後の取り組みとして既存車両1両の更新や車両整備用設備の修繕などを予定しています。

さらに、観光列車のサービス向上や、トロッコ列車の全面リニューアル工事も計画されています。

今回の運賃値上げは利用者にとって負担増となりますが、その収入を安全・安定輸送や観光サービスの維持・向上につなげられるかが重要になりそうです。

まとめ

南阿蘇鉄道は2026年8月6日、国土交通省九州運輸局に旅客運賃の上限変更認可を申請しました。

認可された場合、2026年10月1日から普通運賃と通勤・通学定期運賃を値上げする予定です。

普通運賃の実施予定額は190円~550円となり、現在より10円~60円の値上げとなります。

また、トロッコ列車とサニー号トレインの座席指定料金についても、2027年3月1日から値上げされる予定です。

一方、1日フリーきっぷは現在の1,200円から値上げされず、価格据え置きとなります。

なお、今回発表されたのは上限運賃の認可申請であり、実際に利用者から収受する運賃については、認可後に正式に届け出る予定です。

南阿蘇鉄道は、熊本地震からの全線復旧を果たした後も、地域住民の足として、そして阿蘇観光を支える鉄道として運行を続けています。

今回の値上げによって利用者の負担は増えることになりますが、安全対策や車両更新、トロッコ列車のリニューアルなど、今後の南阿蘇鉄道を支えるための取り組みにも注目したいところです。

※この記事の運賃・料金は南阿蘇鉄道が2026年8月6日に発表した「旅客運賃上限変更認可申請」に基づくものです。今後の認可・届出によって変更される場合があります。

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