道南いさりび鉄道 キハ40形置き換えなどに今後5年間で51.7億円必要 北海道と3市町で29.4億円の負担に

道南いさりび鉄道キハ40形(函館駅) 道南いさりび鉄道

北海道新幹線の開業に伴ってJR北海道から経営分離された区間を運行する道南いさりび鉄道で、キハ40形の置き換えに向けた動きが具体化しています。

同社では、2026年度から2030年度までの5年間で、車両更新や線路などの設備投資総額51億7000万円が必要となる見通しです。

このうち国の補助金を除いた29億4000万円について、北海道と沿線3市町が負担する案が示されていますが、自治体側からは負担の大きさを懸念する声も出ています。

いさ鉄の車両更新 国補助除く29億円、北海道が折半案 地元3市町は反発

北海道新聞ホームページ

道南いさりび鉄道はキハ40形を8両保有

道南いさりび鉄道は、2016年3月の北海道新幹線開業に伴い、JR北海道から経営分離された五稜郭~木古内間37.8kmを運行しています。

開業時にはJR北海道からキハ40形9両を譲り受け、現在まで主力車両として使用してきました。

キハ40形は、国鉄時代から製造されたディーゼルカーで、道南いさりび鉄道に譲渡された車両についても製造から40年以上が経過しています。同社の第2次経営計画でも、車両の老朽化が課題として挙げられており、必要な車両数や検査体制を含めて、将来的な車両のあり方を検討するとしていました。

その後、2025年4月にはキハ40 1796が営業運転から離脱し、苗穂方面へ回送されました。これが道南いさりび鉄道に譲渡されたキハ40形では初めての廃車となり、現在の保有車両は8両となっています。

つまり、9両体制だったキハ40形はすでに1両が姿を消しており、残る8両についても今後の置き換えが検討されることになります。

なお、JR北海道では、2026年のダイヤ改正でキハ40形は定期運用を離脱し臨時列車・団体列車での運行となっています。2026年7月・8月には花咲線(根室本線:釧路~根室)で観光シーズンの需要に対応するため毎日2往復運行されています。

2031年度までに7両を更新する計画

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JR北海道H100形

今回明らかになった計画では、道南いさりび鉄道は2031年度までに7両の新型車両を導入する方向で検討しています。

新型車両はJR北海道のH100形をベースとした車両が想定されており、現在使用しているキハ40形8両を順次置き換える計画です。

現時点では、8両すべてを新車に置き換えるのではなく、7両を導入する計画となっています。

また、2027年度にはメーカーへ発注したい考えも示されていると報じられています。

北海道内では2026年3月のダイヤ改正でJR北海道のキハ40形が定期運用を終了しました。そのため、道南いさりび鉄道は現在もキハ40形の定期運用が残る重要な存在となっています。

今回の車両更新が実現すれば、北海道を走るキハ40形の姿がさらに少なくなることになります。

今後5年間で51.7億円の設備投資

一方で、今回の計画で大きな課題となっているのが費用です。

道南いさりび鉄道では2026年度から2030年度までの5年間に、車両更新だけでなく線路や設備の維持・更新などを含め、総額51億7000万円の設備投資が必要となる見通しです。

この金額には国の補助金が含まれるため、北海道や沿線自治体が負担する金額は29億4000万円とされています。

北海道側は、この29億4000万円について北海道と沿線3市町が折半する案を示しており、単純計算ではそれぞれ14億7000万円を負担することになります。

しかし、沿線の3市町にとっては非常に大きな負担となるため、負担割合を巡って意見の違いが生じています。北海道新聞も、沿線3市町が北海道の提案に反発していると報じています。

道南いさりび鉄道は、北海道新幹線の開業に伴って誕生した第三セクター鉄道です。沿線住民の通勤・通学を支える生活路線である一方、北海道と本州を結ぶ貨物列車が多数運行する重要な物流ルートでもあります。

旅客輸送だけではなく、貨物輸送を支える鉄道としての役割も持つため、設備を維持するためには一定の投資が必要になります。

なぜキハ40形を置き換えるのか

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道南いさりび鉄道キハ40形(ながまれ号)

道南いさりび鉄道がキハ40形の更新を検討する最大の理由は、車両の老朽化です。

現在のキハ40形は製造から40年以上が経過しており、今後も長期間使用するには大規模な検査や修繕が必要になります。

北海道の冬の厳しさは本州とは比較にならないものがあり、道南いさりび鉄道のキハ40形は、窓が二重窓となるなど酷寒地仕様になっています。そのため、他の鉄道会社のように中古車両を購入して使用するというのも難しいです。

また、キハ40形の検査などはJR北海道に委託していますが、今後も現在と同じ体制を維持できるとは限りません。さらに、冬の厳しい環境で使用されていたため車両自体が受けているダメージもかなりのものとなっています。

そのため、新型車両を導入することで、車両故障のリスクを抑え、安全で安定した運行を確保することが期待されます。

一方、キハ40形には国鉄型車両ならではのボックスシートや走行音、車体デザインなどに魅力を感じる鉄道ファンも多く、道南いさりび鉄道の観光面でも大きな存在となっています。

道南いさりび鉄道自身も、キハ40形を観光列車「ながまれ号」などに活用してきました。現在では単なる通勤・通学用車両ではなく、道南を代表する鉄道車両の一つになっています。

まとめ 今後の焦点は新型車両の導入と費用負担

今回の計画は、まだ「7両の新型車両を導入することが正式決定した」という段階ではなく、今後の協議や費用負担の調整が必要です。

特に29億4000万円に上る国の補助対象外の負担を、北海道と沿線3市町でどのように分担するのかが大きなポイントになります。

車両更新を進めるためには多額の費用が必要ですが、一方で道南いさりび鉄道は地域の生活路線として維持していかなければなりません。

今後、北海道と沿線自治体との協議がどのように進むのか、そしてどのような新型車両が導入されるのかが注目されます。

2025年4月にキハ40 1796が運用を離脱したことで、すでに「9両から8両」への変化が始まっている道南いさりび鉄道のキハ40形。

2031年度に向けた車両更新が実現すれば、道南いさりび鉄道の車両は大きく変わることになります。

現在のキハ40形に乗車できる機会も、今後は少しずつ限られていくことになりそうです。

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