JR九州の日南線を走るD&S列車「海幸山幸」が、2027年春にリニューアルされます。
今回のリニューアルでは、2号車「海幸」の一部を中心に改装。太平洋を正面に望むことができる窓向きのグリーン席6席が新設されるほか、車内販売カウンターも設置されます。
一方で、リニューアルにあわせてグリーン料金が新設され、普通車指定席の特急料金も一部区間で値上げされます。
特急「海幸山幸」2027年春リニューアル!
JR九州ホームページ
~太平洋を正面に望む「グリーン席」6席と「車内販売カウンター」を新設〜
「海幸山幸」が2027年春にリニューアル
「海幸山幸」は、宮崎駅と南郷駅を結ぶ観光特急です。
宮崎県南部の日南海岸を走り、太平洋の車窓を楽しめる列車として運転されています。
現在は2両編成で、1号車が「山幸」、2号車が「海幸」。
JR九州によると、今回のリニューアルでは2号車の一部を中心に改装します。
そして大きなポイントとなるのが、太平洋を正面に望む窓向きのグリーン席です。
太平洋側を向いたグリーン席を6席新設
新しく設けられるグリーン席は6席。
一般的な鉄道車両の座席のように進行方向を向くのではなく、窓側を向いて太平洋の景色を楽しめる座席となります。
「海幸山幸」の魅力といえば、やはり日南海岸を走る車窓です。
そのため、今回のリニューアルは「海幸山幸」の車窓をより楽しむことを意識したものと言えそうです。
グリーン席には折りたたみ式テーブルを設置。
さらに窓枠上部には組子細工を施し、木のぬくもりを生かした空間になるとのことです。
6席だけということで、かなり限られた座席になります。
「海幸山幸」に乗るなら、太平洋を眺めながらゆったり過ごしたいという人には気になる座席になりそうです。
車内販売カウンターも新設
今回のリニューアルでは、車内販売カウンターも新設されます。
地元の逸品などを購入できるスペースで、こちらも木材を使用したデザインになるとのこと。
「海幸山幸」は単なる移動手段というより、車窓や車内での時間そのものを楽しむD&S列車です。
今回のリニューアルでも、宮崎・日南の魅力を車内から楽しんでもらうという方向性が感じられます。
宮崎~南郷間は普通車指定席が400円値上げ
リニューアルにあわせて、特急料金も見直されます。
主な区間の普通車指定席・通常期の運賃と料金を比較すると、次のようになります。
| 区間 | 現行 | リニューアル後 | 差額 |
| 宮崎~青島 | 1,980円 | 1,980円 | ±0円 |
| 宮崎~北郷 | 2,500円 | 2,650円 | +150円 |
| 宮崎~飫肥 | 2,720円 | 2,870円 | +150円 |
| 宮崎~油津 | 2,930円 | 3,080円 | +150円 |
| 宮崎~南郷 | 3,140円 | 3,540円 | +400円 |
※大人1人・片道・普通車指定席・通常期。
宮崎~南郷間では、現在の3,140円から3,540円となり、400円の値上げです。
北郷・飫肥・油津については、それぞれ150円の値上げとなります。
一方、宮崎~青島間については、運賃・料金の合計額は1,980円で変わりません。
「特急料金」というと、目的地まで速く移動するための料金というイメージがあります。
しかし「海幸山幸」の場合は、日南海岸の車窓や車内で過ごす時間そのものを楽しむD&S列車です。
今回のリニューアルでは、太平洋を正面に望むグリーン席も新設されます。特急料金の見直しも、こうした観光列車としてのサービスを含めて考える必要がありそうです。
宮崎~田吉間も特急料金が必要に
今回の料金見直しでは、もう一つ注目したい点があります。
宮崎駅~宮崎空港駅間については、この区間のみで特急列車の自由席を利用する場合に特急料金が不要になる特例があります。
また、「海幸山幸」のように全席指定席の列車については宮崎駅~宮崎空港駅(「海幸山幸」の場合は、宮崎駅~田吉駅間)を立席利用の場合には特急料金不要で利用できます。
今回のリニューアルで、「海幸山幸」はこの特例の対象外となります。
そのため、宮崎~田吉間も含めて全乗車区間で特急料金が必要になります。
本来この特例は、普通列車の補完という意味合いがありますので観光要素の強いD&S列車を対象外にするのは自然な流れと言えるでしょう。
新設されるグリーン席は宮崎~南郷間4,310円
新しいグリーン席の料金も設定されます。通常期の料金は次の通りです。
| 区間 | 運賃 | 特急料金 | グリーン料金 | 合計 |
| 宮崎~青島 | 450円 | 500円 | 1,800円 | 2,750円 |
| 宮崎~北郷 | 870円 | 750円 | 1,800円 | 3,420円 |
| 宮崎~飫肥 | 1,090円 | 750円 | 1,800円 | 3,640円 |
| 宮崎~油津 | 1,300円 | 750円 | 1,800円 | 3,850円 |
| 宮崎~南郷 | 1,510円 | 1,000円 | 1,800円 | 4,310円 |
宮崎~南郷間の場合、通常期の大人片道は、
運賃1,510円+特急料金1,000円+グリーン料金1,800円=4,310円
となります。
普通車指定席が3,540円なので、グリーン席との差額は770円です。
6席しかない窓向きの座席ということを考えると、「海幸山幸」の車窓を重視する人にとっては気になる設定ではないでしょうか。
リニューアルのため12月上旬から運休
「海幸山幸」は、車両リニューアルのため2026年12月上旬から運休する予定です。
運休期間や2027年春の運転再開時期などについては、JR九州が10月中旬に詳細を発表するとしています。
現在の「海幸山幸」に乗っておきたい人は、2026年12月上旬までが一つの区切りになりそうです。
「海幸山幸」の車窓をより楽しめる列車に
「海幸山幸」は、飫肥杉を使った木のぬくもりのある車内と、日南海岸の車窓を楽しめることが魅力の列車です。
今回のリニューアルでは、その魅力をさらに前面に出す形で、太平洋を正面に望む窓向きのグリーン席が設置されます。
一方で、普通車指定席の特急料金も値上げされます。
観光列車なので、車内設備を充実させながら、その分の料金を設定するという面もありそうです。
2027年春にどのような車内になって戻ってくるのか、そして6席のグリーン席から見る日南海岸の景色がどのようなものになるのか、気になるところです。
JR九州から今後発表される運休期間や運転再開日、リニューアル後の運転日なども確認しておきたいと思います。
