当時は新橋~横浜間が53分・37銭5厘 日本初の鉄道が走った「高輪築堤」をJR東日本が保存へ

高輪築堤 未分類

10月14日は「鉄道の日」です。

1872年10月14日(明治5年9月12日)、新橋(現在の汐留)~横浜間(現在の根岸線桜木町駅)で日本初の鉄道が正式に開業しました。現在の鉄道からは想像しにくいですが、当時の列車は新橋から横浜まで約53分をかけて走り、運賃は下等で37銭5厘(現在の金額で約5,000円)でした。

その日本初の鉄道が走った場所の一つが、現在の東京都港区にあった「高輪築堤」です。

JR東日本は2026年10月2日、高輪築堤について、今後も保存していく方針を発表しました。

TAKANAWA GATEWAY CITY(5・6街区)における
まちづくりと高輪築堤の保存との両立について

JR東日本ホームページ

日本初の鉄道は海の上を走った

1872年(明治5年)に開業した新橋~横浜間の鉄道は、現在の東海道本線につながる日本の鉄道の原点ともいえる路線です。

当時の新橋駅は現在の新橋駅とは場所が異なり、現在の汐留付近に設けられました。

一方、横浜側の駅は現在の桜木町駅付近です。

現在の東京・品川周辺を地図で見ると、鉄道が海沿いを走っていることは珍しくありません。

しかし、日本初の鉄道が建設された当時、高輪付近では海岸沿いに十分な土地を確保することが難しかったため、海の中に築堤を造り、その上に線路を敷設しました。

これが「高輪築堤」です。

つまり、現在の東京の街を走る鉄道のルーツをたどっていくと、海の上に造られた鉄道施設に行き着くことになります。

新橋~横浜間は53分、運賃は37銭5厘

日本初の鉄道が開業した当時、新橋~横浜間の所要時間は約53分でした。

運賃は下等が37銭5厘。

計算方法にもよりますが、現在の金額に換算すると約5,000円になります。

当時の鉄道が誰でも気軽に利用する現在の通勤電車とは違う、まだ特別な乗り物だったことが分かります。

それから150年以上。

新橋から横浜までを走る鉄道は、現在では東海道本線や京浜東北線などに受け継がれています。

当時の列車と現在の電車では、速度も車両も利用者の数もまったく違いますが、鉄道が人や街を結ぶ役割を担っていることは変わりません。

高輪築堤の遺構が発見された

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山手線高輪ゲートウェイ駅

高輪築堤が改めて注目されるようになったのは、JR東日本が進める高輪ゲートウェイ駅周辺のまちづくりに伴う調査でした。

工事に伴う発掘調査で、かつての高輪築堤の遺構が確認されました。

築堤の石積みなどが残されていることが分かり、日本の鉄道史を伝える重要な遺構として保存について検討されてきました。

鉄道が開業してから150年以上が経過しています。

その間に東京の街は大きく姿を変えましたが、その地下や街の中には、日本の鉄道が始まった時代の痕跡が残されています。

JR東日本が高輪築堤を保存へ

今回、JR東日本は高輪築堤について、現状のまま土中保存する基本方針を発表しました。

保存されるのは、

  • 信号機跡を含む5・6街区間の約50m
  • 6街区南部の約110m

です。

さらに、今後の設計や施工計画の中で、保存範囲をさらに広げることも検討するとしています。

高輪築堤の保存については、単純に遺構を残せばよいというものではありません。

高輪ゲートウェイ駅周辺では現在も大規模なまちづくりが進められており、現代の街と150年前の鉄道遺構をどのように両立させるかという課題があります。

その中で、鉄道の歴史を伝える場所を残していくことになります。

保存されても直接見学できるとは限らない

今回保存される高輪築堤は「土中保存」とされています。

そのため、保存される築堤を現在の状態のまま、いつでも間近で見学できるようにするというものではなさそうです。

鉄道遺構というと、古い駅舎や車両のように「保存されたものを見に行く」というイメージがありますが、高輪築堤の場合は、再開発が進む現在の街の中で遺構そのものを将来に残すことが重視されています。

一方、JR東日本は高輪築堤の第7橋梁部と公園部について、2028年春に現地保存・公開する予定としています。

今回の土中保存部分と、実際に公開される部分は分けて考えたほうがよさそうです。

「日本初の鉄道が走った場所を見てみたい」という人にとっては、現地で直接見られる範囲がどこになるのか、今後の整備にも注目したいところです。

「鉄道の日」に日本の鉄道の原点を考える

10月14日の鉄道の日は、1872年10月14日に新橋~横浜間の鉄道が正式開業したことに由来します。

鉄道の日には各地で車両展示やイベントなどが行われますが、鉄道の歴史をたどってみるのも面白いかもしれません。

現在走っている列車を見るだけでは分からない、鉄道が生まれた頃の痕跡が東京の街には残されています。

新幹線や通勤電車、地方ローカル線など、現在の日本にはさまざまな鉄道があります。

その出発点となったのが、1872年に開業した新橋~横浜間の鉄道です。

約53分、37銭5厘だった鉄道が、150年以上の時間をかけて現在の鉄道網へと発展してきました。

その歴史を伝える高輪築堤が、これからも保存されていくことになります。

鉄道の日をきっかけに、普段利用している鉄道がどのように始まったのかを振り返ってみるのもよさそうです。

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