つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道は、2026年11月の筑波山行楽シーズンにあわせて、「筑波山きっぷ」と「筑波山あるキップ」の発売を一部の土休日に中止すると発表しました。
発売中止の理由は、紅葉シーズンの道路渋滞によって筑波山シャトルバスの所要時間が大幅に増加し、利用者に十分なサービスを提供することが難しくなるためです。
一方、10月26日から12月4日までの平日には、対象のきっぷを利用する人にTXオリジナルグッズをプレゼントするほか、筑波山温泉郷で日帰り入浴を割引料金で利用できるキャンペーンを実施します。
秋の筑波山行楽シーズンにおける
「筑波山きっぷ」・「筑波山あるキップ」の発売中止のお知らせ「筑波山平日限定キャンペーン」のお知らせ | TXからのお知らせ | つくばエクスプレス(TSUKUBA EXPRESS)
つくばエクスプレスホームページ
「筑波山きっぷ」・「筑波山あるキップ」11月の土休日6日間は発売中止
今回、発売中止となるのは、2026年11月7日(土)から11月22日(日)までの土日、計6日間です。
- 11月7日(土)・8日(日)
- 11月14日(土)・15日(日)
- 11月21日(土)・22日(日)
この期間は紅葉シーズンにあたり、筑波山周辺の道路渋滞が予想されています。特に、つくばセンターからつつじヶ丘を結ぶ筑波山シャトルバスは、通常よりも所要時間が大幅に増加する見込みです。
そのため、TXは「筑波山きっぷ」と「筑波山あるキップ」を購入した利用者に満足できるサービスを提供することが難しいとして、発売を中止します。
なお、11月1日(日)、3日(火・祝)、23日(月・祝)、28日(土)、29日(日)は通常どおり発売する予定です。
ただし、発売中止日以外でも、当日の天候や道路状況、関係する交通機関の運行状況などによって、発売が制限・中止される場合があります。
「筑波山きっぷ」と「筑波山あるキップ」とは?
alt="筑波山頂駅" class="wp-image-18186"/>「筑波山きっぷ」と「筑波山あるキップ」は、つくばエクスプレスと筑波山方面のバスなどを組み合わせて利用できる企画乗車券です。
10月1日から導入された乗車券のQR化により磁気乗車券からQRコード付きの紙の乗車券に変更されました。
「筑波山きっぷ」は、つくばエクスプレスの往復に加え、筑波山シャトルバスやケーブルカー・ロープウェイなどを利用する観光に便利なきっぷです。
一方、「筑波山あるキップ」は、つくばエクスプレスの往復と筑波山方面のバスを組み合わせたきっぷで、登山や散策を楽しみたい人に向いています。こちらはケーブルカー・ロープウェイの利用は含まれていません。
いずれも、鉄道とバスを組み合わせて筑波山を訪れる際に便利な商品です。
平日は「筑波山平日限定キャンペーン」を実施
つくばエクスプレスは、2026年10月26日(月)から12月4日(金)までの平日を対象に、「筑波山平日限定キャンペーン」を実施します。
対象となるのは、「筑波山きっぷ」または「筑波山あるキップ」の利用者です。
キャンペーンでは、主に次の特典が用意されています。
TXオリジナル手ぬぐいをプレゼント
期間中、有効な対象きっぷを筑波山観光案内所で提示すると、TXオリジナル手ぬぐいがプレゼントされます。
配布数は先着1,000名で、なくなり次第終了となります。引き換え時間は平日の8時30分から17時までです。
筑波山温泉郷の日帰り入浴が800円に
筑波山温泉郷の対象施設では、対象きっぷの提示により、日帰り入浴を一律800円(税込)で利用できます。
対象施設は次のとおりです。
- 筑波山京成ホテル
- 筑波山ホテル青木屋
- 筑波山江戸屋
- 筑波温泉ホテル
- リブマックス筑波山温泉
また、亀の井ホテル筑波山では、平日は日帰り入浴を実施していないため、代わりに売店で5%割引の特典が用意されます。
施設によって営業時間や休業日が異なるため、利用前に確認しておきましょう。
リンク:「筑波山平日限定キャンペーン」のお知らせ | TXからのお知らせ | つくばエクスプレス(TSUKUBA EXPRESS)
お得なきっぷの販売中止は、混雑対策の一つ
今回の発売中止で注目したいのは、企画乗車券の販売を通じて観光客を呼び込むだけでなく、観光地の混雑状況に応じて販売を調整している点です。
TXとしては、紅葉シーズンに多くの観光客が訪れること自体は歓迎できる一方、道路渋滞によってシャトルバスの所要時間が大幅に延びれば、利用者の満足度が低下するおそれがあります。
そのため、利用者が集中する土休日の一部では企画乗車券の発売を中止し、平日には特典を設けて利用を促すことで、混雑する時期の需要を分散させる狙いがあると考えられます。
ただし、今回の公式発表では、発売中止の理由として道路渋滞とサービス提供への影響が説明されており、きっぷの価格据え置きが利用者集中の直接的な原因だとは明言されていません。
「筑波山ケーブルカー」では新型車両を導入
筑波山ケーブルカーで使用されている車両は、1954年に導入されておりすでに72年が経っています。そこで新型車両を2両導入することになり2027年2月から運用が開始される予定となっています。
大型のガラスの使用・安全性・快適性の向上が図られより快適に利用できるようになる予定です。
詳しくは、筑波山ケーブルカーを運営する筑波観光鉄道のホームページをご覧ください。
日光でも紅葉シーズンの混雑対策を実施
紅葉シーズンの観光客の集中は、筑波山だけの問題ではありません。
栃木県の日光でも、紅葉シーズンの混雑を緩和するため、鉄道やバスを活用したさまざまな取り組みが行われています。
東武鉄道では、浅草駅を深夜に出発する「日光紅葉夜行23:45」を運行し、早朝から奥日光の観光を楽しめるようにしています。
また、東武鉄道と東武バス日光は、中禅寺温泉バスターミナルから東武日光駅方面へ向かうバスを対象に、WEBシステムを活用した乗車優先サービスの実証実験を平日の10月19日・26日実施しています。
紅葉シーズンには、観光スポットへ向かう道路の渋滞だけでなく、観光を終えて帰る利用者がバス停に集中することも課題となっています。今回の実証実験は、こうした乗車待ちの混雑を緩和するための取り組みです。
筑波山では企画乗車券の発売日を調整し、日光では夜行列車による時間帯の分散や、帰りのバスの乗車方法の工夫に取り組んでいます。
観光客を呼び込むだけでなく、集中する需要をどう分散させ、快適に移動できる環境を確保するか。紅葉シーズンの観光輸送を考えるうえで、こうした取り組みも注目したいところです。
筑波山の運賃改定との関係にも注目
筑波山の観光交通をめぐっては、筑波山ケーブルカー・ロープウェイが2026年10月1日に運賃を改定し、普通片道運賃を大人930円とするなどの変更を実施しています。
一方で、「筑波山きっぷ」・「筑波山あるキップ」は価格が据え置きとなっており、お得なきっぷとして注目されていました。
運賃改定によって観光に必要な費用が変わる一方、企画乗車券には鉄道とバスなどを組み合わせて利用できる利点があります。
しかし、観光客が集中する時期には、割引きっぷを販売し続けることが必ずしも利用者の満足につながるとは限りません。交通機関の混雑や道路事情も考慮しながら、販売方法や観光客の訪問時期を調整することが必要になります。
今回のTXの取り組みは、観光需要を確保しながら、混雑によるサービス低下をどう防ぐかという課題を示す事例といえそうです。
筑波山を訪れる予定の方は、対象きっぷの発売日を確認したうえで、平日のキャンペーンも活用してみてはいかがでしょうか。





