JR東日本盛岡支社は、落石の影響で運転を見合わせているJR山田線 上米内駅~宮古駅間について、2026年7月24日(金)の始発列車から運転を再開すると発表しました。
6月21日に腹帯駅~茂市駅間で大規模な落石が確認されて以降、およそ1か月にわたり一部区間で運転見合わせが続いていましたが、落石対策工事に完了の見通しが立ったことから、ようやく全線で列車が走ることになります。
JR東日本ホームページ
約3トンの落石で運転見合わせ
今回の運転見合わせのきっかけとなったのは、6月21日に腹帯駅~茂市駅間で確認された約3トンの落石です。
山田線は岩手県内の山間部を走る路線で、急峻な地形が続く区間も多くあります。そのため、大雨や地震などの自然災害だけでなく、落石対策も重要な課題となっています。
落石発見後、JR東日本は安全を最優先に判断し、上米内駅~宮古駅間の運転を取りやめました。
鉄道は一度事故が起きてしまえば大きな被害につながる可能性があります。そのため、原因の調査や安全対策が完了するまでは運転を再開しないという慎重な対応が取られてきました。
約1か月にわたり分断された山田線
運転見合わせ当初は、盛岡駅~上米内駅間と茂市駅~宮古駅間で一部列車の折り返し運転が行われていました。しかし、落石対策工事の本格化に伴い、7月2日からは茂市駅~宮古駅間の列車も運転を取りやめ、上米内駅~宮古駅間の全列車が運休となりました。その後は、川内駅~宮古駅間でバスによる振替輸送が追加で実施され、沿線住民の移動手段が確保されていました。
また、上米内駅~宮古駅間では岩手県北バス「106特急・急行バス」への振替輸送が実施され、沿線住民の移動手段が確保されていました。
しかし、鉄道とバスでは所要時間や利便性が異なるため、通勤・通学や通院など日常生活への影響は決して小さくありませんでした。
特に山田線は地域住民にとって欠かせない公共交通であり、運転再開を待ち望む声も多かったことでしょう。
なお、JR東日本盛岡支社と岩手県北バスは2030年3月まで共同経営を行っています。そのため7月24日以降も山田線の乗車券で「106特急・急行バス」に乗車することが出来ます(利用可能な停留所:盛岡駅前、区界、松草、川内、箱石、川井、腹帯、茂市、蟇目、花原市、千徳駅前、宮古駅前)。ただし、「青春18きっぷ」等の特別企画乗車券は対象外となっています。
落石対策工事に完了の見通し
JR東日本によると、落石箇所では発生源の調査を実施したうえで、応急対策として土のうの設置などを進め、本格的な落石対策工事を実施してきました。
今回、その工事に完了の見通しが立ったことから、運転再開日が正式に発表されました。
現在は最終的な安全確認を進めており、予定どおりであれば7月24日(金)の始発列車から通常どおり運転する予定です。
もちろん、自然災害を完全になくすことはできませんが、再発防止に向けた対策を施したうえでの運転再開となるため、利用者にとっても安心材料となりそうです。
夏休みシーズン前に全線復旧
運転再開日が7月24日となったことで、ちょうど夏休みシーズンに間に合う形となりました。
山田線は盛岡駅から宮古駅を結び、宮古駅では三陸鉄道リアス線へ乗り継ぐことができます。
三陸海岸を訪れる観光客や鉄道ファンにとっても利用価値の高い路線であり、夏は観光需要が高まる時期でもあります。
このタイミングで全線運転が再開されることは、地域の観光にも追い風となるでしょう。
JR東日本が運行を発表していた山田線を運行する夏の臨時列車のうち、7月19日運転の「そとやま」・「そとやま2号」は運休となります。また、7月20日運転の「五葉2号」は宮古駅~盛岡駅間で運休となります。
災害に強い鉄道づくりが求められる
近年は全国各地で豪雨や地震、土砂災害などによる鉄道の運転見合わせが相次いでいます。
山間部を走るローカル線では、今回のような落石や土砂流入は決して珍しいものではありません。
JR各社では防護柵や落石検知装置、法面補強など様々な対策を進めていますが、自然が相手だけに100%防ぐことは難しいのが現実です。
それでも、安全を最優先として十分な調査・工事を行ったうえで運転を再開する姿勢は、鉄道会社として非常に重要だと言えるでしょう。
同じJR東日本の路線「久留里線」でも台風の被害で運休していましたが7月10日から運転再開しています。
岡山から見ると
alt="岩泉駅" class="wp-image-11264"/>岡山から山田線を利用する機会は多くないかもしれませんが、東北旅行では盛岡から宮古、さらに三陸鉄道へと乗り継ぐ人気ルートの一つです。
私も、以前に岩泉にある「龍泉洞」に行く際に山田線・岩泉線をセットで利用したことがあります。当時はキハ52系・キハ58系での運行でしたが車窓の景色が素晴らしかったことを覚えています。もっとも9月でしたので暑さだけはかないませんでしたが・・・。
alt="龍泉洞" class="wp-image-11265"/>約1か月間続いた運転見合わせは沿線住民だけでなく、観光にも少なからず影響を与えましたが、7月24日から再び全線で列車が走ることになります。
今年の夏に東北方面への旅行を計画している方にとっても、うれしいニュースとなりそうです。
また、今回の復旧は単に列車が走り始めるというだけでなく、「安全を確認したうえで地域の足を取り戻す」という意味でも大きな一歩と言えるでしょう。今後も山田線が地域の生活と観光を支える路線として、安全な運行を続けていくことを期待したいところです。


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