JR東日本盛岡支社は、山田線の腹帯駅~茂市駅間で発生した落石の影響により、7月2日から川内駅~宮古駅間で振替バスの運転を開始しました。
山田線では6月21日に落石が確認されて以降、一部区間で運転見合わせが続いています。落石そのものはすでに撤去されていますが、周辺斜面には不安定な岩が複数残っていることから、安全確保のための対策工事が必要と判断され、現在も運転再開の見通しは立っていません。
今回設定された振替バスは、特に通学利用者への影響を軽減することを目的としたもので、朝の時間帯に川内駅から宮古駅まで運転されています。
JR東日本ホームページ
約3トンの落石が線路を支障
今回の運転見合わせの原因となったのは、6月21日に腹帯駅~茂市駅間で発生した落石です。
JR東日本によると、落石の大きさは約1.4メートル×1.2メートル×1.0メートル、重量は約3トンと推定されています。これほど大きな岩が線路内に落下したため、安全確認のため列車の運転を見合わせる措置が取られました。
落石自体は翌22日に撤去されましたが、その後の調査で、落石が発生した斜面には同様の大きさの岩が複数残っていることが判明しました。
現場は線路より約13メートル高い場所に位置する急斜面で、今後も落石が発生する危険性を否定できない状況です。
そのためJR東日本では、落石を撤去するだけでは十分な安全が確保できないと判断し、斜面対策工事を実施したうえで運転を再開する方針を示しています。
山田線は自然災害の影響を受けやすい路線
山田線は盛岡駅と宮古駅を結ぶ路線で、北上山地を縫うように走る山岳路線です。
特に上米内駅から宮古駅までの区間は深い山間部が続き、急斜面や渓谷沿いを走行する場所も少なくありません。
そのため、大雨や落石、倒木など自然災害の影響を受けやすく、これまでも豪雨などによる運転見合わせが発生してきました。
今回の落石も、山岳路線ならではのリスクが改めて浮き彫りになった事例と言えるでしょう。
利用者にとっては早期の運転再開が望まれますが、安全が確認されないまま列車を運転することはできません。
時間がかかっても、安全第一で復旧工事が進められることが期待されます。
今年の3月には、JR山田線川内駅~箱石駅間にある「第二鈴久名トンネル」内でモルタル片が落下があり、1か月以上運休しました。
7月2日から川内~宮古間で振替バスを運転
これまでJR東日本では、盛岡駅~宮古駅間を結ぶ岩手県北バスの「106特急・急行バス」への振替輸送を実施していました。
「106特急・急行バス」のダイヤは次の通りです。
しかし、このバスは途中駅を細かくカバーしているわけではなく、山田線沿線の各駅を利用する通学・通勤利用者には不便な面もありました。
そこで7月2日からは、川内駅~宮古駅間で振替バスの運転を開始しました。
振替バスは山田線の各駅に対応したバス停を経由し、次の時刻で運行します。
| 駅 | 時刻 |
| 川内 | 6:41 |
| 箱石 | 6:45 |
| 川井 | 6:55 |
| 腹帯 | 7:04 |
| 茂市 | 7:10 |
| 蟇目 | 7:15 |
| 花原市 | 7:18 |
| 千徳駅前 | 7:24 |
| 宮古駅前 | 7:36 |
運転本数は片道1本ですが、川内駅を6時41分に出発し、宮古駅前には7時36分に到着するダイヤとなっており、高校生など朝の通学時間帯を意識した設定となっています。
JRの定期券や乗車券を持っている利用者は、そのまま振替バスを利用できます。
上米内~宮古間は列車運休が続く
現在の運転計画では、
- 盛岡~上米内駅間は通常運転(一部時刻変更)
時刻変更は、運転区間が上米内駅~盛岡間と短縮されている上りの快速「リアス」で実施されます。
| 上米内 | 山岸 | 上盛岡 | 盛岡 | |
| 変更前 | 11:27 | 11:33 | 11:37 | 11:41 |
| 変更後 | 11:28 | 11:35 | 11:38 | 11:43 |
- 上米内~宮古駅間は終日運転見合わせ
となっています。
また、運転見合わせ当初は茂市~宮古駅間で上下各1本のみ普通列車が運転されていましたが、7月2日以降はこの列車も取りやめとなりました。
そのため、宮古方面へ向かう利用者は振替バスや岩手県北バス106特急・急行バスを利用する必要があります。
利用方法や接続時間などは事前に確認しておくと安心でしょう。
大雨の影響で運休となっていた久留里線(久留里駅~上総亀山駅)・予土線(窪川駅~江川崎駅)・久大本線(由布院駅~庄内駅)の状況は次の通りです。
復旧にはもうしばらく時間がかかりそう
JR東日本は現在も現地で安全対策工事を進めていますが、運転再開時期については「未定」としています。
斜面には複数の不安定な岩が残っており、これらの除去や落石防止対策を行ったうえで、安全が確認されてから列車の運転を再開する予定です。
自然災害による運転見合わせでは、「とりあえず運転を再開する」のではなく、将来的なリスクまで含めて安全性を確保することが重要になります。
今回の対応も、その考え方に基づいた慎重な判断と言えるでしょう。
山田線は地域住民の通勤・通学だけでなく、三陸方面への観光や沿線地域の生活を支える重要な路線です。
現在も利用者には不便な状況が続いていますが、安全に列車を走らせるためには必要な措置でもあります。


-160x90.jpg)

-160x90.jpg)

-120x68.jpg)