能勢電鉄・JR北海道釧網本線で相次ぐ線路内立ち入り ルールを守らないと鉄道写真の撮影機会が失われる恐れも

釧路湿原ノロッコ号 釧路駅 鉄道全般

鉄道車両の写真撮影は、鉄道ファンの楽しみのひとつです。しかし、撮影のために線路内へ立ち入るなど、列車の安全運行を脅かす行為が相次いでいます。

2026年10月には、能勢電鉄が撮影を目的とした鉄道施設内への無断立ち入りについて注意喚起を行いました。また、JR北海道の釧網本線でも、観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」のラストランイベントに関連して、線路内に立ち入る人物が確認されています。

一部の人による危険な行為が、鉄道ファン全体の撮影環境に影響を及ぼすことも考えられます。 今回の事例から、鉄道写真を撮影する際に守るべきルールについて考えます。

【注意喚起】撮影による危険行為について

能勢電鉄ホームページ

【撮影目的か-ノロッコ号イベントで線路に侵入】釧網線で「くしろ湿原ノロッコ号」のラストランイベント_撮影機材?を持った2人組が線路を歩く姿をUHBのカメラが捉える〈北海道標茶町〉|FNNプライムオンライン

FNNプライムオンライン

能勢電鉄では線路内への無断立ち入りで列車が運転見合わせに

能勢電鉄は2026年10月8日、撮影による危険行為について注意喚起を行いました。

同社によると、前日の10月7日、絹延橋駅付近で撮影を目的として鉄道施設内に無断で立ち入る事案が発生。安全確認のため、一時的に列車の運転を見合わせました。

線路内への立ち入りは、列車との接触など重大な事故につながる危険な行為です。運転見合わせとなれば、撮影者だけでなく、通勤・通学などで列車を利用する人にも影響が及びます。

能勢電鉄は、線路内や立ち入り禁止区域への侵入のほか、踏切道をふさぐ行為、ホームの黄色い点字ブロックから外側へ乗り出しての撮影などについても注意を呼びかけています。

リンク:能勢電鉄「撮影による危険行為について」

今回の事案が発生した時期は、能勢電鉄の1700系1757編成が引退を控えている時期と重なります。

能勢電鉄では、1700系の引退に向けた企画が行われており、10月17日にも撮影や録音などを楽しめる特別イベントが予定されています。

そのため、引退を控えた1700系を撮影しようとする人が集まっていた可能性も考えられます。ただし、今回の線路内立ち入りが1700系の撮影を目的としたものだったのか、能勢電鉄の発表では明らかにされていません。

引退する車両を記録に残したいという気持ちは理解できますが、どのような車両が目的であっても、線路内への立ち入りが許されるわけではありません。

JR北海道の釧網本線でも線路内に立ち入る人物を確認

JR北海道の釧網本線でも、2026年10月9日、北海道標茶町の塘路駅付近で線路内を歩く2人の姿が確認されました。

リンク:参考:FNNプライムオンライン「撮影目的か-ノロッコ号イベントで線路に侵入」

FNNプライムオンラインの報道によると、2人は大きな撮影機材とみられる荷物を持って線路内に立ち入り、そのまま線路上を歩いていったといいます。

当時は、車両の老朽化などを背景に引退が決まった「くしろ湿原ノロッコ号」のラストランイベントが行われていました。

また、釧網本線では、線路付近の通信ケーブル用の木柱に切り込みが入れられたり、周辺の樹木が切断されたりする被害も確認されています。これらの行為については撮影目的の鉄道ファンと考えた場合説明がつかない点もありますが、鉄道施設の安全管理という点でも看過できない事態です。

JR北海道は、線路内への立ち入りは列車の運行に大きな影響を及ぼすとして、こうした行為を行わないよう呼びかけています。

これはマナーではなくルールです

鉄道写真を撮影する際には、できるだけよい構図で撮りたい、引退する車両を記録に残したいと思うこともあるでしょう。

しかし、線路内や立ち入り禁止区域に入らないことは、撮影者同士のマナーや周囲への気遣いという話ではありません。守らなければならないルールです。

鉄道営業法第37条では、停車場その他の鉄道地内にみだりに立ち入る行為が禁止されています(違反した場合は10円以下の科料)。

また、立ち入りによって列車の運行を妨げるなど、具体的な状況によっては威力業務妨害罪(刑法第234条:3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)に問われる可能性もあります。

新幹線については、線路内への立ち入りなどを対象とする特別な法律(新幹線特例法第3条:1年以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金)も設けられています。

鉄道写真を撮影するためであっても、線路内への立ち入りが許されるわけではありません。撮影者には、マナー以前に法律や鉄道事業者が定めるルールを守ることが求められます。

線路内への無断立ち入りは、列車との接触など重大な事故につながる危険があるだけでなく、列車の運転見合わせを招き、鉄道を利用する人にも影響を及ぼします。

また、私有地に入ったり道路を占有する行為も法律で禁止されています。

一部の人がルールを守らなかった結果、撮影場所が制限されたり、鉄道事業者が撮影に対する対応を厳しくしたりすることも考えられます。そうなれば、ルールを守って撮影している人まで影響を受けかねません。

鉄道写真を楽しむこと自体に問題があるわけではありません。だからこそ、撮影する側も鉄道施設のルールを守り、安全を最優先にする必要があります。

鉄道写真を長く楽しめる環境を守るためにも、線路内への立ち入りなど、危険な行為は絶対にやめてほしいと思います。

鉄道写真を楽しむためにもルールの順守を

鉄道写真は、車両の記録を残したり、普段利用している路線の魅力を伝えたりする楽しみがあります。引退する車両や特別な列車を記録に残したいという気持ちも理解できます。

だからこそ、列車の安全運行や周囲の人の安全を最優先に考える必要があります。

線路内や立ち入り禁止区域には入らない。私有地には無断で立ち入らない。踏切や駅の通路をふさがない。こうした基本的なルールを守ることが、鉄道写真を長く楽しむためにも大切です。

一部の人の危険な行為によって、鉄道ファン全体が同じ目で見られたり、撮影環境が厳しくなったりすることは避けたいものです。

鉄道写真を撮影する人も、列車を利用する人も、沿線で暮らす人も、安心して鉄道と関われる環境を守っていきたいですね。

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