JR東日本は、2027年3月31日で廃止する予定の久留里線(久留里~上総亀山)について、2026年3月9日に国土交通大臣に鉄道事業廃止の届を提出したことを発表しました。これにより、久留里線末端区間は廃止となります。
久留里線(久留里~上総亀山間)における鉄道事業廃止の届出について
JR東日本ホームページ
久留里線(久留里~上総亀山)は、廃線後はバス転換されます。
久留里線・末端区間の廃止届提出(2026年3月9日)
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は2026年3月9日付で、千葉県の久留里線・久留里駅〜上総亀山駅間(約9.6km)について、鉄道事業法に基づく鉄道事業廃止の届出を国土交通省大臣へ提出しました。
この届出は、JR東日本が鉄道としての運行をやめ、別の交通手段へ“モード転換”するための手続きです。廃止予定日は2027年(令和9年)4月1日としています。
廃止の背景 — 利用者減少と収支の深刻な悪化
alt="久留里線(久留里駅)" class="wp-image-3927"/>久留里〜上総亀山間は、近年の利用者減少が著しく、2024年度の平均通過人員(輸送密度)は1日76人程度という低水準でした。鉄道としての大量輸送のメリットを発揮できず、営業係数(100円を稼ぐのに必要な費用)も非常に悪化していたとされます。
こうした状況は、JR東日本区間内では「災害以外の理由」での鉄道廃止届出は初めてのケースとなり、モータリゼーションや人口減少・通勤客の減少など長年の構造的要因が背景にあります。
バス等へのモード転換(代替交通体系)
廃止後は、鉄道の代わりとしてバス交通に転換する計画が進んでいます。沿線自治体と協議した結果、君津市が代替バスを運行する見通しで、JR東日本はその費用を負担する方向です。
- JR東日本は代替バス運行費用を18年間分で約20億円拠出する基本合意を君津市と締結しています。
- バス停整備、久留里駅交通結節点の整備、デジタルサイネージなど地域の交通環境整備支援も計画されています。
- 代替バスは2027年3月末までに運行開始を目指す予定です。
地域公共交通会議で報告された計画には、住民意見も反映されています。
久留里線の現状と歴史的位置づけ
alt="久留里線キハE130形(木更津駅)" class="wp-image-3926"/>久留里線は、木更津駅〜上総亀山駅(約32.2km)を結ぶ非電化単線路線で、国鉄時代から続くローカル路線です。今回の廃止対象はその中の末端区間のみであり、木更津〜久留里間は存続予定です。
末端区間は山間部や農村地帯を走る区間で、沿線人口の減少に加え、高速道路・都市間バスの普及によって鉄道の利用が減少してきました。
地元・住民・観光面での影響
・地域交通体系の見直し
鉄道からバス中心の交通体系への転換は、地方部でも全国的に課題となっている「利用者減少対策と持続可能な交通確保」の一例です。沿線自治体では、単に鉄道を廃止するだけでなく、住民移動や通学・通院といった日常利用を支える交通ネットワークをどう維持するかが焦点になっています。
・利用者ニーズの変化
地元では通勤・通学ニーズの減少に加え、東京湾アクアラインなどの高速交通によって鉄道の魅力が相対的に低下してきたとの指摘もあります。これは、鉄道が必ずしも最適解でない地域交通の実情を象徴している側面といえます。
今後の見通し
- 2026年度内:廃止手続き・国の審査
- 2027年3月末:代替バス運行の準備完了〜開始
- 2027年4月1日:久留里〜上総亀山間の鉄道廃止(予定)
代替バスの運行内容やダイヤ、料金体系などについては、国や自治体・事業者との継続協議で詳細が詰められていく見込みです。



