近鉄が描くこれからの鉄道経営 中期経営計画2028と「3本の矢」

近鉄観光特急しまかぜ50000系 2026年度事業計画

関西・東海を代表する私鉄グループ、近鉄グループが「中期経営計画2028」を公表しました。
鉄道ファンとしては、次の3つの点が特に気になりました。

  • 事業体制の強化
  • 定期外収入の拡大
  • 特急強化による収益拡大

通勤輸送に頼りすぎない“これからの私鉄経営”を、近鉄がどう描いているのか。
鉄道ファン目線で、ひとつずつ見ていきたいと思います。

「近鉄グループ中期経営計画2028」のアップデート

近鉄グループホールディングスホームページ

① まずは足元固め「事業体制の強化」

近鉄1201系 賢島行きワンマン列車 alt="近鉄1201系 賢島行きワンマン列車" class="wp-image-7264"/>
近鉄1201系 賢島行きワンマン列車

最初の矢は、少し地味に見えるかもしれませんが、実はとても重要なテーマです。

近鉄は、

  • 人手不足
  • エネルギー価格の上昇
  • 設備の老朽化

といった、全国の鉄道会社が共通して抱える課題に直面しています。

そこで「近鉄グループ中期経営計画2028」では、

  • 安全を最優先にしつつ、運営の効率化を進める
  • 持続可能な事業体制へ転換する

という方向性が明確に打ち出されました。

ワンマン運転の拡大や、設備投資の選択と集中など、「派手さはないけれど、将来の近鉄を支える土台づくり」が進められていきます。

→ 鉄道事業を“細く長く続ける”ための、現実的な一手とも言えそうです。


② 近鉄らしさ全開?「定期外収入の拡大」

今回の計画で、鉄道ファンとして特に注目したいのが2本目の矢

定期外収入=通勤客以外のお客さん

少子高齢化が進む中、
「毎日同じ時間に乗ってくれる通勤客」だけでは、鉄道経営は成り立たなくなってきました。

そこで近鉄が力を入れるのが、

  • 観光
  • レジャー
  • インバウンド
  • イベント需要

といった定期外利用の掘り起こしです。

伊勢志摩、奈良、京都、名古屋…。
近鉄沿線は、日本有数の観光資源の宝庫。

鉄道単体ではなく、

  • 観光地
  • 宿泊
  • イベント
  • グループ事業

と組み合わせて「移動そのものを価値にする」戦略が、より一層強まっていきそうです。

こういった企画は、この流れによるものでしょう。


③ やっぱり主役はこれ!「特急強化による収益拡大」

そして3本目の矢が、特急の強化

近鉄といえば、

  • 名阪特急
  • 伊勢志摩ライナー
  • ひのとり
  • 観光特急「あをによし」

など、私鉄随一とも言える“特急ブランド”を持っています。

中期経営計画2028では、

  • 特急サービスの魅力向上
  • 高付加価値化
  • 観光需要との連携強化

が、はっきりと掲げられました。

これはつまり、

「安くたくさん運ぶ」から「選ばれて乗ってもらう特急」へ

という方向性。

将来的には、

  • 既存特急のリニューアル
  • 新しい観光型特急の登場

といった動きにも、自然と期待が高まります。

近鉄では、「ミッドナイトひのとり」といった特急列車を有効に活用する企画も行われています。


まとめ

今回の「中期経営計画2028」を読み解いて感じるのは、

近鉄は、通勤輸送中心の鉄道経営から本気で脱却しようとしている

という点です。

  • 足元を固める「事業体制の強化」
  • 観光・レジャーを取り込む「定期外収入の拡大」
  • 近鉄の顔である「特急の価値向上」

この3本の矢は、それぞれ独立しているようで、実はしっかりとつながっています。

特急が魅力的になれば観光客が増え、
観光客が増えれば定期外収入が伸び、
収益が安定すれば事業体制も強化できる。

そんな“好循環”を描いているように見えます。


おまけ

数字や経営計画は少し難しく感じるかもしれませんが、

  • 次はどんな特急が出てくるのか
  • 観光列車はどこを走るのか
  • 名阪特急はどう進化するのか

そんな視点で読むと、中計はぐっと面白くなります。

近鉄の次の一手、数年後に「ああ、ここに書いてあったな」と振り返る日が来るかもしれませんね。


各鉄道事業者の2026年度の事業計画のまとめのページへのリンクです。

タイトルとURLをコピーしました