鉄道とバスを組み合わせて、より便利に移動できるようにする「モーダルミックス」。
香川県丸亀市では、JRの定期券を持っている人を対象に、琴参バスを無料で利用できる実証実験を2026年10月1日(木)から12月28日(月)まで実施します。
今回の実証実験では、丸亀駅を発着駅とするJR定期券を持っている人が、琴参バス・琴平線の対象区間を追加料金なしで利用できるようになります。
鉄道だけでは利用しにくい時間帯や、駅から少し離れた場所への移動でバスを組み合わせられるため、丸亀市周辺で鉄道と路線バスを使い分けている人にとって注目の取り組みです。
JR四国ホームページ
JR定期券を持っていれば琴参バスが無料に
丸亀市によると、今回の実証実験は、丸亀市、善通寺市、琴平町、多度津町、まんのう町で構成する瀬戸内中讃定住自立圏をまたぐ通勤・通学者の移動利便性向上と、公共交通の維持・確保を目的としています。
実施期間は、
2026年10月1日(木)~12月28日(月)
です。
ただし、土曜日・日曜日・祝日は対象外となります。
期間中、対象となるJR定期券を持っている人は、琴参バス・琴平線を無料で利用できます。
JR四国も公式サイトで今回の取り組みを「琴参バスモーダルミックス実証実験」として案内しており、鉄道とバスを組み合わせた移動の利便性向上を図っています。
対象となるJR定期券は?
今回の実証実験で対象となるのは、JRの以下の区間の通勤定期券または通学定期券です。
- 丸亀~讃岐塩屋
- 丸亀~多度津
- 丸亀~金蔵寺
- 丸亀~善通寺
- 丸亀~琴平
- 丸亀~琴平より先の各駅
ポイントは、定期券の発着駅のどちらかが丸亀駅であることです。
例えば「丸亀駅~善通寺駅」のJR定期券を持っている場合は対象となります。
一方で、丸亀駅を発着駅としないJR定期券は今回の対象にはなりません。
また、紙の定期券だけではなく、JR四国のチケットアプリ「スマえき」の定期券や「快てーき」も対象です。
つまり、「JR定期券を持っているから琴参バスが全部無料」という制度ではありません。
対象となる定期券とバスの利用区間の両方に条件がありますので、利用する際には注意が必要です。
無料になる琴参バスの区間にも条件あり
対象となるバスは、琴参バスの琴平線です。
ただし、琴平線ならどこまで乗っても無料というわけではありません。
無料で利用できるのは、乗車または降車するバス停のいずれかが丸亀市内のバス停(丸亀駅~原田南口)となる場合です。
例えば、丸亀駅から琴参バスに乗車し、丸亀市内の対象バス停で降車するといった使い方ができます。
一方、対象区間を超えてバスを利用する場合は、乗り越し分の精算が必要です。
JR四国の案内でも、対象区間を超えてバスを利用する場合は乗り越し精算をするよう案内されています。
「定期券を持っているから琴平線が全区間無料」と考えず、利用するバス停が対象範囲に入っているか確認しておくのがよさそうです。
バスを利用するときはJR定期券を提示
今回の実証実験では、通常の路線バスの乗り方とは少し違う点があります。
バスを降りる際に、乗務員へJR定期券を提示したうえで、利用調査票を提出する必要があります。
利用調査票は、琴参バスの車内のほか、JR丸亀駅・多度津駅・善通寺駅・琴平駅などに設置されます。
事前に記入することもでき、JR四国の専用ページから利用調査票をダウンロードすることも可能です。
実証実験ということもあり、単に無料でバスを利用するだけではなく、実際にどの程度利用されたのか、鉄道とバスを組み合わせた移動が利用者にどのように受け入れられるのかを調査する仕組みになっています。
鉄道とバスを使い分ける「モーダルミックス」
今回の取り組みで面白いのは、JRと琴参バスを競合する交通機関として考えるのではなく、一つの移動手段として組み合わせていることです。
鉄道は駅と駅を結ぶ移動には便利ですが、駅から目的地までさらに距離がある場合があります。
一方、路線バスなら鉄道駅よりも細かな場所に停留所が設けられているため、目的地によってはバスの方が便利なケースがあります。
また、列車の運転本数が少ない時間帯などにバスを利用できれば、移動の選択肢を増やすこともできます。
JR四国では、今回の琴参バスの取り組みだけでなく、四国各地で鉄道とバスを組み合わせる「モーダルミックス」の取り組みを進めています。公式の「おでかけに便利な鉄道・バス情報」でも、JRとバスを組み合わせて利用できる区間などが紹介されています。
今回の丸亀市での実証実験も、こうした取り組みの一つといえそうです。
対象者は「通勤・通学」でJR定期券を利用している人
対象となるのは、JRの通勤定期券または通学定期券を持っている人です。
特に丸亀駅を利用して通勤・通学している人にとっては、これまでJRだけで移動していたところに、琴参バスを組み合わせる選択肢が加わります。
例えば、丸亀駅までJRで移動した後、目的地によっては駅から琴参バスに乗り換えるという使い方が考えられます。
追加の運賃を気にせずバスを試せるため、「普段は駅から歩いているけれど、少し距離がある」「列車の時間と目的地までの移動を考えるとバスも使ってみたい」という人には利用しやすい実験になりそうです。
一方で、利用できるのは原則として平日のみ。
土曜日・日曜日・祝日は今回の実証実験の対象外なので、休日のお出かけで利用しようと考えている人は注意してください。
バスの利用状況が今後の交通政策にも影響?
今回の実証実験は、2026年10月1日から12月28日までの約3か月間。
比較的短い期間ではありますが、JR定期券利用者が実際に琴参バスをどの程度利用するのかを調べることで、鉄道とバスを組み合わせた公共交通のあり方を検討する材料になりそうです。
地方では、鉄道と路線バスのどちらも利用者の確保や運転士不足など、さまざまな課題を抱えています。
だからこそ、鉄道かバスかの二者択一ではなく、「鉄道で移動できるところは鉄道」「駅から先はバス」というように、それぞれの交通機関の長所を生かす考え方が重要になっています。
丸亀市周辺で実施される今回の取り組みが、今後の中讃地域における公共交通の利用促進につながるのか注目したいところです。
利用する際は対象区間を確認
2026年10月1日から12月28日まで実施される琴参バスのモーダルミックス実証実験。
ポイントをまとめると、
- 実施期間は2026年10月1日~12月28日
- 土日祝日は対象外
- 丸亀駅発着の対象JR通勤・通学定期券が必要
- スマえきの定期券や「快てーき」も対象
- 琴参バス琴平線が対象
- 乗降のいずれかが丸亀市内(丸亀駅~原田南口)のバス停である必要あり
- バス降車時にJR定期券を提示
- 利用調査票の提出が必要
- 対象区間を超えて利用する場合は乗り越し精算
となります。
JR四国では今回の実証実験について、専用ページでJR線と琴参バスの時刻表やバス停マップも公開しています。実際に利用する場合は、事前に対象区間や時刻を確認しておくと安心です。
鉄道の定期券でバスにも乗れるようにすることで、普段の通勤・通学をより便利にできる今回の実証実験。
丸亀市周辺でJRを利用している人にとっては、普段あまり利用していなかった路線バスを試すきっかけにもなりそうです。
今後、この取り組みがどのような結果となり、実証実験終了後の公共交通政策に生かされていくのかにも注目です。

