平成筑豊鉄道の存続に田川市の新市長が前向き 7月の市長選で当選も「9自治体」の合意形成はこれから

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福岡県の第三セクター、平成筑豊鉄道(へいちく)をめぐり、少し動きがありました。

2026年3月、沿線9自治体などで構成する法定協議会は、平成筑豊鉄道について「鉄道を廃止し、路線バスへ転換する」という方向性を決定しました。

ところが、7月12日に行われた田川市長選挙で初当選した浦野仁市長は、平成筑豊鉄道の鉄道存続に前向きな姿勢を示しています。

3月の記事では「沿線9自治体のうち鉄道存続を支持する自治体はわずか2自治体」という状況を紹介しましたが、ここにきて田川市の姿勢が変わる可能性が出てきました。

平成筑豊鉄道の鉄路廃止巡り署名2万筆 田川市長が存続「意欲」

毎日新聞ホームページ

3月には「鉄道廃止・路線バス転換」の方向性が決まった

平成筑豊鉄道は、伊田線・糸田線・田川線の3路線、約49kmを運行しています。

しかし、利用者の減少などから厳しい経営状況が続いており、鉄道を今後も維持した場合には年間約10億円規模の赤字が続くとの試算も示されていました。

このため、福岡県と沿線9自治体などで構成する「平成筑豊鉄道沿線地域公共交通協議会」で、今後の公共交通のあり方について検討が行われていました。

選択肢として示されたのは、

  • 鉄道を維持する
  • BRTへ転換する
  • 路線バスへ転換する

の3案です。

2026年3月、協議会では「路線バスへの転換」を大きな方向性とすることが決まりました。

平成筑豊鉄道も「鉄道を廃止し、バスへと転換していくという大きな方向性が決議された」と発表しています。

ただし、これは直ちに鉄道の運行を終了するというものではありません。

今後の具体的な廃止時期や代替交通のルートなどについては、引き続き検討されることになっています。

3月には田川市もBRTを支持していた

この3月の時点で、田川市はどのような立場だったのでしょうか。

当時の田川市長は村上卓哉氏でした。

田川市は鉄道そのものを維持する案ではなく、専用道を活用したBRTを支持していました。

つまり、田川市としても「鉄道をそのまま残す」という立場ではありませんでした。

私が3月に書いた記事でも、沿線9自治体の判断を取り上げています。

この時点では、鉄道存続を明確に支持する自治体が少ないことが、平成筑豊鉄道の厳しい状況を象徴していました。

そして、2029年春にバス転換をする予定が決まりましたが、自治体側から準備が間に合わないとして現在は、バス転換の時期は未定となっています。

7月の田川市長選で新しい市長が誕生

ところが、その後に大きな変化がありました。

村上前市長の辞職に伴って、7月12日に田川市長選挙が行われ、新人の浦野仁氏が初当選しました。

そして浦野市長は、平成筑豊鉄道について鉄道存続に前向きな姿勢を示しています。

報道によると、国や県に支援を求め、3月に決まった路線バス転換の方向性についても大きな見直しを求めていく考えを示しています。

3月の協議会で田川市がBRTを支持していたことを考えると、ここは大きな変化と言えそうです。

もちろん、田川市長が変わったからといって、平成筑豊鉄道の存続が決まったわけではありません。

ただし「9自治体の半分」にはまだ届かない

ここで注意したいのが、平成筑豊鉄道の存廃問題は田川市だけで決められるものではないということです。

協議会には福岡県と沿線9自治体が関係しており、田川市以外にも直方市、行橋市、福智町、香春町、糸田町、赤村、みやこ町、小竹町が関係しています。

3月の議論では、自治体によって鉄道維持、BRT、路線バスなど意見が分かれていました。

その後、田川市の新市長が鉄道存続に前向きな姿勢を示したことで、鉄道存続を求める自治体が増える可能性はあります。

しかし、9自治体のうち過半数となる5自治体が鉄道存続を支持する状況には、まだ届いていません。

そのため、現時点で「平成筑豊鉄道が存続する可能性が高くなった」とまでは言い切れないでしょう。

田川市の動きが今後の議論を変えるか

今回の田川市の動きで注目したいのは、単に「鉄道を残したい」という自治体が1つ増えるかどうかだけではありません。

平成筑豊鉄道の沿線地域にとって田川市は重要な地域です。

田川伊田駅は平成筑豊鉄道の伊田線と田川線が接続する駅であり、JR日田彦山線ともつながっています。

また、田川後藤寺駅では糸田線がJR日田彦山線・後藤寺線と接続します。

平成筑豊鉄道の3路線は、単独のローカル線というより、田川地域の公共交通ネットワークの一部として機能しています。

だからこそ、田川市が鉄道存続を求める姿勢に転じたことは、今後の議論に一定の影響を与える可能性があります。

一方で、鉄道を維持するには多額の費用が必要です。

今回の問題では「鉄道を残したい」という思いだけではなく、誰がどの程度の費用を負担するのか、国や県からどのような支援を受けられるのかといった問題も避けて通れません。

まとめ 平成筑豊鉄道は本当に残るのか

3月には「路線バス転換」という大きな方向性が決まり、平成筑豊鉄道の存続はかなり厳しい状況になりました。

そこから約4か月。

7月の田川市長選挙をきっかけに、鉄道存続を求める動きが改めて出てきました。

とはいえ、現段階では「廃止決定が撤回された」という状況ではありません。

今後、田川市が国や福岡県にどのような支援を求めるのか、そしてほかの沿線自治体がどのような判断をするのかが重要になりそうです。

3月には「鉄道存続はたった2自治体」という状況だった平成筑豊鉄道。

田川市の新市長の誕生によって、この数字が変わるのか。

そして、最終的に平成筑豊鉄道の鉄路を残すことができるのか。

今後の議論を引き続き見ていきたいと思います。

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