のと鉄道では、2026年9月18日から、ラッピングを施した車両3両の運行を当面の間休止しています。
対象となったのは「花咲くいろは」「君は放課後インソムニア」「POKÉMON with YOUトレイン」の3両です。
のと鉄道は、9月17日以降の平日について、現在2両編成で運転している列車のうち「6本」を1両編成に減車すると発表しています。
ただし、同じ発表に記載されている対象列車は124D・125D・142D・143Dの4本となっており、「6本」とする記載との間に食い違いがあります。
車両安全確認の実施に伴う一部列車の編成変更について(9月17日以降の平日)
のと鉄道ホームページ
運行を停止したラッピング車両は3両
のと鉄道によると、安全確認の必要が生じたため、以下の3両のラッピング車両について当面の間、運行を休止します。
| ラッピング | 車両 |
|---|---|
| 花咲くいろは | NT204 |
| 君は放課後インソムニア | NT212 |
| POKÉMON with YOUトレイン | NT211 |
「花咲くいろは」は長年運行されてきたラッピング車両で、「君は放課後インソムニア」は七尾市が舞台となったアニメのラッピング車両です。
運行を停止した3両のうち、「POKÉMON with YOUトレイン」は、2024年8月からのと鉄道で運行されています。
同車両については、2026年8月に運転再開やポケモンデザインの1DAYフリーきっぷなどが発表されたばかりでした。
今回は、これらのラッピングそのものに問題があるというより、車体外装に使用されている素材について、安全基準を満たしているか確認する必要が生じたことがポイントです。
鉄道車両には火災・延焼を防ぐための基準がある
鉄道車両は、単に走行できればよいというものではありません。
「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」では、旅客車の車体について、予想される火災の発生や延焼を防ぐことができる構造・材質であることが求められています。
さらに、その解釈基準では、鉄道車両に使用される非金属材料について、不燃性・極難燃性・難燃性などの燃焼性に関する基準が定められています。
車両のラッピングは外観を大きく変えるものですが、営業列車に使用する以上、見た目だけでなく使用する素材についても安全上の確認が必要になります。
今回のケースでは、報道によると、ラッピング施工に使用されたシート素材が省令で定められた基準を満たしていないことが判明しました。
のと鉄道は、認定機関による燃焼試験を受けていない素材が使用されていたことを明らかにしており、今後、第三者機関で燃焼試験を実施して安全性を確認する方針です。
ラッピング車両は鉄道ファンや観光客にとって楽しみな存在ですが、鉄道車両として営業運転する以上、安全基準が優先されるということが今回の件からも分かります。
3両の運行停止で一部列車を1両編成に
ラッピング車両3両が運行できなくなったことで、のと鉄道では車両運用にも影響が出ています。
のと鉄道は、2026年9月17日以降の平日について、通常2両編成で運転している列車のうち、6本を1両編成に減車して運行すると発表しています。
運行ダイヤそのものには変更はありません。また、土曜日・日曜日・祝日の運行計画にも変更はないとしています。
公式発表で列挙されている列車は次の通りです。
| 列車 | 区間 | 時刻 |
|---|---|---|
| 124D | 穴水→七尾 | 穴水7:12発→七尾7:54着 |
| 125D | 七尾→穴水 | 七尾8:38発→穴水9:18着 |
| 142D | 穴水→七尾 | 穴水16:06発→七尾16:50着 |
| 143D | 七尾→穴水 | 七尾17:19発→穴水18:00着 |
なお、のと鉄道の発表文では「下記6本」とされていますが、現在確認できるページ本文では4本の列車番号しか掲載されていません。
ポケモン列車は穴水駅で展示
alt="のと鉄道 穴水駅" class="wp-image-16324"/>運行を停止している3両のうち、「POKÉMON with YOUトレイン」については、穴水駅で展示が行われています。
2026年9月19日から23日の午後と、9月26日・27日の午後に、穴水駅2番線ホームで展示のみ行われる予定です。
つまり、現在は営業列車として乗車することはできませんが、期間中は駅で車両を見る機会が設けられています。
ラッピング車両を楽しみにしていた方にとっては残念な状況ですが、安全確認が終わり、再び営業列車として走れるようになることを待ちたいところです。
ラッピングも鉄道車両の「安全」の一部
今回のニュースで個人的に興味深いと感じたのは、鉄道車両の安全対策がラッピングのような外装部分にまで及んでいることです。
鉄道車両というと、ブレーキや信号、車輪、台車など、走行に直接関係する部分の安全性を思い浮かべがちです。
しかし、火災が発生した場合に乗客の安全を確保するためには、車体に使用される材料についても延焼を防ぐことが重要になります。
そのため、ラッピングについても「車体に貼るだけだから問題ない」というわけではありません。
今回ののと鉄道の事例は、普段何気なく見ているラッピング車両にも、鉄道車両ならではの厳しい安全基準が適用されていることを知る機会になりました。
安全確認が完了し、3両のラッピング車両が再びのと鉄道を走る姿を見られるようになることを期待したいと思います。


