北海道の厳しい冬と乗務員不足で「わっかない号」夜行便を冬季運休 2027年3月以降の運転も未定

稚内駅 道の駅わっかない キタカラ(複合施設) 路線バス

北海道の札幌と稚内を結ぶ高速バス「わっかない号」で、2026年12月1日から2027年3月19日まで、夜行便の運転が休止されます。

宗谷バスと北都交通は、冬季の道路事情や乗務員不足などを理由として、今冬の夜行便を運休すると発表しました。

「わっかない号」夜行便 冬期間の運行休止について

都市間バス「わっかない号」夜行便冬期間の運行休止について(PDF)

宗谷バスホームページ

「わっかない号」夜行便を冬季運休

「わっかない号」は、札幌と稚内を結ぶ高速バスです。

現在は昼行便に加えて夜行便も運転されており、札幌・稚内をそれぞれ23時に出発します。

夜行便は、通常期の3月20日から11月30日までは翌朝5時30分ごろ、冬季の12月1日から3月19日までは翌朝6時ごろに到着するダイヤとなっています。

今回の発表では、2026年12月1日から2027年3月19日まで、この夜行便の運転を休止します。

期間中も昼行便は運転されますが、札幌~稚内間を夜間に移動することはできなくなります。

冬季の道路事情と乗務員不足が理由

今回の夜行便休止について、宗谷バスは冬季の厳しい道路事情と乗務員不足を理由として挙げています。

札幌~稚内間は約330kmに及ぶ長距離路線で、冬季には雪や路面凍結などによって運転条件が厳しくなります。

また、バス業界では乗務員不足が課題となっており、長距離路線を維持するためには乗務員の確保も必要になります。

今回の発表では、こうした冬季の道路事情と乗務員不足を理由として、夜行便を2026年12月1日から2027年3月19日まで休止するとしています。

夜行便を運転するためには、夜間の乗務員や運行管理を含めた運行体制が必要になります。夜行便を休止することで、会社としてどのような人員配置が可能になるのかという面も考えられますが、宗谷バスが具体的な人員配置について説明しているわけではありません。

そのため、今回の運休については、「冬季の厳しい道路事情」と「乗務員不足」という公式に示された理由をそのまま受け止めるのがよさそうです。

2027年3月20日以降の運転は未定

今回の運休期間は2027年3月19日までとされています。

ただし、2027年3月20日以降の夜行便については、現時点では運転するかどうか決まっていません。

宗谷バスと北都交通は、今後決まり次第案内するとしています。

そのため、今回の発表は「冬の間だけ一時的に運休する」と確定しているものの、春以降に従来通り夜行便が復活することまで決まっているわけではありません。

今後の発表が注目されます。

「わっかない号」は宗谷本線の特急列車を補完する存在でもあった

札幌~稚内間にはJR北海道の宗谷本線を走る特急列車「宗谷」「サロベツ」も運転されています。

2026年9月現在、札幌~稚内間を直通する特急「宗谷」は、札幌7時30分発・稚内12時42分着、稚内17時44分発・札幌22時56分着です。

一方、特急「サロベツ」は旭川~稚内間の列車で、旭川20時06分発・稚内23時47分着の「サロベツ3号」、稚内6時36分発・旭川10時10分着の「サロベツ2号」など2往復4本が運転されています。

このため、札幌~稚内間を夜間に移動したい場合には、JRの特急列車とは異なる時間帯を走る「わっかない号」の夜行便が選択肢となっていました。

特に札幌を夜に出発して翌朝に稚内へ到着する、あるいは稚内を夜に出発して翌朝に札幌へ到着するという利用方法は、昼間に運転される「宗谷」とは異なる役割を持っています。

つまり「わっかない号」の夜行便は、単に鉄道と競合する高速バスというだけではなく、宗谷本線の特急列車を補完する交通手段としても機能してきたと見ることができます。

今回、2026年12月1日から2027年3月19日まで夜行便が運休すると、この時間帯の札幌~稚内間の移動手段が一つ減ることになります。

2027年3月20日以降の夜行便についても現時点では未定となっているため、今後の動向は宗谷本線の利用者にとっても気になるところです。

鉄道と高速バス、それぞれ異なる時間帯をカバー

札幌~稚内間では、鉄道と高速バスが同じ区間を結んでいるものの、運転時間帯には違いがあります。

交通機関札幌→稚内稚内→札幌
鉄道 始発便特急「宗谷」
札幌7:30→稚内12:42
特急「サロベツ2号」
稚内6:36→旭川10:10
特急「ライラック16号」
旭川10:30→札幌11:55
鉄道 最終便特急「ライラック37号」
札幌18:30→旭川19:55
特急「サロベツ3号」
旭川20:06→稚内23:47
特急「宗谷」
稚内17:44→札幌22:56
「わっかない号」夜行便札幌23:00→稚内6:00稚内23:00→札幌6:00

このように見ると、「わっかない号」の夜行便はJRの特急列車とは異なる時間帯を担っていたことが分かります。

今回の冬季運休によって、北海道の厳しい冬と乗務員不足が、長距離バスだけでなく、鉄道を含めた地域間交通の利用者にも影響することになります。

かつてはJRの夜行特急列車「利尻」が毎日運転され、札幌22時発→稚内6時着・稚内22時発→札幌6時着というダイヤで札幌~稚内間の夜間移動を担っていました。その後「利尻」が運転を終了し、現在は「わっかない号」の夜行便がその時間帯の移動を担っています。今回の冬季休止によって、この区間の夜間交通が再び大きく変わることになります。

14系 24系 特急利尻 方向幕 alt="14系 24系 特急利尻 方向幕" class="wp-image-16357"/>
14系 24系 特急利尻 方向幕

まとめ 冬の北海道では公共交通の維持にも厳しい環境

北海道では、人口減少や乗務員不足などを背景に、バス路線の維持が難しくなっているケースが増えています。

今回の「わっかない号」夜行便の冬季運休も、そうした状況を考える上で興味深い事例です。

特に札幌~稚内のような長距離路線では、冬季の道路事情への対応と乗務員の確保を両立させる必要があります。

今回の発表では2027年3月20日以降について「未定」とされているため、今後の運転再開だけでなく、どのような形で運行が続けられるのかについても注目したいところです。

まずは2026年12月1日から2027年3月19日まで、冬季の夜行便が休止されることになります。

なお、北都交通と根室交通が共同運行する札幌~根室間の「オーロラ号」も夜行便を運転しています。こちらは現在も運行されていますが、中標津経由便は水・金・日曜日のみの運行で、直行便は当面の間運休となっています。

「わっかない号」だけを見ると個別の冬季運休に見えますが、北海道内の長距離夜行バス全体を見ると、運行本数の縮小や運休も進んでいます。今後、「オーロラ号」にどのような動きがあるのかも気になるところです。

タイトルとURLをコピーしました