ハピラインふくい、2029年度完成を目指して福井に車両基地を整備 2編成分の車両運用余力を確保して福井駅以北の増便へ

ハピラインふくい521系 敦賀駅 ハピラインふくい

ハピラインふくいは、福井県内に車両基地を整備する計画です。福井県が2026年6月16日に公表した資料によると、南福井車両基地に車両の維持管理設備や検査庫を整備し、2029年度の完成を目指します。

今回の整備によって車両運用の効率化を図り、新たに2編成分に相当する車両運用が可能になるとしています。福井駅以北で30分間隔の運行を実現するなど、ダイヤの充実につなげる方針です。

ハピラインふくい、総事業費36億円で福井市に新基地 2編成分の車両増の効果期待 指令所も52億円で新設

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ハピラインふくいが南福井車両基地を整備

ハピラインふくいは、2024年3月16日の北陸新幹線敦賀延伸に伴い、JR西日本から北陸本線の敦賀~大聖寺間の経営を引き継いだ第三セクター鉄道です。

開業後は利用者が好調に推移する一方、通勤・通学時間帯を中心に列車の混雑が課題となっています。

2025年3月15日のダイヤ改正では、敦賀~福井間の日中時間帯に12本を増発したほか、夕方の一部列車を4両編成にするなど、保有車両を効率的に運用して輸送力の改善を図ってきました。

今回の車両基地整備も、こうした輸送力増強に向けた取り組みの一つです。

車両基地の整備に36億3,000万円

福井県の資料によると、越前花堂駅近くにある南福井車両基地(福井市花堂東1丁目)に車体洗浄設備や排水処理設備、車輪削正装置などの維持管理設備と、車両検査に使用する検査庫を整備します。

現在は、JR西日本の金沢車両区敦賀支所(交番検査)・IRいしかわ鉄道(仕業検査)に委託している車両検査を行う予定です。なお、重要部検査・全般検査についてはJR西日本吹田総合車両所で引き続き行われるものと思われます。

事業費は総額36億3,000万円で、地方債を財源として整備する計画です。

整備によって、これまで県外の車両基地に依存していた車両の検査・維持管理機能を福井県内に持つことになります。

整備スケジュールは2026年度から設計などに着手し、2027年度以降に設備の設置や検査庫の建設を進める計画です。検査庫については2029年度まで建設を行う予定となっています。

なお、今回の車両基地整備は福井県が事業主体となり、総事業費36億3,000万円の全額を地方債で賄う計画です。

同じ資料に掲載されている指令所の移転・新設では、総事業費52億2,000万円のうち20億4,000万円に国庫支出金が充てられる一方、車両基地整備には国庫支出金が計上されていません。

車両基地の整備費用を県が地方債で負担してまで進める背景には、車両運用の効率化による増便や、ハピラインふくいの経営改善への期待があると考えられます。

2編成分の車両を購入せずに運用できる効果

今回の車両基地整備で注目したいのは、車両運用の効率化による輸送力の増強です。

福井県の資料では、自社の車両基地を整備することで不要なコストを削減するとともに、車両運用の効率化によって新たに2編成分に相当する車両運用が可能になるとしています。

仮に車両を新たに2編成購入した場合、25億円以上の費用が必要になると試算されています。

つまり、車両を追加購入するのではなく、検査や維持管理を自社で効率的に行える体制を整えることで、現在保有している車両をより有効に活用するという考え方です。

福井県は、この車両運用の効率化によって福井駅以北で30分間隔の運行を実現するなど、ダイヤの充実を図る方針です。

なお、車両基地整備による収支改善効果は年間約1億円と見込んでいます。

指令所も金沢から福井県内に移転・新設

福井県は車両基地の整備に加えて、ハピラインふくいが使用する列車運行の指令所も県内に移転・新設する計画です。

現在、ハピラインふくいの指令所は金沢にありますが、指令システムの更新時期に合わせて福井県内に移転します。

既存の指令システムは耐用年数が約15年とされる中、すでに11年が経過しており、システム更新に合わせて指令所の建物も新設します。

事業費は総額52億2,000万円で、財源の内訳は国庫支出金20億4,000万円、地方債28億4,000万円、一般財源3億4,000万円です。

福井県内に指令所を設けることで、災害発生時の迅速な復旧対応が可能になるほか、職員が県外の指令所に通勤する必要がなくなり、負担軽減や通勤コストの削減も期待されています。

また、指令所の使用料削減やJR貨物からの貨物線路使用料の増加などによって、年間約1億2,000万円の収支改善効果を見込んでいます。

今回の指令所移転・新設は、車両基地整備とは別の事業ですが、どちらもハピラインふくいの運行基盤を強化し、経営改善につなげる取り組みといえそうです。

車両基地の整備で利便性向上につながるか

ハピラインふくいは、北陸新幹線の敦賀延伸に伴って誕生した並行在来線です。

開業後は利用者の増加に対応するため、増結や増便などの輸送力増強を進めてきました。

今回の車両基地整備は、単に車両の検査や維持管理を行う場所を設けるだけでなく、車両運用の効率化を通じて列車の増便につなげる計画です。

車両の新規購入には多額の費用が必要になるため、既存車両を有効活用して運行本数を増やせるのであれば、経営面でも大きなメリットがありそうです。

2029年度を目指す車両基地の整備によって、ハピラインふくいの輸送力や利便性がどのように向上するのか注目です。

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