赤穂線活性化にさらなる一手! 瀬戸内市「備前長船刀剣博物館」などを回る定期観光バスを1日10往復運転へ

赤穂線(長船駅) 岡山の観光

JR赤穂線を利用して瀬戸内市を訪れる観光客にとって、うれしい取り組みが始まりました。

瀬戸内市では2026年8月1日から、JR長船駅と市内の観光施設などを結ぶ観光定期バス「長船だがし線」の運行を開始しました。

JR長船駅から「備前長船刀剣博物館」「日本一のだがし売場」などを訪れる際に利用できるバスで、土曜日・日曜日・祝日に1日10往復運転されます。

1乗車300円という利用しやすい運賃も特徴です。

瀬戸内市初!観光定期バス「長船だがし線」の運行が始まります!!

瀬戸内市ホームページ

JR赤穂線の増便を観光につなげる

今回の観光定期バスが興味深いのは、単に観光客向けのバスを新設したというだけではありません。

その背景には、2026年3月に実施されたJR赤穂線の増便があります。

瀬戸内市によると、JR赤穂線の増便によって市内への鉄道アクセスが向上した一方、市内のJR駅から観光施設へ向かう「二次交通」の充実が課題となっていました。そこで、JR長船駅から市内の観光施設を結ぶ観光定期バスを運行することになりました。

鉄道の本数を増やしただけでは、駅に到着した観光客が目的地まで移動できなければ、観光客の増加にはつながりません。

今回の取り組みは、

「JR赤穂線で長船駅まで来てもらう」

「駅から観光定期バスに乗り換えて観光地へ向かう」

という流れを作るものです。

鉄道とバスを組み合わせて観光客を呼び込むという意味では、赤穂線の利用促進にもつながる取り組みと言えそうです。

「長船だがし線」は1日10往復

観光定期バスの名称は「長船だがし線」。

2026年8月1日から2027年1月31日までの期間、土曜日・日曜日・祝日に運行されます。

運行ルートには、次の6か所が設定されています。

  • 備前長船刀剣博物館
  • 瀬戸内フルーツガーデン
  • 備前福岡
  • JR長船駅
  • ゆめトピア長船
  • 日本一のだがし売場

そして、最大のポイントが1日10往復という運行本数です。

観光地を巡るバスというと、1日に数本程度の運行で「乗り遅れると次の便までかなり待つ」というケースも珍しくありません。

しかし「長船だがし線」は1日10往復。

もちろん具体的な時刻は確認する必要がありますが、観光客が自分の予定に合わせて利用しやすい設定になっています。

瀬戸内市も「自由度の高い観光行程を計画できる」としており、特定の観光施設を往復するだけでなく、複数の観光スポットを組み合わせた旅行にも使いやすそうです。

バス時刻表・運賃

時刻表

備前長船刀剣博物館 → 長船駅前 → 日本一のだがし売場

備前長船刀剣博物館瀬戸内フルーツガーデン備前福岡長船駅前 着長船駅前 発ゆめトピア長船日本一のだがし売場
1便9:409:439:53
2便9:559:5910:0510:1010:1510:1810:28
3便10:3510:3910:4510:5010:5510:5811:08
4便11:1511:1911:2511:3011:3511:3811:48
5便12:0512:0912:1512:2012:3512:3812:48
6便13:0013:0413:1013:1513:1513:1813:28
7便13:3513:3913:4513:5014:0514:0814:18
8便14:5014:5415:0015:0515:1015:1315:23
9便15:3515:3915:4515:5016:0516:0816:18
10便16:2516:2916:3516:4016:4516:4816:58
11便17:0517:0917:1517:20

日本一のだがし売場→長船駅前→備前長船刀剣博物館

日本一のだがし売場ゆめトピア長船長船駅前 着長船駅前 発備前福岡瀬戸内フルーツガーデン備前長船刀剣博物館
1便9:359:409:469:50
2便9:5510:0510:0810:1010:1510:2110:25
3便10:3510:4510:4810:5010:5511:0111:05
4便11:2011:3011:3311:4011:4511:5111:55
5便12:0512:1512:1812:3012:3512:4112:45
6便12:5513:0513:0813:1013:1513:2113:25
7便13:3513:4513:4814:0014:0514:1114:15
8便14:4514:5514:5815:0515:1015:1615:20
9便15:3515:4515:4816:0016:0516:1116:15
10便16:2516:3516:3816:4016:4516:5116:55
11便17:0517:1517:18

赤穂線長船駅時刻表(8時~17時)

赤字は、西大寺駅~長船駅間で試験増便を行っている列車です(9月30日まで運行予定)。

岡山方面備前片上・相生方面
発車時刻到着時刻到着時刻発車時刻
2520852
01 34 5800 29 56934 5501 56
43391057
0024115625
00 3023 541255
30 59521329
2724 50142727 50
3025 54152627
00 2525 48162125
05 30 5603 29 551724 5404 30 56

運賃

運賃は1乗車300円

未就学児は無料です。

例えばJR長船駅から目的地へ向かい、観光後に再びバスで長船駅へ戻る場合でも、片道300円なので往復600円。

レンタカーを利用せず、JRとバスを組み合わせて瀬戸内市を観光する場合には、比較的利用しやすい運賃ではないでしょうか。

特に家族連れの場合、「駅から観光施設までの移動手段があるかどうか」は旅行先を決めるうえでも重要なポイントになります。

これまで車で訪れることが中心だった観光施設に対して、鉄道を利用して訪れる選択肢を増やすことにもなりそうです。

「備前長船刀剣博物館」へ鉄道+バスで

今回の観光定期バスで訪れることができる観光スポットの一つが、備前長船刀剣博物館です。

備前長船といえば、日本刀の産地として全国的にも知られている地域。

刀剣に興味がある人はもちろん、歴史や日本文化に関心のある観光客にも注目される施設です。

一方で、現在はバスでのアクセスはよくない(路線バスの場合、岡山駅からバスに乗車)ため自家用車もしくはタクシーでのアクセスが中心となっていました。

ちょうど2026年8月1日から9月27日までは、夏季特別展「知ればもっとおもしろい!ようこそ!刀剣の世界へ」が開催されています。刀剣の基礎知識や専門用語などを紹介し、刀剣について「知りたい」「学びたい」という人にも分かりやすい内容となっています。

リンク:備前長船刀剣博物館 – 瀬戸内市公式ホームページ

これまで「備前長船刀剣博物館に行ってみたいけれど、長船駅からどうやって行けばいいのか分からない」という人にとっても、今回の観光定期バスは便利な存在になりそうです。

JR赤穂線と組み合わせて利用できるため、岡山方面からの日帰り旅行にも組み込みやすくなります。

「日本一のだがし売場」も対象

もう一つの注目スポットが「日本一のだがし売場」です。

こちらも今回の「長船だがし線」の停車地に含まれています。

「刀剣博物館」と「日本一のだがし売場」では、観光の目的が大きく異なります。

そのため、歴史・文化を楽しみたい人だけでなく、家族連れなどにも利用してもらえる可能性があります。

さらに「瀬戸内フルーツガーデン」や「備前福岡」もルートに入っており、一つの観光施設だけを訪れるのではなく、バスを活用して複数のスポットを巡る観光にも利用できます。

瀬戸内市の観光を「車で1か所ずつ訪れる」だけでなく、「JR+バスで巡る」という新しいスタイルを作れるかが注目されます。

「駅から先」が便利になることが重要

今回の取り組みを見ていて感じるのは、鉄道の利用促進では「駅までのアクセス」だけでなく、駅に着いてからどうするのかが非常に重要だということです。

JR赤穂線の増便によって長船駅まで来やすくなったとしても、駅から観光施設までの移動手段が少なければ、観光客は自家用車やレンタカーを選ぶことになります。

一方で、駅前から観光地へ向かうバスが1日10往復運転されていれば、「鉄道で行ってみよう」という選択肢が生まれます。

今回の「長船だがし線」は、まさにこの部分を補う取り組みです。

鉄道の増便だけで終わらず、二次交通まで整備する。

瀬戸内市がJR赤穂線の利用促進を観光施策と組み合わせている点は、今後の地方鉄道の利用促進を考えるうえでも興味深いところです。

赤穂線を利用した瀬戸内市観光に注目

瀬戸内市では、これまでにもイベントに合わせた臨時バスの運行は行われていましたが、観光に特化した定期バスの運行は今回が初めてとのことです。

今回の「長船だがし線」は2027年1月31日までの土曜日・日曜日・祝日に運行されます。

まずはこの期間にどれだけ利用されるのかが重要になりそうです。

利用者が増えれば、観光定期バスの継続や運行期間の拡大、さらには別の観光施設へのルート拡大などにつながる可能性もあります。

JR赤穂線にとっても、沿線の観光地へ向かう新たなアクセス手段ができることで、これまでとは違った利用者を呼び込めるかもしれません。

岡山駅からJR赤穂線に乗車し、長船駅で「長船だがし線」に乗り換える。

そんな「鉄道+バス」の瀬戸内市観光が、これから定着していくのか注目したいところです。

JR赤穂線の増便を観光客の増加につなげるためには、列車の本数だけでなく、駅から観光地までの移動手段も欠かせません。

今回の観光定期バスは、その「駅から先」を埋める新たな一手。

赤穂線の利用促進という視点からも、今後の利用状況を見守りたい取り組みです。

タイトルとURLをコピーしました