伊予鉄道の郊外電車で活躍してきた700系が、2026年11月に引退することになっています。
引退を前に、伊予鉄道では700系を貸し切り、走行音の録音に特化した「伊予鉄道 700系特別録音ツアー」を10月31日(土)に開催します。
「音鉄」と呼ばれる、鉄道の走行音を録音して楽しむファンを対象とした企画で、700系のモーター音やブレーキ音、コンプレッサー音などを記録できる貴重な機会となります。
伊予鉄道「700系」引退直前の特別企画
伊予鉄道ホームページ
~ “音鉄”ファン向け 走行音を記録する限定ツアーを開催 ~
伊予鉄道700系が2026年11月に引退
伊予鉄道700系は、かつて京王帝都電鉄(現在の京王電鉄)で活躍した5000系を譲り受け、伊予鉄道向けに改造した車両です。
1987年から1994年にかけて導入され、松山市内を走る伊予鉄道の郊外電車として長年にわたり活躍してきました。
2025年2月から営業運転を開始した新型7000系の導入が進み、700系の置き換えが進められています。7000系は2026年のローレル賞にも選ばれました。
7000系の導入が進む一方で700系の置き換えも進められ、2026年度中には7000系が計6編成18両となる予定です。これにより700系は完全引退することになります。
かつて京王線を走った車両が、伊予鉄道で長く活躍してきた700系。その最後の時期に、音をテーマにしたツアーが設定されました。
「音鉄」向けに700系を貸し切り
今回開催されるのが「伊予鉄道 700系特別録音ツアー」です。
開催日は2026年10月31日(土)。
伊予鉄道古町駅を集合場所とし、午前の部と午後の部に分けて実施されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年10月31日(土) |
| 集合場所 | 伊予鉄道 古町駅 |
| 午前の部 | 10:30~12:00 |
| 午後の部 | 13:30~15:00 |
| 定員 | 各部50名程度 |
| 最少催行人数 | 20名 |
| 旅行代金 | 2万~2万5000円 |
| 発着 | 松山市内発着の日帰りツアー |
最大の特徴は、単に700系へ乗車するだけではないことです。
録音に専念できるよう、車内放送と空調を停止して運行。
さらに、床面に録音機材を設置することも可能とされています。
引退後には聞くことのできなくなる700系の音を、できるだけ良い条件で記録できるようにした企画です。
「モーター音」と「ジョイント音」の2プラン
ツアーには2種類のプランが用意されています。
「モーター音」満喫プランは2万5000円で、みきゃんアプリ決済の場合は2万3000円。
もう一つの「ジョイント音」満喫プランは2万円で、みきゃんアプリ決済の場合は1万8000円です。
モーター音、ブレーキ音、コンプレッサー音など、700系ならではのさまざまな音を収録できるのが今回のツアーのポイントです。
単なる「さよなら乗車」ではなく、車両そのものが発する音を記録することに重点を置いているところが面白いですね。
700系ならではの「ダイヤモンドクロス」も
alt="伊予鉄道 大手町駅 ダイヤモンドクロス" class="wp-image-15902"/>伊予鉄道といえば、鉄道ファンには「ダイヤモンドクロス」も知られています。ダイヤモンドクロスとは、鉄道の線路同士が同一平面上で十字(またはX字状)に交差する軌道構造のことです。伊予鉄道では、郊外電車の高浜線と路面電車の大手町線が十字に交差しています。
今回のツアーでは、全国的にも希少とされる2か所のダイヤモンドクロスの通過音を収録できるほか、「幅員30メートル踏切」の通過音も収録できるとしています。
車両のモーター音だけではなく、伊予鉄道の線路を走ることで発生する音そのものを記録できるわけです。
特にダイヤモンドクロスを通過する際の独特な音は、伊予鉄道ならではのもの。
700系の引退が迫るなかで、その車両と伊予鉄道の特徴的な線路設備を組み合わせて記録できるのは、音鉄の方にとっては貴重な機会になりそうです。
伊予鉄道700系は京王5000系が種車です
伊予鉄道700系は、京王5000系をルーツとする車両です。
京王ではすでに姿を消した車両が伊予鉄道へ譲渡され、松山の街を走り続けてきました。
そして現在は、伊予鉄道でも新型7000系への置き換えが進んでいます。
2025年には766編成・767編成の引退に合わせてラストランイベントも開催されており、700系は少しずつ数を減らしてきました。
伊予鉄道700系は2026年11月に引退する予定ですが、京王5000系を種車とする車両がすべて姿を消すわけではありません。伊予鉄道700系のうちモハ713・クハ763は銚子電鉄へ譲渡され、現在は3000形として活躍しています。
alt="伊予鉄道から譲渡された銚子電鉄3000形" class="wp-image-15901"/>まとめ
今回の特別録音ツアーは、伊予鉄道700系の最後の時期を記録する企画です。
鉄道車両の引退というと、ラストランや記念乗車券、車両撮影会などが思い浮かびますが、今回は「音」に焦点を当てています。
写真では残せないモーター音やブレーキ音、走行音を記録するというのは、まさに音鉄向けの引退記念企画といえるでしょう。
700系の引退まで残された時間はあとわずか。
伊予鉄道の歴史を長年支えてきた車両の最後の音を残したいという方には、注目のツアーになりそうです。


