京都市が導入を目指している「市民優先価格」について、具体的な運賃が示されました。
現在の京都市バス均一区間の普通運賃は230円ですが、京都市民は200円、市民以外は360円とする方向で調整されています。
さらに、京都市が管理する二条城でも、市民と市民以外で入場料を分ける「二重価格」を導入する方針が明らかになりました。
6月にもこのブログで京都市バスの市民優先価格について取り上げましたが、今回はその続報です。
京都市バス 市民外運賃、360円に 市民優遇、200円に値下げ 27年度中の実施を目指す /京都
毎日新聞ホームページ
京都市バスは市民200円、市民以外360円へ
京都市は2026年6月、市バスの「市民優先価格」の制度概要を公表していました。
当時は、現在230円の均一区間について、市民運賃を200円とする一方、市民以外については350~400円程度とする案が示されていました。
そして今回、京都市の松井市長が、市民以外の運賃を360円とする考えを明らかにしました。
つまり、現在230円の区間では、
| 現在 | 導入後 | |
|---|---|---|
| 京都市民 | 230円 | 200円 |
| 市民以外 | 230円 | 360円 |
という形になる見込みです。
市民にとっては30円の値下げとなる一方、市民以外は130円の値上げです。
ただし、現時点では正式に運賃改定が決まったわけではありません。国への申請・認可などが必要になるため、今後変更される可能性があります。
京都市交通局は、市民優先価格を2027年度中に導入することを目指しています。
市民以外の利用者にも負担軽減策を検討
京都市バスを利用するのは観光客だけではありません。
京都市外に住んでいても、京都市内へ通勤・通学したり、通院や買い物などで市バスを日常的に利用する人もいます。
そのため京都市は、市外在住者についても一定の配慮をする考えを示しています。
定期券については現行の金額を据え置く予定としているほか、定期券を購入するほどではないものの、一定頻度で利用する人については、ポイントサービス「もえポっ」の活用などによる負担軽減策を検討しています。
また、市民と市民以外をどのように識別するかについては、マイナンバーカードと交通系ICカードなどを紐づける仕組みが検討されています。
市民であることを登録しておけば、交通系ICカードをタッチすることで市民価格が適用される仕組みです。
一方、現金や回数券については、運転士がその都度、市民かどうかを確認する必要があり、定時運行に支障が出る可能性があるため、市民優先価格の対象外とする方向です。
二条城も「二重価格」へ
alt="二条城の東大手門と石垣" class="wp-image-17266"/>そして今回、もう一つ気になったのが観光施設です。
京都市が管理する世界遺産の二条城についても、市民と市民以外で入場料を分ける「二重価格」を導入する方針が明らかになりました。
現在、入城料と二の丸御殿観覧料のセットは1300円ですが、これを市民は1000円程度、市民以外は2000円とする方向です。
2027年度の導入を目指し、京都市は関連する条例改正案を市会に提出する予定とされています。
二条城については、今後必要となる保存修理の財源確保という目的もあります。
観光客が多く訪れる京都では、観光による収入を観光施設の維持管理に活用するという考え方も理解しやすいところです。
これについては、姫路市にある姫路城で先行する形で「二重価格」が2026年3月1日から導入されています。
alt="JR姫路駅から姫路城" class="wp-image-17267"/>姫路城の場合は、1,000円(小中高生300円・未就学児無料)から次の価格となりました。
- 姫路市民:1,000円
- 姫路市民以外:2,500円
- 18歳未満(居住地は問わず)・18歳になった年度の3月31日まで:無料
一方で、市バスの場合は「観光施設」ではなく、市民の日常生活を支える公共交通です。
ここは同じ「市民と市民以外の価格差」でも、少し意味が違うように感じます。
「観光客にも負担してもらう」という流れに
京都市では、観光客の増加による市バスの混雑が長年の課題になっています。
京都市交通局も、観光シーズンには臨時バスを増発するなど、混雑対策を行っています。
今回の市民優先価格も、単純に市民の運賃を安くするというだけではなく、オーバーツーリズム対策や人件費・物価上昇への対応などを含めた運賃制度の見直しとして位置付けられています。
そのため、京都市民は200円に値下げする一方で、市民以外は360円とすることで、観光客などからより多くの負担を求める形になります。
そして、その考え方を二条城などの観光施設にも広げていく。
京都市が「観光客から得られる収入を、市民生活や観光資源の維持にどうつなげるか」を考える段階に入っているようにも見えます。
ただ、市外在住者でも京都市で生活する人は少なくありません。
「京都市民ではない=観光客」ではないため、市外から通勤・通学する人などへの負担軽減策がどのような制度になるのかも気になるところです。
市バスの市民優先価格については、今後正式な運賃改定や制度の詳細が発表されることになります。
2027年度の導入に向けて、どのような仕組みになるのか引き続き注目したいと思います。


