京成電鉄が2028年春に運賃改定を申請 4種類の運賃体系を2つに集約 全体的に値上げも千原線では値下げに 「スカイライナー」は2027年3月13日に200円値上げ

京成電鉄3200形 京成電鉄

京成電鉄は2026年11月6日、鉄道旅客運賃の変更認可を国土交通大臣に申請したと発表しました。運賃改定は2028年3月を予定しており、消費税率変更によるものを除くと1995年以来32年ぶりとなります。

また、成田空港へ運行される「スカイライナー」について2027年3月13日からライナー券の料金が値上げ(大人200円・こども100円)されます。

今回の改定では、全体的に運賃が値上げとなる一方、これまで異なっていた運賃制度を整理し、千原線などでは値下げとなる区間もあります。

鉄道旅客運賃の改定を申請しました

京成電鉄ホームページ

2028年3月に運賃改定を予定

京成電鉄は、近年の物価上昇に伴う人件費や動力費などの増加に加え、今後の成田空港の機能強化に対応するための設備投資などを理由に、運賃改定を申請しました。

改定率は全体で14.1%となっています。

運賃表

カッコ内は、現在との差額です。

  • 京成本線等
営業キロICカードきっぷ
1~3167(+21)170(+20)
4~5196(+29)200(+30)
6~10229(+30)230(+30)
11~15314(+42)320(+40)
16~20387(+52)390(+50)
21~25449(+62)450(+60)
26~30520(+70)520(+70)
31~35585(+83)590(+80)
36~40649(+94)650(+90)
41~45720(+102)720(+100)
46~50801(+120)810(+120)
51~55875(+132)880(+130)
56~60939(+143)940(+140)
61~651,010(+151)1,010(+150)
66~701,081(+169)1,090(+170)
  • 成田空港線
営業キロICカードきっぷ
1~3229(+19)230(+20)
4~5344(+30)350(+30)
6~7425(+37)430(+40)
8~9511(+49)520(+50)
10~11583(+59)590(+60)
12~14667(+70)670(+70)
15~17739(+79)740(+80)
18~20803(+91)810(+90)
21~23865(+100)870(+100)
24~26907(+111)910(+110)
27~29946(+118)950(+120)
30~33990(+131)990(+130)
34~371,031(+140)1,040(+140)
38~411,081(+159)1,090(+160)
42~451,123(+170)1,130(+170)
46~491,144(+170)1,150(+170)
50~521,180(+185)1,180(+180)

普通運賃は14.3%、通勤定期は16.9%の値上げとなる一方、通学定期は11.5%の値下げとなる計画です。

なお、今回の申請は国土交通大臣の認可を受ける必要があり、現時点では改定が正式に決定したわけではありません。

4種類あった運賃制度を2種類に集約

今回の運賃改定で注目したいのが、これまで4種類に分かれていた運賃制度の整理です。

現在の京成電鉄では、次の4つの運賃制度があります。

  • 京成本線等(押上線・金町線・東成田線・千葉線を含む)
  • 千原線
  • 松戸線
  • 成田空港線(成田スカイアクセス線)

千原線は、1998年に千葉急行電鉄から鉄道事業を引き継いだ際の運賃制度を継承しています。また、松戸線は2025年の新京成電鉄との合併に伴い、従来の運賃制度を引き継いでいました。

そのため、京成電鉄の路線同士を乗り継ぐ場合でも、路線ごとに運賃を計算して合算するケースがありました。

今回の改定では、千原線と松戸線の運賃制度を京成本線等に統合し、成田空港線と京成本線等の2種類に整理します。

ただし、松戸線内だけを利用する場合は、京成本線等と同じ運賃にすると値上げ幅が大きくなるため、別途、割安な運賃を設定する予定です。

千原線は大幅な値下げとなる区間も

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京成電鉄3000系 千原線ちはら台駅

今回の運賃制度の統合によって、特に大きな影響を受けるのが千原線です。

営業キロICカードきっぷ
1~3167(-30)170(-30)
4~5196(-65)200(-70)
6229(-53)230(-60)
7229(-74)230(-80)
8229(-95)230(-100)
9229(-106)230(-110)
10229(-127)230(-130)
11314(-63)320(-60)

これまでは京成本線等と千原線を乗り継ぐ場合、千葉中央駅で運賃計算を打ち切り、それぞれの運賃を合算していました。

改定後は千葉中央駅で打ち切らず、乗車区間を通算して運賃を計算します。

例えば、ちはら台駅から京成船橋駅まで利用する場合、現行の710円から520円となり、190円の値下げとなります。

また、千原線内の利用でも、京成本線等と同じ運賃が適用されるため、これまでより安くなります。

松戸線も京成本線等との乗り継ぎ運賃を見直し

京成松戸線 N800形 alt="京成松戸線 N800形" class="wp-image-19419"/>
京成松戸線 N800形

松戸線についても、京成本線等との乗り継ぎ時に運賃を合算する仕組みを廃止します。

例えば、新津田沼駅から千葉寺駅まで利用する場合、現行の600円から390円となり、210円の値下げとなります。

一方、松戸線内だけを利用する場合は注意が必要です。

京成本線等と同じ運賃をそのまま適用すると、松戸駅から新鎌ヶ谷駅までの運賃は現行の190円から230円となります。

そこで京成電鉄は、松戸線内の普通運賃と通勤定期について、認可運賃とは別に届出による運賃を設定する予定です。

営業キロICカードきっぷ
1~3167(±0)170(±0)
4~5196(+29)200(+30)
6~9218(+30)220(+30)
10218(+9)220(+10)
11~13249(+40)250(+40)
14~15249(+19)250(+20)
16~17270(+40)270(+40)
18~20270(+18)270(+10)
21~22301(+49)310(+50)
23~25301(+29)310(+30)
26~27321(+49)330(+50)

松戸駅~新鎌ヶ谷駅の例では220円となり、値上げ幅を抑える計画です。

成田空港線の運賃制度は引き続き別扱い

今回、京成本線等と千原線、松戸線の運賃制度は統合されますが、成田空港線については引き続き別の運賃制度となります。

これは京成高砂駅~印旛日本医大駅間で北総線と線路を共用しており、北総線と同じ運賃制度が適用されているためです。

この区間については京成電鉄だけで運賃を変更することができず、京成本線等と同じ運賃に統一することができません。

そのため、成田空港線は今回の運賃制度統合の対象外となっています。

鉄道駅バリアフリー料金は廃止へ

今回の運賃改定に合わせて、京成本線等と千原線で収受している鉄道駅バリアフリー料金(定期外:10円・通勤定期:1ヵ月600円、3か月1,710円、6か月3,240円・通学定期:なし)も廃止されます。

ただし、バリアフリー設備の整備を取りやめるわけではなく、現在の整備計画を継続するとともに、これまで以上に施設整備を推進するとしています。

なお、京成成田駅~空港第2ビル駅・成田空港駅間などで設定されている加算運賃については変更しません。

「スカイライナー」は2027年3月13日から値上げ

成田空港への「スカイライナー」は、ライナー券の料金が2027年3月13日から大人が200円、こどもが100円値上げとなります。

成田空港への特急料金は次のようになります。

区間大人こども
京成上野・日暮里
~成田空港
1,500円(+200円)750円(+100円)
青砥~成田空港1,250円(+200円)630円(+100円)
新鎌ヶ谷~成田空港1,000円(+200円)500円(+100円)
京成上野・日暮里~新鎌ヶ谷700円(+200円)350円(+100円)
青砥~新鎌ヶ谷500円(+200円)250円(+100円)

京成電鉄は2026年11月21日ダイヤ改正を実施

京成電鉄では、京急電鉄・都営地下鉄浅草線と同じ11月21日(土)にダイヤ改正を行います。

成田空港行きのスカイライナーが平日1本・土休日2本増便・始発のスカイライナーが20分繰り上げとなります(京成上野駅5:20発・日暮里駅5:25発→空港第2ビル駅6:01着・成田空港駅6:03着)。

また、松戸線では、松戸駅(0:24発)の列車の運転区間を新鎌ヶ谷駅まで延長されます。これにより北初富駅・新鎌ヶ谷駅までの最終列車の時刻が繰り下がります。

成田空港アクセス強化に向けた設備投資も続く

京成電鉄は2026年度の鉄道事業設備投資計画で、総額566億円の投資を発表しています。

その中には、成田空港アクセスの強化に向けた新型有料特急の導入や宗吾車両基地の拡充、成田スカイアクセス線の輸送力増強に向けた検討などが含まれています。

今回の運賃改定も、こうした鉄道事業の安全性向上や将来の設備投資を支えるための取り組みの一つといえそうです。

運賃全体としては値上げとなりますが、今回の制度統合によって、これまで複雑だった路線間の運賃計算が分かりやすくなり、千原線や松戸線と他路線を乗り継ぐ利用者には値下げとなるケースも生まれます。

2028年3月の実施に向けて、今後の認可や具体的な運賃の決定にも注目したいところです。

※運賃は2026年11月6日時点の申請内容に基づいています。

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