——滋賀県知事発言を読み解く
北陸新幹線の大阪延伸をめぐり、再び注目を集めているのが「どのルートを通すのか」という問題です。
その中で、滋賀県の立場を象徴する発言として話題になったのが、三日月大造滋賀県知事のコメントです。
一見すると
「湖西線や北陸本線のJR運行が維持されるなら、米原ルートでも問題ないのでは?」
とも受け取れる内容ですが、実際はもう少し複雑な事情が見えてきます。
北陸新幹線延伸で滋賀・三日月知事「小浜・京都ルート」支持も 「国家プロジェクトとして決まれば」県内ルートの議論に応じる意向
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北陸新幹線・延伸ルート問題の整理
現在議論されている主なルートは、大きく分けて次の3つです。
- 小浜・京都ルート
- 米原ルート
- 湖西ルート
このうち、国として整備を進めているのは「小浜・京都ルート」ですが、建設費の高騰や工期の長期化から、再び他ルートが話題に上がっています。
その流れの中で注目されたのが、滋賀県知事の発言でした。
滋賀県知事の発言
2026年4月8日の国会内で行われた委員会の内容は次の通りです。
滋賀県の三日月大造知事は、国会内の委員会で北陸新幹線の延伸ルートについて意見を述べ、
「早期着工・早期開業の可能性が高い」として 小浜・京都ルートの支持を明言しました。一方で、県内を通る「米原ルート」や「湖西ルート」については、
『求めるものでもなく、望むものでもない』という消極的な姿勢も示しています。
ただし、国家プロジェクトとして正式に決まった場合には、条件を確認したうえで議論に応じる意向も述べています。
滋賀県の 三日月知事は、北陸新幹線の延伸ルートについて、県として特定のルートを積極的に求める立場ではないとしたうえで、
湖西線や北陸本線といった在来線のJR運行が将来にわたって維持されることが重要との認識を示しています。
また、仮に国の判断として米原ルートが正式に決まった場合であっても、
県民に新たな負担が生じないことや、在来線のあり方が明確になることが前提であり、
その条件次第で議論に応じる姿勢を示した形です。
→「米原ルート容認」とも取れる一方、実際には慎重な条件付き発言といえそうです。
滋賀県知事は「米原ルート推し」なのか?
結論から言うと、
滋賀県が米原ルートを積極的に歓迎しているわけではありません。現在でも「小浜・京都ルート」を支持しています。
知事の発言のポイントは、
- 県として求めているわけではない
- 県民負担が生じる形は避けたい
という点にあります。
ただし同時に、
- 国家プロジェクトとして正式に決定され
- 県に過度な負担が生じず
- 在来線(湖西線・北陸本線)のJR運行が維持される
という“条件付き”であれば、議論の余地はある
という姿勢も示しています。
このあたりが「米原ルート容認か?」と受け取られた理由でしょう。
滋賀県が最も気にしているのは「在来線」
滋賀県が北陸新幹線の延伸ルートをめぐって強く意識しているのが、
湖西線や北陸本線といった在来線の将来です。
なお、滋賀県知事は
「小浜・京都ルートとなった場合についても、滋賀県内に並行在来線は生じない」
との立場を示しています。
それでも知事が在来線への言及を続けるのは、
将来的なダイヤのあり方や運行本数、JRの関与の形など、
「制度上は並行在来線がなくても、影響が及ぶ可能性」を強く意識しているためと考えられます。
新幹線が別ルートで整備されると、
並行在来線がJRから切り離され第三セクター化される可能性
が全国で問題になってきました。
滋賀県にとって湖西線・北陸本線は、新快速が大阪方面へ乗り入れていることもあり
- 通勤・通学
- 観光
- 生活インフラ
としての役割が非常に大きく、
「新幹線のために在来線が弱体化する」ことは避けたい
というのが本音です。
知事が繰り返し「JR運行の維持」に言及する背景には、この強い危機感があります。
「米原ルートなら滋賀は得をする?」という誤解
鉄道ファン目線では、
「米原で新幹線に乗り換えられるなら便利では?」
と思いがちですが、自治体目線では話は別です。
- 建設費や関連負担はどうなるのか
- 在来線の経営は守られるのか
- 県内にどれだけ直接的な効果があるのか
これらが不透明なままでは、
“通過されるだけの新幹線”になる可能性も否定できません。
滋賀県が慎重な姿勢を崩さないのは、決して消極的だからではなく、
「県民生活を守る視点」を最優先しているから、とも言えそうです。
まとめ
- 滋賀県知事は米原ルートを積極的に望んでいるわけではない
- ただし、
- JR在来線の運行維持
- 県民負担が生じないこと
などの条件次第では、完全否定ではない
- 滋賀県にとって最大の関心事は新幹線そのものより在来線の将来
「どのルートが一番便利か」ではなく、
「どのルートなら地域が持続できるか」
——その視点で見ると、滋賀県の発言も少し違って見えてきます。また、滋賀県知事の立場としては当然の発言のように思われます。
