JR北海道は2026年9月12日(土)、札幌市東区にある苗穂工場で「JR苗穂工場一般公開」を開催します。
普段はなかなか見ることのできない鉄道車両の検修作業や工場設備を見学できるほか、車両機器の取り外し作業、車両移動作業、ミニSL体験乗車など、鉄道を身近に感じられるイベントが多数予定されています。
その中でも注目したいのが、C62-3の牽引体験乗車です。
C62-3といえば、かつて函館本線の「山線」を走った蒸気機関車。1988年に復活した「C62ニセコ号」を牽引し、小樽~ニセコ間を走ったことで、現在でも多くの鉄道ファンに知られている車両です。
今回は本線を走るわけではありませんが、苗穂工場の構内でC62-3が動く姿を見ることができます。
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2026年9月12日に苗穂工場一般公開を開催
「JR苗穂工場一般公開」は、2026年9月12日(土)の午前9時30分から午後3時まで開催されます。
会場はJR北海道苗穂工場。入場は無料です。
苗穂駅北口から会場正門までは徒歩約10分、約700mとなっており、JRでアクセスする場合は苗穂駅の利用が便利です。
なお、会場に駐車場は用意されていません。JR北海道も公共交通機関を利用して来場するよう案内しています。
今回の一般公開では、次のようなイベントが予定されています。
- C62-3牽引体験乗車(整理券配布)
- ミニSL体験乗車
- 車両機器取外し作業
- 車両移動作業
- 工場見学ツアー(人数限定・先着順)
- スタンプラリー(先着500名)
- 遊びの広場
- お絵描き列車
- 台車枠・車輪組込
- 機関車展示・記念撮影
- レール溶接作業
- 北海道鉄道技術館公開
- 火災予防コーナー
- 交通安全啓発コーナー
- 健康チェック
このほか、会場にはキッチンカーも登場し、ロングポテトやクレープ、ソフトクリーム、ケバブなどの販売も予定されています。
注目は「C62-3牽引体験乗車」
今回の苗穂工場一般公開で特に注目したいのが「C62-3牽引体験乗車」です。
C62-3は、1948年に製造されたC62形蒸気機関車で、1956年には北海道へ渡り、小樽築港機関区に配置されました。
北海道では函館本線の「山線」を中心に活躍。現在のように室蘭本線・千歳線経由のルートが主流となる前の北海道では、函館と札幌を結ぶ重要なルートだった函館本線山線で、急行列車などを牽引しました。
その後、蒸気機関車の営業運転終了に伴って廃車・保存されましたが、国鉄からJR北海道へ移行する時期に大きな転機を迎えます。
C62-3は動態復元され、1988年4月29日、函館本線の小樽~倶知安間で「C62ニセコ号」として復活運転を開始しました。
「C62ニセコ号」として山線を走ったC62-3
「C62ニセコ号」は、かつて蒸気機関車が走っていた函館本線山線にC62-3を復活させた列車です。
運転開始当初は小樽~倶知安間でしたが、その後はニセコまで運転区間を延長。小樽から余市、仁木、然別、銀山、小沢、倶知安を経てニセコへ向かう山線を、旧型客車を牽引して走りました。
鉄道友の会北海道支部の資料によると、「C62ニセコ」は1988年から1989年にかけて小樽~倶知安間、1989年から1995年までは小樽~ニセコ間で運転されています。
1995年11月3日を最後に運転を終了しましたが、約7年半にわたって山線を走ったC62-3は、国鉄時代の蒸気機関車を知る世代だけでなく、昭和末期から平成初期の鉄道ファンにとっても非常に印象深い存在となりました。
現在はJR北海道苗穂工場内で保存されており、一般公開では構内を走行する姿が披露されることがあります。
実はC62-3は北海道へ渡る前、岡山にも縁のある機関車でした。1948年に日立製作所笠戸工場で製造されたC62-3は糸崎機関区に新製配置された後、岡山機関区へ貸し出された記録があります。その後、1950年に梅小路機関区へ転属し、東海道本線・山陽本線を中心に活躍。1956年に北海道へ渡り、函館本線山線で急行「ニセコ」などを牽引しました。
C62-3の詳しい車歴については、蒸気機関車の保存車両を紹介する「日本にある蒸気機関車」の「C62 3」ページでも確認できます。
現在のC62-3は本線を走らないものの「動く姿」を見られる
今回の「C62-3牽引体験乗車」は、かつての「C62ニセコ号」のように火を入れた蒸気機関車が函館本線を走るものではありません。
それでも、保存されているC62-3が構内を移動し、その姿を間近で見ることができるのは貴重な機会です。
過去の苗穂工場一般公開でもC62-3の牽引運転が行われており、2024年の一般公開でも、C62-3と旧型客車を連結した構内運転が実施されています。
現在のC62-3は本線営業運転を行っていないため、「C62-3が走る姿」を見られる機会そのものが貴重になっています。
特にかつて「C62ニセコ号」に乗った方や、函館本線山線でC62-3を撮影した方にとっては、当時を思い出させてくれるイベントになりそうです。
「山線」の歴史を伝える車両としても注目
alt="羊蹄山をバックに函館本線山線を走るH100形" class="wp-image-14071"/>2026年現在、函館本線の長万部~小樽間を指す「山線」は、大きな転換点を迎えています。
北海道新幹線の新函館北斗~札幌間が開業すると、並行在来線となる函館本線の長万部~小樽間については、鉄道としての存続をめぐって大きく状況が変わることになります。
かつてC62-3が力強く峠越えに挑んだ山線は、現在では電車や気動車が走る路線となっていますが、C62-3はその歴史を伝える貴重な存在です。
そう考えると、苗穂工場で保存されているC62-3を見ることは、単に蒸気機関車を見るだけではなく、北海道の鉄道史や函館本線山線の歴史を振り返る機会にもなります。
鉄道技術館や工場設備も見学できる
苗穂工場一般公開では、C62-3だけが見どころではありません。
車両機器の取り外し作業や車両移動作業、台車枠・車輪組込、レール溶接作業など、普段は見る機会の少ない鉄道車両のメンテナンスに関する展示・実演が予定されています。
また、工場内にある北海道鉄道技術館も公開されます。
鉄道車両そのものだけでなく、「鉄道を安全に走らせるためにどのような仕事が行われているのか」を知ることができるのも、工場一般公開ならではの魅力です。
小学生以下を対象とした「お絵描き列車」や遊びの広場も予定されているため、鉄道ファンだけでなく、家族で楽しめるイベントになっています。
苗穂工場では、こうした歴史的な車両だけでなく、現在のJR北海道を支えるディーゼル機関車も見ることができます。JR北海道では、国鉄から引き継いだDE10形の置き換えも進められており、DD200形が順次運用を開始しています。JR北海道のDE10形とDD200形の置き換えについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
2026年9月12日は苗穂工場へ
2026年の「JR苗穂工場一般公開」は、9月12日(土)9時30分から15時まで開催されます。
なかでも注目は、函館本線山線で「C62ニセコ号」を牽引したC62-3の牽引体験乗車。
1988年に復活し、1995年まで山線を走り続けたC62-3が、現在も苗穂工場で大切に保存されています。
かつて小樽~倶知安・ニセコ間を走った姿を知っている人にとっては懐かしく、初めて見る人にとっては北海道の鉄道史を感じられる貴重な機会です。
また、工場見学や北海道鉄道技術館、車両メンテナンス作業の公開なども予定されているため、C62-3を目的に訪れる鉄道ファンはもちろん、家族での鉄道イベントとしても楽しめそうです。
ただし、C62-3牽引体験乗車は整理券配布となるため、参加を希望する場合は早めの来場を検討したいところです。
なお、イベントは天候などの状況によって中止・内容変更となる場合があります。また、会場に駐車場はありませんので、JR苗穂駅など公共交通機関を利用して訪れるのがおすすめです。
なお、札幌では翌週の9月19日(土)にも「第33回 鉄道フェスティバル in 北海道」が開催されます。札幌市北3条広場「アカプラ」を会場に、JR北海道やJR貨物、道南いさりび鉄道、札幌市交通局などが参加する鉄道イベントです。苗穂工場一般公開とあわせて、9月の北海道旅行で鉄道を楽しみたい方はチェックしておきたいイベントです。
JR苗穂工場一般公開2026 概要
開催日: 2026年9月12日(土)
開催時間: 9時30分~15時00分
会場: JR北海道苗穂工場
入場料: 無料
アクセス: JR苗穂駅北口から徒歩約10分
注目イベント: C62-3牽引体験乗車、ミニSL体験乗車、工場見学ツアー、北海道鉄道技術館公開など
注意事項: 駐車場なし。C62-3牽引体験乗車は整理券配布。天候などにより内容変更・中止の場合あり。

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