JR東日本など鉄道事業者7社(JR東日本・京成電鉄・京浜急行・仙台空港鉄道・東京モノレール・東武
鉄道・北総鉄道)は、2027年春からQRコードを使用した乗車券のサービスを開始すると発表しました。
これまで自動改札機に投入していた磁気乗車券をQR乗車券に置き換え、改札機にかざして利用する方式に変更します。
今回は、7社で同時期にサービスを開始することになりました。今後は、ほかの鉄道事業者にも導入が広がる可能性があります。
JR東日本ホームページ
2027年春からQR乗車券を導入する鉄道事業者7社
今回発表されたのは、次の7社です。
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 京成電鉄
- 京浜急行電鉄
- 仙台空港鉄道
- 東京モノレール
- 東武鉄道
- 北総鉄道
QR乗車券は、7社の全路線・全駅で利用できる予定です。ただし、駅に設置されている機器によって利用方法が異なります。
なお、2027年度以降にサービスを開始する事業者については、決まり次第、各社から発表される予定です。
当初の8社から枠組みが変わりました
なお、2024年5月の発表では、8社が磁気乗車券からQR乗車券への置き換えを進めるとしていました。
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 京成電鉄
- 京浜急行電鉄
- 新京成電鉄
- 西武鉄道
- 東京モノレール
- 東武鉄道
- 北総鉄道
このうち、新京成電鉄は2025年4月1日に京成電鉄に吸収合併されています。今回の鉄道事業者に第三セクターの仙台空港鉄道が加わっていますが、株主の中にJR東日本が入っていますのであり得ることだと思います。
一方で、今回の発表では西武鉄道が参加事業者に含まれていません。西武鉄道もタッチ決済やQRコードを使ったデジタル企画乗車券の導入を進めており、磁気乗車券を順次廃止する方針を示しています。
西武鉄道が今回の共同サービスに参加しない理由は明らかになっていませんが、各社で乗車券システムの整備方針が異なっていることも、今後の動向を考えるうえで注目されます。
磁気乗車券からQR乗車券へ 改札の通り方も変更
これまで一般的な紙のきっぷは、裏面に磁気情報を持つ磁気乗車券でした。自動改札機にきっぷを投入し、改札機内部で読み取る仕組みです。
2027年春から導入されるQR乗車券では、きっぷに印刷されたQRコードを自動改札機にかざして入場します。出場時もQRコードをかざし、きっぷは改札機に設置された回収箱へ投入します。
きっぷ自体がなくなるわけではなく、紙のきっぷを利用する場合の改札の通り方が変わることになります。
また、券売機から発行されるQR乗車券は、一部を除いて縦85mm・横57.5mmの大型券となる予定です。現行の磁気乗車券は縦57.5mm・横30mmなので、きっぷのサイズも大きくなります。
ただし、QR乗車券に対応した自動改札機が設置されていない駅では、有人窓口を利用する必要があります。具体的な利用方法については、今後各社から案内される予定です。
なぜ磁気乗車券からQR乗車券へ置き換えるのか
今回の取り組みは、将来にわたって持続可能な鉄道サービスを提供するためのものです。
磁気乗車券に対応した自動改札機では、きっぷが詰まるなどのトラブルが発生する可能性があります。また、使用済みのきっぷをリサイクルする際には、磁気層を分離して処理する必要があります。
QR乗車券への置き換えによって、こうした課題の解消が期待されます。
一方、鉄道各社はSuica・PASMOなどの交通系ICカードや、モバイルSuica・モバイルPASMOといったチケットレスサービスの利便性向上にも取り組んでいます。
QR乗車券は、交通系ICカードを持っていない人や、紙のきっぷを利用したい人にとっても重要な選択肢となりそうです。
QRコード導入後については鉄道事業ごとに異なる対応
なお、磁気乗車券からQR乗車券への移行が進む一方で、クレジットカードのタッチ決済への対応など、今後の乗車サービスは鉄道事業者によって違いが見られます。
京成電鉄・北総鉄道はクレカタッチに対応していませんし、JR東日本は「導入予定はありません」と発表しています。
また、東京モノレール・仙台空港鉄道もクレカタッチに未対応です。
北総鉄道では、2027年3月頃に磁気乗車券の発売を終了し、普通乗車券をQR乗車券へ移行する予定です。一方、磁気乗車券の取り扱いやクレジットカードのタッチ決済への対応は、事業者ごとにある将来の姿の違いもあり各社で異なります。
詳しくは、こちらの記事でも紹介しています。
今後はほかの鉄道事業者にも広がるのか
今回の発表で気になるのは、今後の導入拡大です。
2024年5月には、鉄道事業者8社が磁気乗車券からQR乗車券への置き換えについて発表していました。その後、今回の発表では2027年春からサービスを開始する7社が明らかになりました。
7社は、相互直通運転などで関係するほかの鉄道事業者とも必要な調整を進めています。2027年度以降にサービスを開始する事業者についても、決まり次第発表するとしています。
ただし、ほかの鉄道事業者への導入時期や、会社をまたいで利用するきっぷの取り扱いなど、詳細が決まっていない部分もあります。
QR乗車券への移行が進めば、自動改札機や使用済みきっぷの処理方法など、駅の設備にも変化が生じることになります。
今後、どの鉄道事業者が導入に加わるのか、また利用者にとって使いやすい仕組みになるのか、引き続き注目したいところです。
