JR西日本は2026年10月26日、能登半島の復興に向けた取り組みを発表しました。七尾線では、現在特急「能登かがり火」に使用している683系をリニューアルし、新たな観光特急列車として運転する計画です。
一方、金沢駅と和倉温泉駅を結ぶ観光列車「花嫁のれん」は、車両の経年により2028年夏ごろに運転を終了することになりました。
能登方面への観光需要の回復を目指すなかで、七尾線の特急列車は新たな段階を迎えることになります。
JR西日本ホームページ
「能登かがり火」用683系をリニューアル 新たな観光特急に
今回の発表で注目したいのが、現在、金沢駅と七尾駅・和倉温泉駅を結ぶ特急「能登かがり火」に使用している683系を活用した、新たな観光特急列車の計画です。
JR西日本は、「能登かがり火」用の683系3両編成2本を改造し、新たな観光特急列車として運転する方針を明らかにしました。
新しい列車は3両編成で、そのうち1両を特別車両とする計画です。車両デザインは、七尾市和倉町出身のデザイナー、モリモトシンゴ氏が監修します。
運転区間は金沢駅~和倉温泉駅間を予定しており、第1編成は2029年前半のデビューを目指します。
列車名や具体的な運行内容などについては、今後、詳細が発表される予定です。
自由席が廃止となりグリーン車(スーペリアグリーン車)が設定?
現在、「能登かがり火」は、指定席2両・自由席1両での運行となっています(6両編成の場合は、指定席2両・自由席4両で運転)。
JR西日本では、特急列車の全席指定席化を進めています。例えば、岡山地区では「やくも」「スーパーいなば」が2024年のダイヤ改正から全席指定席となっています。また、2027年春からは、山陰地区の「スーパーまつかぜ」「スーパーおき」・四国と本州を結ぶ「しおかぜ」「南風」が全席指定席となります。
JR西日本の在来線特急列車で自由席が残るのは、「はるか」「南紀」「ひだ」「能登かがり火」だけになります。
「はるか」は、飛行機が遅れた場合に自由席を残しておかないと関西空港駅の「みどりの窓口」が対応できなくなる可能性があるため全席指定席にはしないと思われます。
「南紀」「ひだ」については、JR東海との関係がありますので全席指定席に変更する際は、調整が必要になります。ただし、繁忙期(年末年始・ゴールデンウィーク・お盆・シルバーウィーク、ただし「のぞみ」と違い3連休は対象外)は、全席指定席で運行していますので近いうちに全席指定席に移行するかもしれません。
今の特急列車の全席指定席化の流れからすると「能登かがり火」が全席指定席に変更されても不思議はありません。最近増えている自由席でのトラブル・指定席化による増収分を考えた場合「能登かがり火」も近いうちに自由席が廃止される気がします。
また、今回のプレスリリースでは、「特別車両」という表現を使っている点も気になります。そのため、グリーン車ではなく「はなあかり」に設定されている「スーペリアグリーン車」の導入の可能性も考えられます。
これらの点については、発表から推測したことですのでJR西日本からの発表を待ちたいと思います。
既存の683系を活用して観光特急に
新たな観光特急は、既存の683系を改造して投入する点も特徴です。
新造車両を導入するのではなく、現在の特急列車で使用している車両を活用しながら、観光需要に対応した列車へと生まれ変わらせます。
3両編成のうち1両を特別車両とすることで、通常の特急列車とは異なる乗車体験を提供することが期待されます。
ただし、特別車両の設備や座席、料金、食事サービスなどの詳細は、今後の発表を待つ必要があります。
「花嫁のれん」は2028年夏ごろに運転終了へ
新たな観光特急の投入が計画される一方、現在運転されている観光列車「花嫁のれん」は、2028年夏ごろに運転を終了することになりました。
JR西日本は、運転終了の理由について車両の経年を挙げています。「花嫁のれん」は国鉄型気動車キハ48系を使用していますので経年劣化が激しいと思いますし、北陸の厳しい冬を考えた場合や仕方ないことでしょう。
「花嫁のれん」は、金沢駅と和倉温泉駅を結ぶ観光列車です。北陸の伝統工芸である輪島塗や加賀友禅をイメージした車両デザインが特徴で、車内でも北陸の食や伝統文化を楽しめる列車として運転されています。
能登半島地震の影響を受けて一般向けの運転が休止された時期もありましたが、2026年には一般発売が再開され、10月からは1日2往復の運転に戻っています。
運転再開後に再び利用できるようになった「花嫁のれん」ですが、2028年夏ごろにはその役目を終える予定です。
なお、運転終了までの具体的な運転日や最終運転日については、今後の発表を確認する必要があります。
大阪→和倉温泉間の団体列車として敦賀~金沢間に特急列車が復活
先日報道にあった、大阪→和倉温泉間で運転される団体列車について公式発表が行われました。プレスリリースでは、「サンダーバード」という名称を使用していないので列車名が何になるかも注目されます。
- 運行区間:大阪駅発→和倉温泉駅着(新大阪駅・京都駅からの乗車も可能)
- 運行時期:2027年春・夏・秋の各シーズン1本運行
- 運転時刻:大阪~和倉温泉まで、概ね5時間半程度を予定
- 使用車両:「能登かがり火」型車両(683系)3両で運行
金沢車両区の「能登かがり火」で使用される683系は、吹田総合車両所本所で検査を行っているため検査後の回送を団体列車として使用するものだと思われます。
定期列車としての大阪~金沢間の特急列車については、復活は難しいと思われます。
七尾線の観光列車は新たな世代へ
今回の発表では、新たな観光特急の導入と「花嫁のれん」の運転終了が明らかになりました。
両列車は同じ金沢駅~和倉温泉駅間を走る計画ですが、車両やサービスの内容は異なります。
「花嫁のれん」が北陸の伝統工芸や食を楽しむ観光列車であるのに対し、新たな観光特急は「能登かがり火」用の683系を改造して導入される計画です。
新たな列車の詳細はこれから明らかになりますが、既存の特急車両を活用しながら観光向けのサービスを強化する取り組みとして注目されます。
また、能登半島地震からの復興を目指すなかで、鉄道が地域への移動手段としてだけでなく、能登を訪れるきっかけとなることも期待されます。
まとめ
JR西日本は、七尾線の観光特急列車を再編する計画を発表しました。
- 「能登かがり火」用683系3両編成2本を改造
- 新たな観光特急は3両編成で、うち1両を特別車両とする計画
- 運転区間は金沢駅~和倉温泉駅間
- 第1編成は2029年前半のデビューを目指す
- 観光列車「花嫁のれん」は車両の経年により2028年夏ごろ運転終了
七尾線では、現在の観光列車から新たな観光特急へと世代交代が進むことになります。
今後発表される新しい列車のデザインや車内設備、運行計画にも注目したいところです。
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