JR北海道の花咲線(根室本線)にある別当賀駅について、駅そのものの廃止が検討されています。
北海道新聞によると、JR北海道は別当賀駅について、自治体側に廃止を打診しています。
別当賀駅は現在も営業している駅で、2026年3月のダイヤ改正後も快速「はなさき」が停車しています。それだけに、快速列車の停車駅でありながら、1日の乗車人員がわずか0.4人という利用状況は、花咲線を取り巻く厳しい現状を象徴しているともいえそうです。
JR北海道 花咲線の別当賀駅廃止を打診 住民「代替交通ない」「観光客も利用」と存続求める
北海道新聞ホームページ
JR北海道では2027年春に向けて、利用者の少ない駅の廃止に向けた協議が進められています。現在確認されている駅についてはこちらの記事でまとめています。
花咲線の別当賀駅とは
別当賀駅は、北海道根室市にある花咲線の駅です。
花咲線は、釧路駅と根室駅を結ぶ135.4kmの路線で、根室本線の末端区間にあたります。
太平洋沿岸を走る列車からは、北海道らしい雄大な風景を楽しめることでも知られており、鉄道ファンだけでなく、観光目的で乗車する人もいる路線です。
一方で、沿線の人口減少などから利用者が少ない駅も多く、駅の維持については以前から課題となっています。
別当賀駅もその一つです。
今回、JR北海道が自治体側に廃止を打診した背景には、利用状況の厳しさがあります。
別当賀駅の1日の乗車人員は、わずか0.4人。
単純に考えると、毎日利用する人がいるという規模ではなく、駅を維持していくことの難しさが数字からも分かります。
快速「はなさき」は別当賀駅に停車
今回のニュースで興味深いのは、別当賀駅が単なる普通列車だけの駅ではないことです。
2026年3月のダイヤでは、快速「はなさき」が別当賀駅に停車しています。
快速「はなさき」は、根室方面と釧路方面を結ぶ花咲線の代表的な快速列車です。
一方、快速「ノサップ」は別当賀駅を通過しています。
つまり、同じ花咲線の快速列車でも「はなさき」と「ノサップ」で別当賀駅の扱いが異なっています。
その別当賀駅について、駅そのものの廃止が打診されていることになります。
駅の利用者が非常に少ないことを考えれば、JR北海道としても駅の維持について検討せざるを得ない状況なのかもしれません。
「廃止の打診」であり、現時点では廃止決定ではない
ここで注意したいのが、今回のニュースは別当賀駅の廃止が決定したというものではないという点です。
JR北海道から自治体側に廃止の打診があった段階であり、今後どのような結論になるのかは現時点では分かりません。
ローカル線の駅をめぐっては、利用者が少ないことを理由にJR側が自治体へ廃止を提案し、その後、自治体との協議によって存続するケースもあります。
反対に、自治体側が駅の維持費を負担することが難しい場合などには、最終的に廃止となるケースもあります。
そのため、今回の別当賀駅についても、今後の協議が注目されます。
花咲線では駅の廃止が続いている
花咲線では、近年も駅をめぐる動きが続いています。
2016年以降花咲線では、駅の廃止が続き4つの駅が廃止となっています。
- 花咲駅(2016年3月26日廃止)
- 初田牛駅(2019年3月16日廃止)
- 糸魚沢駅(2022年3月12日廃止)
- 東根室駅(2025年3月15日廃止)
そうした中で、今回の別当賀駅にも廃止の打診があったことになります。
花咲線では列車そのものの運行を維持するだけでなく、駅をどのように維持していくのかという問題も大きくなっています。
観光路線としての花咲線をどう維持するか
alt="キハ40-1779「道東・森の恵み」" class="wp-image-13737"/>花咲線は、単純に沿線住民の移動手段としてだけでなく、観光路線としても魅力があります。
釧路から根室へ向かう列車では、太平洋を望む区間や北海道らしい自然の中を走る区間があり、都市部の鉄道路線とは違った旅を楽しむことができます。
特に鉄道ファンにとっては、花咲線そのものが訪れてみたい路線の一つでしょう。
しかし、実際にはダイヤ改正の際に減便が続きており釧路から日帰り観光をするにあたっては訪問できる観光地の数が少なっています。特に、2025年度のダイヤ改正では始発列車・最終列車の時刻が大幅に繰り上げられました。
しかし、観光客が利用する駅と、日常的な利用者がほとんどいない駅では、駅を維持する意味合いも変わってきます。
別当賀駅についても、1日の乗車人員が0.4人という数字だけを見れば、駅の維持が非常に厳しいことは間違いありません。
リンク:駅別乗車人員(特定日調査:平日)
- 花咲線(釧路駅~根室駅間) 特定日調査(平日)による1日の乗車人員
| 駅 | 乗車人員 | 駅 | 乗車人員 | 駅 | 乗車人員 |
| 釧路 | 685.4 | 門静 | 8.2 | 別当賀 | 0.4 |
| 東釧路 | 114.4 | 厚岸 | 102.6 | 落石 | 6.4 |
| 武佐 | 3.0 | 茶内 | 11.0 | 昆布盛 | 1.8 |
| 別保 | 2.2 | 浜中 | 3.2 | 西和田 | 3.2 |
| 上尾幌 | 3.6 | 姉別 | 3.0 | 東根室 | 7.4 |
| 尾幌 | 3.0 | 厚床 | 5.8 | 根室 | 62.6 |
一方で、駅がなくなれば、列車で別当賀駅を利用するという選択肢そのものが失われます。
ローカル線の駅を考えるときには、現在の利用者数だけでなく、将来的な観光利用や地域交通としての役割も含めて考える必要がありそうです。
まとめ 今後の協議に注目
今回、JR北海道から別当賀駅の廃止が打診されたことで、花咲線の駅を取り巻く状況が改めて注目されることになりそうです。
2026年3月のダイヤでは快速「はなさき」が停車する別当賀駅ですが、1日の乗車人員は0.4人。
列車が停車していても、利用者がほとんどいなければ駅を維持することは簡単ではありません。
とはいえ、現時点ではあくまで「廃止の打診」です。
今後、JR北海道と自治体側との間でどのような協議が行われ、別当賀駅が存続するのか、それとも廃止となるのか、引き続き動向を見守りたいところです。
花咲線は、北海道東部の地域交通を支える路線であると同時に、雄大な風景を楽しめる観光路線でもあります。
別当賀駅をめぐる今回の動きは、一つの駅の存廃だけでなく、利用者の少ないローカル線の駅を今後どのように維持していくのかを考えるきっかけにもなりそうです。
現在、花咲線では電子チケットでの「花咲線フリーパス」(2027年2月28日まで)・海側を指定席に設定したキハ40形の増結(2026年8月31日まで)といった取り組みを行っています。


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