減便と東根室駅の廃止が影響? 花咲線の2025年度輸送密度は201人に 別当賀駅の利用者は0.2人

花咲線(根室本線) 茶内駅 キハ54系 JR北海道

JR北海道が公表した2025年度の線区別データによると、釧路~根室間を結ぶ花咲線(根室本線)の輸送密度は201人となりました。

2024年度は217人だったため、1年間で16人減少しています。

花咲線では2025年3月に減便を伴うダイヤ改正が行われたほか、日本最東端の駅として知られていた東根室駅も同じタイミングで廃止されました。

さらに、以前の記事で取り上げた別当賀駅の1日平均乗車人員は0.4人から0.2人に減少しています。

花咲線の利用状況は、さらに厳しくなっているようです。

2025(令和7)年度線区データ

2024(令和6)年度線区データ

JR北海道ホームページ

花咲線の輸送密度は217人から201人へ

JR北海道の資料によると、花咲線の輸送密度は2024年度の217人から、2025年度は201人となりました。

年度輸送密度
1975年度(国鉄時代)1,879人
1987年度(JR北海道発足)1,006人
2021年度174人
2022年度190人
2023年度221人
2024年度217人
2025年度201人

2025年度は前年から16人、率にすると約7.4%の減少です。

一方、長期的に見ると花咲線の輸送密度はかなり大きく減少しています。

JR北海道の資料では1975年度の輸送密度として1,879人という数字も掲載されています。

ただし、1975年は国鉄時代であり、現在の花咲線と同じ区間・同じ方法で算出された数字なのかは確認が必要です。

別当賀駅の利用者は0.4人から0.2人に

今回、特に気になったのが別当賀駅です。

私は2026年8月の記事で、JR北海道から廃止の打診が行われている駅として別当賀駅を取り上げました。

その際に紹介した2024年度のデータ(2020年度~2024年度の5年間の平均)では、別当賀駅の1日平均乗車人員は0.4人でした。

ところが、2025年度のデータ(2021年度~2025年度の5年間の平均)では0.2人となっています。

つまり、単純比較すると半分になりました。

1日平均0.2人という数字は、毎日利用者がいるという状況ではありません。

単純に年間365日で計算すれば約73人です。

もちろん、JR北海道が公表している駅別乗車人員は、特定日の平日に行った調査に基づく数字なので、年間の実際の利用者数をそのまま示しているわけではありません。

それでも、別当賀駅の利用状況が非常に厳しいことを示す数字であることには変わりありません。

前回の記事で「1日の乗車人員は0.4人」と紹介したばかりですが、今回のデータではさらに少なくなっています。

東根室駅は2025年3月15日に廃止

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2025年3月15日に廃止されたJR北海道花咲線 東根室駅

花咲線では2025年度を迎える直前に、大きな変化もありました。

それが東根室駅の廃止です。

東根室駅は日本最東端の駅として知られていましたが、2025年3月15日に廃止されました。

東根室駅の廃止については、単に駅の利用者が少なかったというだけではありません。かつては根室高校へ通学する生徒の利用がありましたが、近年はバスによる通学への移行が進みました。

根室市の資料では、以前は根室高校への鉄道通学者が確認されていましたが、根室高校前まで運行するバスの整備などによって、通学生のバス利用が増加。東根室駅の主な利用者だった高校生が鉄道から離れたことが、駅の利用減少につながったと考えられます。

2024年度のJR北海道の資料には東根室駅が駅別乗車人員の対象として掲載されており、同時に「東根室駅は2025年3月15日に廃止しております」と注記されています。

一方、2025年度の資料では東根室駅は駅別乗車人員の対象から外れています。

そのため、2024年度と2025年度を比較すると、花咲線では東根室駅が利用できる年度から、廃止された年度へ移行したことになります。

東根室駅の廃止が輸送密度の16人減少にどの程度影響したのかまでは、今回の資料だけでは判断できません。

しかし、利用可能な駅が一つ減ったことは、花咲線にとって大きな変化だったといえるでしょう。

減便後の花咲線、利用者はどう変わった?

もう一つ注目したいのが列車本数です。

JR北海道の資料では、花咲線の定期列車本数の推移も掲載されています。2025年度の資料には、2025年度の列車別乗車人員も掲載されています。

2025年度は、東根室駅の廃止だけでなく、列車の運転本数や運転時間帯も変化しています。

利用者が少ないから列車を減らす。

そして、列車が減ることで「利用したい時間に列車がない」という状況が生まれれば、さらに利用者が減る。

地方ローカル線では、こうした悪循環が問題になります。

もちろん、今回の輸送密度が217人から201人に減少した理由を、減便や東根室駅の廃止だけに求めることはできません。

沿線人口の減少や自動車への利用転換、通勤・通学需要の変化、観光利用など、さまざまな要因が関係していると考えられます。

利用者が減少している一方、JR北海道は観光利用を促す取り組みも行っています。

一方で、花咲線では利用者を増やすための取り組みも行われています。JR北海道は2026年度も、釧網本線・花咲線を3日間乗り降り自由となるフリーパスを発売しています。

2026年7月・8月には、JR北海道では定期運用が終了したキハ40形「紫水号」を花咲線で増結用車両として運行しました。

花咲線はさらに厳しい状況に

花咲線は釧路と根室を結ぶ重要な鉄道路線です。

一方で、輸送密度は201人まで減少し、別当賀駅の1日平均乗車人員は0.2人。

さらに2025年3月には東根室駅が廃止されました。

別当賀駅についても、JR北海道から廃止の打診が行われていることを以前の記事で紹介しています。

今回の2025年度データを見ると、その別当賀駅の利用者が0.4人から0.2人へ減少していることも分かりました。

「駅の利用者が少ないから廃止を検討する」という流れと、「駅がなくなることで鉄道を利用できる場所が減る」という流れ。

花咲線では、こうした問題が同時に進んでいるようにも見えます。

今回の輸送密度201人という数字だけで今後を判断することはできませんが、東根室駅廃止後、そして減便後の花咲線が今後どのような利用状況になっていくのかは気になるところです。

別当賀駅を含め、利用者の少ない駅についても、今後の動きに注目したいと思います。

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