駅に公衆電話がある。
私くらいの世代だと、そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
駅の改札付近やコンコースに公衆電話が並び、待ち合わせの連絡や家族への電話などに利用する。携帯電話が普及する前には、駅の公衆電話は身近な存在でした。
ところが、その公衆電話が都営地下鉄の駅から姿を消すことになります。
東京都交通局
2028年11月までに都営地下鉄の駅から公衆電話を撤去
東京都交通局は2026年9月29日、都営地下鉄の駅構内に設置している公衆電話について、2028年11月までにすべて撤去すると発表しました。
撤去後に公衆電話が必要な時は、NTT東日本のサイトで確認するように書かれています。
背景にあるのは、携帯電話の普及などによって公衆電話の利用が減少していることです。
駅を利用していても、公衆電話を探して電話をかけるという機会は以前と比べて大きく減りました。
スマートフォンを持っていれば、その場で電話をかけたり、インターネットで調べたりできます。
時代を考えれば、公衆電話の利用が減っていくのは自然な流れなのかもしれません。
ただ、「駅から公衆電話がなくなる」と聞くと、少し気になることがあります。
それが非常時です。
災害や通信障害のときは大丈夫?
携帯電話が普及した現在でも、公衆電話には災害時の通信手段という役割があります。
特に地下にある駅では、場所によって携帯電話の電波が届きにくいことがあります。
東京都交通局も、都営地下鉄の携帯電話サービスについて、駅や路線によって利用できる場所が異なることを案内しています。
普段はスマートフォンがあれば困らなくても、災害や大規模な通信障害など、普段と違う状況になったときにはどうなるのか。
「公衆電話がなくなって大丈夫なのだろうか」と感じるのは、私だけではないかもしれません。
もっとも、公衆電話がなくなるからといって、駅で非常時の連絡手段がすべてなくなるわけではありません。
駅には駅員への連絡手段や非常通報設備など、公衆電話とは別の設備があります。
今回の撤去も、そうした駅の設備全体を考えた上でのものなのでしょう。
東京都交通局は、撤去後に公衆電話を利用したい場合には、駅周辺に設置されている公衆電話を利用するよう案内しています。
「駅に公衆電話」が当たり前だった時代
私が鉄道に興味を持つようになった頃には、駅と公衆電話はかなり身近な存在でした。
列車に乗る前に電話をかける。
待ち合わせ相手に「駅に着いた」と連絡する。
携帯電話を持っていなければ、駅の公衆電話を使う。
今ではスマートフォンで簡単にできることですが、当時は公衆電話が重要な連絡手段でした。
そう考えると、都営地下鉄の駅から公衆電話がすべて撤去されるというのは、単なる設備更新というより、時代の変化を感じさせるニュースです。
もちろん、公衆電話をほとんど使わない人にとっては、撤去されても困ることはないでしょう。
一方で、非常時の通信手段として考えた場合には、駅から公衆電話がなくなることについて、少し気にしておきたいところです。
これから先、駅の公衆電話を見かける機会はさらに減っていくのでしょう。
「駅には公衆電話がある」というのも、いつの間にか過去の鉄道風景になっていくのかもしれません。

