1日12.5往復、日中は最大5時間以上運転なし…長崎本線(肥前鹿島~肥前大浦)で定期券+200円バス乗車の実証実験

YC1系と811系 江北駅 JR九州

佐賀・肥前鹿島と肥前大浦を結ぶJR長崎本線の一区間。
ここでは、1日にわずか12.5往復しか列車が走らず、日中は最大で5時間以上も列車が来ない時間帯が発生している――そんな“本数の少なさ”が地元の高校生や通勤利用者の悩みになっていました。

この区間で一番列車本数が少ない多良駅~肥前大浦駅では、下り列車(長崎方面)が多良駅8:52発の次が14:12発となっています。

そんな中、2026年7月1日から10月31日までの約4か月間、JR九州がちょっと面白い取り組みをスタートさせました。それが今回の…

「モーダルミックス実証実験」

…です。

祐徳バス太良線、JR九州長崎本線におけるモーダルミックス実証実
験の実施について

JR九州ホームページ

モーダルミックスとは?

バスと鉄道を“いいとこ取り”する取り組み

聞き慣れない言葉かもしれませんが、「モーダルミックス」とは、
複数の交通手段をふだんの移動で柔軟に選べる仕組みのこと

つまり、

「鉄道の代わりにバスに乗る」
「バスが混んでいたら列車で移動する」

そんな使い分けを制度として認めてしまおう――という実験なんです。


なぜこの区間で実験するの?

この区間は…

  • 列車が5時間以上来ないこともある
  • 地元の高校生・通学利用者が多い
  • 保護者の送り迎え負担が大きい

という背景があります。

例えば、1時間に1本どころか、数時間に1本しかない列車を待つのは正直つらい。
「学校帰りの時間に電車がないので、保護者が車で迎えに来るしかない」
…そんな声も聞かれていた地域です。

この状況を、鉄道車両の本数だけで解決するのはとても難しい。
そこで、JR九州が考えたのが 「バスとの連携で空白時間を埋める」 という柔軟な発想でした。


利用方法はとってもシンプル!

今回の実証実験はこんなルールです:

  • JR通学定期を持つ人は
  • 対象区間のバスに 定期 + 200円で乗れる

つまり、
「電車の代わりにバスに乗ってOK」
「途中停留所でも降りられる」
…そんな柔軟な乗り換えが可能になりました。

ポイントは…

  • 対象路線は祐徳バス 太良線(肥前鹿島駅前〜竹崎港)
  • 乗車はJR定期提示 → 降車時に支払い
  • 料金は一律200円(通常のバス運賃より絶対オトク!)

混雑している時間帯は乗車できないこともあるけれど、
待ち時間が長い地方の列車区間では、かなり助かる制度になっています。


どんな効果が期待されている?

JR九州がこの実験で狙っているのは3つ。

利便性向上

長い空白時間をバスで埋めて、移動の選択肢を広げる。

保護者・利用者の負担軽減

迎えに行く必要が減り、時間的・金銭的な負担をやわらげる。

地域の交通を守る

鉄道だけに頼らない、新しい地域公共交通の形を模索する。

まさに “地域をつなぐ交通のアップデート” と言える取り組みです。


まとめ — 地域の交通をつなぐ小さな挑戦

今回の実証実験は、一見すると「定期 + 200円でバスに乗れるだけ」に見えます。

でも、その裏には 地方交通全体の未来を見据えた大きな挑戦があります。

列車が来ない待ち時間のストレス。
保護者の送迎負担。
公共交通の利用率低下…

こうした課題を、「ただ鉄道だけを増やす」のではなく、
バスとのシームレスなつなぎで解決する発想は、これからのローカル交通のモデルになるかもしれません。

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