新見市といえば、鉄道ファンの間ではやはり伯備線・布原信号場を走ったD51形蒸気機関車の三重連を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
そんな「布原のD51三重連」をテーマにしたコンセプトルームが、新見駅前のホテルに誕生しました。
新見市高尾の「新見グランドホテルみよしや」に、新見SL鉄分補給部屋「轍~WADACHI~」が登場します。
10月9日にプレオープンし、10月14日の「鉄道の日」に本格オープンする予定です。
グランドホテルみよしやホームページ
布原を走ったD51三重連
伯備線ではかつて、石灰石を運ぶ貨物列車を中心に蒸気機関車が活躍していました。
その中でも全国的に知られているのが、D51形蒸気機関車3両を連ねた「三重連」です。
1962年から1972年まで運行され、急勾配が続く伯備線を力強く走りました。
特に布原信号場周辺は、D51三重連を撮影する鉄道ファンが全国から集まる場所となり、現在でも「布原の三重連」として多くの鉄道ファンの記憶に残っています。
当時の人気はかなりのもので、今回のコンセプトルームをプロデュースした鉄道カメラマンの坪内政美さんによると、三重連の最終日には布原地区だけで約2800人が訪れたといいます。
ホテルなのに「寝させない」?
今回の「轍~WADACHI~」は、単に鉄道写真を飾った客室というわけではありません。
室内にはSLの写真のほか、機関車の模型やプレート、掛け軸などを設置。
さらに、鉄道に関する雑誌やレコード、DVD、VHSビデオなども用意されています。
窓際には、実際に国鉄型14系客車で使用されていた2人掛け座席も設置されています。
このため、客室にいながら鉄道の資料を眺めたり、レコードなどを楽しんだりすることができます。
まさに「鉄道を楽しむための部屋」です。
企画者の坪内さんは、この部屋のテーマを「ホテルなのに寝させない」としています。
せっかく新見まで来たのなら、早く寝てしまうのではなく、鉄道に囲まれた時間を思う存分楽しんでほしいということでしょう。
新見駅から徒歩1分という立地
「新見グランドホテルみよしや」はJR新見駅から徒歩約1分という立地です。
伯備線だけでなく、姫新線や芸備線を利用して新見を訪れる鉄道ファンにとっても利用しやすい場所です。
ホテルの宿泊プランでは「SLルーム」が設定されており、朝食付きと素泊まりのプランが用意されています。
また、1階ロビーには「新見SL資料室『轍~TETSU~』」も設けられています。
客室だけでなく、ホテルそのものが鉄道を楽しめる場所になっているのが特徴です。
新見ではD51三重連の記憶を残す取り組みが続いています
今回の「轍~WADACHI~」だけでなく、新見市では今年、かつての伯備線を伝える取り組みが相次いでいます。
6月には、新見駅近くに「私設新見鉄道写真館」が開館しました。
こちらでは、D51三重連が走った伯備線や布原信号場など、当時の鉄道写真を見ることができます。
また、新見市観光案内所では「伯備線 伝説の布原三重連」のジオラマも展示されています。
また、新見駅から伯備線で倉敷方面へ2駅行った井倉駅には、お召列車に使用されたD51-838が展示されています。
こうして見ると、現在の新見には「現役の鉄道」だけでなく、かつてこの地域を走っていた鉄道の記憶を伝える場所も増えてきました。
鉄道のまち・新見を訪れるきっかけに
現在の伯備線を走る列車からは、D51三重連が走っていた時代の姿を直接見ることはできません。
しかし、写真や資料、ジオラマ、そして今回のコンセプトルームを通して、当時の新見に全国から鉄道ファンが集まった時代を知ることができます。
布原のD51三重連を知っている世代にとっては懐かしい場所に。
そして、三重連の時代を知らない世代にとっては、写真や資料から当時の伯備線を知る場所に。
「新見SL鉄分補給部屋 轍~WADACHI~」が、新見を訪れる新たなきっかけになりそうです。



