北海道の玄関口・新千歳空港と札幌を結ぶJR北海道の看板列車、快速「エアポート」。
その運用から、長年親しまれてきた721系電車が2028年度末までに撤退することが明らかになりました。
報じているのは北海道新聞で、今後は「u-シート(指定席)」車両を除き、一般車はすべてロングシート化される流れとなります。
快速エアポートすべてロングシートに JR北海道が28年度末まで 訪日客増の混雑緩和
北海道新聞ホームページ
721系と快速「エアポート」の関係
alt="JR北海道、721系快速エアポート" class="wp-image-6904"/>721系といえば、1988年に登場した北海道の近郊形電車の代表格。
寒冷地仕様の頑丈な車体と、転換クロスシートによる「通勤電車だけど少し特急気分」な車内は、観光客・地元利用者の双方に支持されてきました。
特に快速「エアポート」では
- 大きな荷物を持つ空港利用者
- 札幌都市圏を移動する通勤・通学客
という異なるニーズを、クロスシート+u-シートという構成でうまく吸収してきた印象があります。
なぜロングシート化が進むのか
今回の動きのポイントは、721系の撤退そのものよりも、
「u-シートを除き、全座席ロングシートへ」という点でしょう。
背景として考えられるのは、
- ラッシュ時間帯の混雑対策(立席スペース確保)
- 大型スーツケース利用者の増加
- 車内レイアウトの統一による運用効率化
- 車両更新に伴う保守コスト削減
といった、実務的・現実的な理由です。
空港アクセス列車でありながら、近年は“都市圏輸送の一部”としての性格がより強まっていることが、座席配置にも表れているように感じます。
根本的な解決には・・・
JR北海道は、快速「エアポート」の混雑に対し、次のような対策を取ってきました。
- 2014年 ロングシート車両の733系の投入
- 2016年 特急「スーパーカムイ」の新千歳空港への乗り入れ廃止
- 2020年 快速「エアポート」を毎時4本→5本へ増便
- 2024年 快速「エアポート」を毎時5本→6本へ増便
しかしながら、増え続ける観光客等に対しての輸送に追い付かず厳しい状況が続いているのが現状です。今回、ロングシート車に統一しても需要には追い付かないものと予想されます。
根本的な解決には、千歳線(南千歳駅~新千歳空港駅)の複線(ループ線)化・駅の乗り入れ可能車両数の増加が必要だと思われます。この計画については、検討はされているようですがまだ実現の段階には達していないようです。
それでも残る「u-シート」の存在感
alt="快速「エアポート」u-シート" class="wp-image-6906"/>一方で、完全なロングシート化ではなく、
「u-シート」は引き続き設定される点は注目です。
- 必ず座りたい出張利用
- 観光で快適さを重視する乗客
こうした層への配慮は、快速「エアポート」が単なる通勤列車ではないことを物語っています。
「無料席は実用性重視、有料席で快適性を確保」
──そんな役割分担が、よりはっきりした形と言えそうです。
主役は733系へ、時代の転換点
alt="JR千歳線 733系 快速エアポート" class="wp-image-6905"/>721系に代わって主力となるのは、733系電車。
ロングシート主体で、輸送力と合理性を重視した設計は、まさに現在のJR北海道の方針を象徴しています。
この流れは、快速「エアポート」に限らず、
「鉄道は移動手段としてどうあるべきか」
という全国共通のテーマにもつながります。
まとめ
クロスシートで空港へ向かう、あの少し旅気分の時間。
それが減っていくのは、正直なところ少し寂しさもあります。
ただ一方で、利用者が増え、役割が変わり続ける列車が、
その時代に合った姿へ進化していくのもまた鉄道。
721系が築いてきた歴史を胸に、
快速「エアポート」は次のステージへ向かおうとしています。


