「また値上げの話?」と思われる方もいるかもしれません。
でも今回は、運賃ではなく“燃料”のお話です。
岡山県西部の総社駅と広島県東部の神辺駅を結ぶ第三セクター鉄道、井原鉄道井原線。
平成11年1月11日11時11分に開業した鉄道会社で、地域の通勤・通学、そして観光の足として長年親しまれてきましたが、いま経営の足元を大きく揺るがす問題に直面しています。
きっかけは、軽油価格の高騰です。
軽油の価格高騰でローカル鉄道も悲鳴 さらに状況が悪化すれば減便の申請も視野に 開業以来最大の燃料費高騰で苦境に
山陽放送ホームページ
ディーゼル車に欠かせない「軽油」が大幅上昇
井原鉄道の列車は、電車ではなくディーゼルカー。
つまり、走るために必要なのは電気ではなく軽油です。
報道によると、軽油の仕入れ価格は
- 数年前:1リットルあたり 80円台
- 現在 :1リットルあたり 130円前後
と、約1.5倍以上に上昇しています。
鉄道は1本の列車を動かすだけでも相当な燃料を消費します。
本数が多ければ多いほど、燃料費はそのまま経営負担になります。
その結果、井原鉄道では
「このままの状況が続けば、減便も検討せざるを得ない」
という、重い言葉が出てきました。
減便は「利用者が減る → さらに厳しくなる」悪循環に
減便と聞くと、「仕方ないのでは」と思うかもしれません。
しかし、地域鉄道にとって減便は最後の手段です。
- 本数が減る
- 利便性が下がる
- 利用者が減る
- 収入がさらに減る
という、負のスパイラルに入りやすいからです。
特に、
- 毎日使う通学・通勤客
- クルマを持たない高齢者
- 観光で訪れる人
にとって、列車の本数は「生活の質」そのもの。
減便は、地域全体に静かに、しかし確実に影響を広げていきます。
鉄道だけの問題ではない「燃料高」
今回の話は、井原鉄道だけの特殊なケースではありません。
- バス
- フェリー
- トラック輸送
など、軽油に頼る公共交通・物流全体が、同じ問題を抱えています。
これまで「電車はエコで安定」と言われてきましたが、
地方では今もディーゼル車が主役の路線が多く、燃料価格の変動を直接受ける構造になっています。
実は、燃料価格の高騰に苦しんでいるのは鉄道だけではありません。
瀬戸内海では、フェリーや高速艇でも減便が現実になっています。
岡山とお隣の県になる香川県ですでに起きている影響の
「高松~小豆島航路で進む大幅減便」については、
こちらの記事で詳しくまとめています。
利用する私たちにできること
正直なところ、個人が燃料価格を下げることはできません。
それでも、
- たまにでも列車を選んで乗る
- 観光で沿線を訪れる
- 「地域に鉄道がある意味」を考える
こうした積み重ねが、結果的に路線を支える力になります。
「使わなくなったら、なくなる」
地方鉄道は、いつの時代もその現実と向き合っています。
まとめ
今回のニュースは派手さはありません。
でも、気づいたときには選択肢がなくなっている——
そんな未来につながりかねない話でもあります。
軽油の高騰という“見えにくい問題”が、
地域の足にどんな影響を与えているのか。
これからも、岡山の鉄道を中心に、
こうした動きを静かに追いかけていきたいと思います。
現在の石油の供給不安の影響はこのようなところにも表れています。



