関西・東海を代表する私鉄グループ、近鉄グループが「中期経営計画2028」を公表しました。
鉄道ファンとしては、次の3つの点が特に気になりました。
- 事業体制の強化
- 定期外収入の拡大
- 特急強化による収益拡大
通勤輸送に頼りすぎない“これからの私鉄経営”を、近鉄がどう描いているのか。
鉄道ファン目線で、ひとつずつ見ていきたいと思います。
近鉄グループホールディングスホームページ
① まずは足元固め「事業体制の強化」
alt="近鉄1201系 賢島行きワンマン列車" class="wp-image-7264"/>最初の矢は、少し地味に見えるかもしれませんが、実はとても重要なテーマです。
近鉄は、
- 人手不足
- エネルギー価格の上昇
- 設備の老朽化
といった、全国の鉄道会社が共通して抱える課題に直面しています。
そこで「近鉄グループ中期経営計画2028」では、
- 安全を最優先にしつつ、運営の効率化を進める
- 持続可能な事業体制へ転換する
という方向性が明確に打ち出されました。
ワンマン運転の拡大や、設備投資の選択と集中など、「派手さはないけれど、将来の近鉄を支える土台づくり」が進められていきます。
→ 鉄道事業を“細く長く続ける”ための、現実的な一手とも言えそうです。
② 近鉄らしさ全開?「定期外収入の拡大」
今回の計画で、鉄道ファンとして特に注目したいのが2本目の矢。
定期外収入=通勤客以外のお客さん
少子高齢化が進む中、
「毎日同じ時間に乗ってくれる通勤客」だけでは、鉄道経営は成り立たなくなってきました。
そこで近鉄が力を入れるのが、
- 観光
- レジャー
- インバウンド
- イベント需要
といった定期外利用の掘り起こしです。
伊勢志摩、奈良、京都、名古屋…。
近鉄沿線は、日本有数の観光資源の宝庫。
鉄道単体ではなく、
- 観光地
- 宿泊
- イベント
- グループ事業
と組み合わせて「移動そのものを価値にする」戦略が、より一層強まっていきそうです。
こういった企画は、この流れによるものでしょう。
③ やっぱり主役はこれ!「特急強化による収益拡大」
そして3本目の矢が、特急の強化。
近鉄といえば、
- 名阪特急
- 伊勢志摩ライナー
- ひのとり
- 観光特急「あをによし」
など、私鉄随一とも言える“特急ブランド”を持っています。
中期経営計画2028では、
- 特急サービスの魅力向上
- 高付加価値化
- 観光需要との連携強化
が、はっきりと掲げられました。
これはつまり、
「安くたくさん運ぶ」から「選ばれて乗ってもらう特急」へ
という方向性。
将来的には、
- 既存特急のリニューアル
- 新しい観光型特急の登場
といった動きにも、自然と期待が高まります。
近鉄では、「ミッドナイトひのとり」といった特急列車を有効に活用する企画も行われています。
まとめ
今回の「中期経営計画2028」を読み解いて感じるのは、
→近鉄は、通勤輸送中心の鉄道経営から本気で脱却しようとしている
という点です。
- 足元を固める「事業体制の強化」
- 観光・レジャーを取り込む「定期外収入の拡大」
- 近鉄の顔である「特急の価値向上」
この3本の矢は、それぞれ独立しているようで、実はしっかりとつながっています。
特急が魅力的になれば観光客が増え、
観光客が増えれば定期外収入が伸び、
収益が安定すれば事業体制も強化できる。
そんな“好循環”を描いているように見えます。
おまけ
数字や経営計画は少し難しく感じるかもしれませんが、
- 次はどんな特急が出てくるのか
- 観光列車はどこを走るのか
- 名阪特急はどう進化するのか
そんな視点で読むと、中計はぐっと面白くなります。
近鉄の次の一手、数年後に「ああ、ここに書いてあったな」と振り返る日が来るかもしれませんね。
各鉄道事業者の2026年度の事業計画のまとめのページへのリンクです。





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