岡山県北西部の鉄道利用促進に向けた動きが、今年も始まっています。
新見市では、JRローカル線の利用を後押しするため、芸備線・姫新線を対象に運賃の半額相当を「にーみんポイント」で還元する事業を実施しています。
この取り組みは、マイカー依存が進む地域において、日常的な鉄道利用を少しでも身近に感じてもらうことを目的としたもの。特に、利用者減少が課題となっているローカル線にとっては、自治体が前面に立った実践的な支援策と言えそうです。
買い物ポイント付与や体験イベントでJR芸備線などを身近に…新見市で鉄道利用促進対策を協議【岡山】
OHK(岡山放送)ホームページ
芸備線・姫新線利用促進事業 「運賃の一部を『にーみんポイント』で還元します!」
新見市ホームページ
運賃の半額がポイントで戻る仕組み
2025年度の事業では、新見市オリジナルICOCAを持っている人で新見市内の
- JR芸備線(新見駅・布原駅を含みます)
- JR姫新線
を乗車券で利用した場合、支払った運賃の50%分が「にーみんポイント」として還元されます。
ポイントは市内の加盟店などで利用でき、実質的に「半額で列車に乗れる」形になります。
※伯備線は対象外です
還元額には上限(1人あたり最大1万円分)が設定されているものの、通学・通院・買い物など、日常利用が多い人ほど恩恵を感じやすい制度です。
制度の詳細は、新見市の公式案内で確認できます。
今年は「伯備線も対象になるのか?」という声
ここで気になるのが、伯備線は対象にならないのかという点です。
新見駅を起点に岡山方面・山陰方面を結ぶ伯備線は、新見市にとって最も利用者の多い幹線。
「芸備線・姫新線だけでなく、伯備線も含めてほしい」という声が出るのも自然な流れでしょう。
実際、地元メディアのOHK(岡山放送)の報道では、新見市の鉄道利用促進協議会の中で、
芸備線・姫新線・伯備線を含めた広い視点での利用促進が話題に上がっていることが伝えられています。
記事も見ると、伯備線も対象になるように見えますが私の意見としては姫新線・芸備線のみで今年も伯備線は対象外だと思います。続報が入った場合はこの件について取り上げる予定にしています。
実際のところ、伯備線についても新見駅より北では普通列車の利用者数は少ないためこの区間は対象に含めてもいいのではと思います。
- 伯備線(新見駅~新郷駅 2021年度駅別利用者数 新見駅~備中神代駅間は姫新線・芸備線の利用者数を含む)
| 新見 | 布原 | 備中神代 | 足立 | 新郷 |
| 520 | 2 | 6 | 4 | 7 |
これを見る限りでは、伯備線の備中神代駅以北については普通列車の利用者数は決して多くないと思われます。恐らく、芸備線よりも少ないのではないでしょうか。
実現するかどうかは未定ですが、伯備新幹線が完成した場合には新見駅より北の部分は路線の存続問題となる可能性が高いです。
「対象外」でも、議論から消えたわけではない
伯備線が今回の制度に含まれていないからといって、利用促進の議論から外れているわけではありません。
むしろ、
- 幹線である伯備線
- 利用者減少が深刻な芸備線・姫新線
それぞれの性格が異なるからこそ、同じ施策を一律に当てはめるのが難しいとも考えられます。
まずは支援が必要な路線から着実にテコ入れを行い、その成果や反応を見ながら、
将来的に伯備線を含めた新たな施策が検討される――
そんな“段階的なアプローチ”とも読み取れそうです。
鉄道を「残す」から「使ってもらう」段階へ
ローカル線を巡る話題では、「存続か廃止か」という議論になりがちですが、
今回の新見市の取り組みは、実際に乗るきっかけをつくるという点で、とても現実的です。
ポイント還元という分かりやすい仕組みは、
「久しぶりに列車で行ってみようかな」
「車じゃなくて電車にしてみよう」
そんな小さな行動変化を生む力があります。
今後、伯備線がどのような形で施策に関わってくるのか。
今年の取り組みは、その“前触れ”になるのかもしれません。


